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エッセイ  作者: 河野吉田
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エッセイ『駅前で怪しい粉を渡された話』

『駅前で怪しい粉を渡された話』


 もう時効だと思うのでぶっちゃけちゃいますが、その昔、学生の頃だったでしょうか。ある時、警察のお世話になりました。悪い事……かと言われると部妙なラインですが、まぁ悪い事です。それは何かというと「怪しい粉の所持」でお世話になりました。別に自分から買ったとか、そういう事ではなくて、難しい話のようなそうでないような話なので詳しく話させて頂きます。

 あれは確か冬だった気がします。受験の為に塾で勉強して最寄り駅に向かい、駅ビルにある本屋で参考書を買おうとした時です。駅の目の前に交番があったのですが、その真ん前でチャラチャラした身形の外国人が学生服を着た人達を対象に何かを配っていました。

「これで元気になれるよー!幸せだよー!」

 と言いながら。私もそれを渡され、少し離れて開いてみると、何やら怪しい白い粉。何となく「あ、これ駄目なヤツだ」と思った私はそのままUターンして交番に歩いていきました。交番で警察官の方々に

「あのー、コレ、すぐそこにいる外国人さんに貰ったんですけど……」

 と言ってその粉を渡すと、警察官の方々はそれを何かの薬の入った液体に浸けました。するとギョッとした顔をして事情聴取されました。名前、年齢、学校、家族、塾の名前、電話番号、具体的にどこでいつこの粉を渡されたか等々。それらを全部聞いた警察官の一人は外であの外国人を職務質問をしている警察官を指差し

「あの警察官の隣にいる外国人?」

 と聞かれたので

「そうです」

 と答えると

「本当に関係無いんだね?」

「はい」

「本当だね?」

「はい。全く知りませんし、訳も分からずにいたのでここに来ました」

「そうか……手間を掛けさせて申し訳ないね。もう帰って良いけど、何かあったらこっちから連絡入れるかもしれないからご家族にも言っといてくれるかな?」

「分かりました」

 私はすぐその場を去り、本来の目的であった本屋は時間的に閉まってしまっていたのでそのまま自宅に帰りました。それ以来、連絡は何もありませんでしたが、あの人はどうなって、あの粉は何だったのか未だに分かりません。

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