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エッセイ  作者: 河野吉田
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エッセイ『祖母との別れの話』5

『祖母との別れの話』5


 祖母が緊急搬送される少し前の話です。

 祖母はもう完全にトイレに一人では行けなくなっていました。

 小便を漏らす事が増え、オムツにしましたがそれでも耐えられず、オムツの上から尿漏れパッドを貼っていました。

 しかし一時間もすれば、パッドとオムツだけでは吸収しきれない程の尿漏れを起こしていました。

 ベッドに漏らされる前に母が通販で尿漏れシーツを買い、それを敷いても尚、毎回シーツとオムツとパッドを交換していました。

 ある日、うんちが出るとの事で呼び出され、その時まではトイレまで我慢出来ていたのに、もう肛門括約筋が衰えていたのか、その場で垂れ流してしまいました。

 幸いにもベッドや床に零れる事は無く、私が素手で受け止める事でなんとかなりました。

 これに相当ショックを覚えたのか、祖母は「ごめんねぇ……クソババアって言っておくれよ……」と言ったのですが、私は「何で?仕方ない事じゃん」と答えると「だってこんな情けない……クソババアだよ。アタシは……」と泣き崩れていました。

 私は「俺だって赤ん坊の頃はこうやってオシメを替えてくれたんだろ?だったらその恩返しだよ」と答えると号泣していました。

 あの時、笑って「クソババア」と冗談で言っていたら少しは祖母の気持ちも軽くなったのか、それとも本気で自殺を考えていただろうか……と少し考えたりします。

 今現在、トイレ事情は施設の人から聞いていますが、どうも尿意、便意を感じて呼び出した時にはもう漏れているとの事でした。

 そこで祖母は言うそうです。

「仕事でも嫌でしょう?ごめんねぇ」

 と。

 続けて「私の孫息子も、うんちを手で受け止めてくれるし、お尻だって拭いてくれるんだよ……仕事でも何でもないのにねぇ……本当に、死んでしまいたいよ……」と呟くそうです。

 正直、金銭的にそろそろ危ない状況なので、早く老健から特養に移ってもらわないと……と思ってはいるのですがなかなか先が見付かりません。

 なるべく横浜市内に居てくれると有難いのですが。もしかしたら市外になるかもしれませんね。

 早くマクドナルドやドミノ・ピザ、ケンタッキーにミスタードーナツ、銀だこを食べさせてあげたいな……

 続きます。


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