↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
エッセイ  作者: 河野吉田
PR
103/111

エッセイ『祖母との別れの話』6

『祖母との別れの話』6


 今の祖母が施設に入るまでの流れです。

 夜~朝は母が、昼~夜は私が祖母のオムツ交換を担当していました。

 ある日、体に限界が来て二階の部屋で寝てしまい、起きるともう夕方でした。

 スマートフォンを見ても特に祖母からのヘルプは無し。

「自分でオムツ交換出来たのかな?」

 と楽観的に一階に降りると、そこには床に倒れている祖母がいました。

 最初は「寝っ転がってテレビ見てるのかな?」と思いましたが、祖母からは「何度も呼んだんだよ!?」と言われ「何?どういう状況?」と祖母を落ち着かせつつ自分も落ち着かせて、話を聞いてみると、どうもブレーキを掛け忘れた車椅子に乗り移ろうとして、車輪が回転してその勢いのまますっ転んだそうでした。

 何とか這いずり回り、ようやくテレビが見える位置まで辿り着き、寒さから、一階に敷いてあった私の布団の枕カバーを腹に巻いて寒さと戦っていたそうです。

 スマートフォンは?と思ったのですが、毎回ちゃんと持つように言っていたのにその時に限って持っておらず、またさっきも書いたようにブレーキを掛けるよう厳しく言っていたのにこうなってしまったという事でした。

 すぐに救急に通報し、母にも電話して救急車に乗りました。中で事情を話している内に母が帰宅し、救急車に母が乗っていきました。

 この時、家の前は階段で、グルっと回ってからじゃないと救急車が停まっている場所まで辿り着けませんでした。

 その際、祖母は「腰が痛い」「膝が痛い」「頭が痛い」「股関節が痛い」と普段から痛みを訴えていた場所の事ばかり口にしていました。救急隊員さんも、どこを優先して対応すべきか判断に困っている様子でした。

 結局「腰が痛い」が優先され、担架では無理と判断されて布で運ばれていきました。

 この瞬間の事は、今でもハッキリと覚えています。弱々しい声で一生懸命大声を出しての「あてててててててててててて!」。

 今でも時々夢に出ます。

 倒れている祖母、そしてあの「あてててててててててててて!」。

 もうトラウマでしかなく、倒れている老人や座っている老人を見たり、「いてて……!」という痛がる声を聞いただけで吐きそうになります。

 でもあれが最後の姿にならなかったのはもしかしたら亡くなった祖父の霊が守護霊となって守ってくれたのかな、とか思ったりします。

 そして病院に二週間程入院し、その後今の老健に移りました。

 老健では穏やかに過ごしているそうですが、趣味が無い祖母は本当に退屈なんじゃないかと不安になっています。

 続きます。



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。