エッセイ『母方の祖父母の出会いと母の出生の話』
『母方の祖父母の出会いと母の出生の話』
母方の祖父はニ十九歳まで独身だった。三十歳間近でそろそろ身を固めるかと思い、地元で見合いをした。それが少し行き違い、本来、祖母の姉(大伯母)と見合いの予定だったが、既に大伯母は結婚済みだった。どうせ間違いで迷惑を掛けてしまったのだからと祖母の父(曾祖父)は「酒でも飲んでってくれ」と言って祖父に酒を飲ませた。ベロンベロンに酔っ払った祖父の所に、裁縫学校から帰って来た祖母(当時二十一歳)が帰って来て一目惚れした祖父。ここで結婚を決意した。
祖母は訳が分からないまま結婚の話が進み、次に祖父と会った時は結婚式だった。相当戸惑ったらしい。当たり前だが。
結婚生活を始め、地元から離れて名古屋に移住した二人。半年後、祖母は「実家に帰る」と祖父に言い残して実家に帰った。この時、祖父も、祖母の家族も「あぁ、上手くいかなかったんだ……」と思い、祖父は酒に溺れ、祖母の家族も気晴らしに農家の手伝いをさせていた。しかしそんな彼らの考えとは裏腹に、祖母は単純に「半年も帰ってないから帰省したかっただけ。後、赤ちゃん(母)がお腹にいる」と言われ、祖母の家族は大混乱。
「この馬鹿!農作業なんかしとる場合か!」
と叱責され、祖父は曾祖父に電話で
「早く娘を連れて帰れ!」
と言われ、何時間も掛けて祖父は実家に帰り、祖母を連れて帰った。その後、無事母を出産し、横浜に移住したのだった。
自由奔放な祖母にほっこりした話でした。




