暗闇の魔女ルナ
シーリンが合流して、健司、ルメ、シーリンは南の山にいるとされる魔女の組織デスソシエを新たに目的として、進んでいた。
すると、1つの街が見えてきた。健司達が見た時、その街は異様な様子を見てしまった。
街が暗い何かで覆われているのだ。
街1つ覆うほどの魔法なんて、信じられない。
健司は、ありえない顔をして、
「黒い何かで覆われている。これじゃあ、太陽すら見れないじゃないか。」
シーリンは目を細めて、
「ここがあの噂の街ダサンですか。実際に見ると、ものすごいですね。別名 深い闇の街ダサン。」
ルメは、この街ダサンを見て、
「つまり、魔女の魔法ということだよね?暗いということは、闇系統の魔法?」
健司はルメの言う系統に反応を示し、
「系統とは何ですか?」
シーリンが優しく答えた。
「系統とは、いわゆる属性というものですね。火、水、風、大地、雷、光、闇が大きく分けられています。中には、当てはまらないものもあります。例えば、ルメが使う模倣魔法などがどこにも当てはまらないですね。」
健司はシーリンの説明を受け、感動した。
「へぇ〜。ということは、それだけ魔法って、個性なんだね。」
シーリンは大きく目を開けて、健司の言葉に驚いた。
健司さんには驚かされますね。魔法と聞いて、普通は恐怖を抱くものです。
魔法とは未知なもので、たやすく奇跡をおこせるもの。
故に、人々は魔法を使う魔女を恐れる。
ただ、健司は魔女に対して、恐れを抱いていない。
さすがは、……。
ルメがシーリンの心を詠んだかのように、
「私の健司だよね!」
シーリンの眉がぴくっと反応し、
「まだ、あなたのものではありませんが。」
ルメはシーリンに対して、からかった。
「やだなぁ。シーリンのものでもないよ。」
ルメとシーリンの視線の間には、バチっと、電気が流れたように感じた。
健司は2人の言葉を聞いて、何かもの扱いされているように、感じ取ってしまった。
「まぁまぁ、街に入りましょうか。」
ルメとシーリンは頷き、3人は街に入っていった。
街 ダサンは異様な光景だった。
明かりが何1つなく、ただ暗闇しかなかった。
住人は隠れて明かりをてらしていた。
しかし、電球1本くらいの明るさだった。
健司はダサンの状況を見て、言葉を失った。
ルメは、予想以上に危険を感じ、
「やばいね。明かりをつければ、バレるし、暗闇は何より恐怖を感じる。これが魔女か。」
シーリンもルメの考えに同調した。
「そうですね。これだけ広範囲の魔法だと、どこから魔女が見てるのか、分かりませんね。ただ、私達がダサンに入った事は、すでに分かっているでしょう。」
その時、3人は、話しかけてくる住人がいた。
「あんたたち、旅をしているのかい?」
健司は、すぐさま返事をして、
「はい。魔女を救う目的で!」
住人は健司を嫌悪するような目で、
「正気かい!魔女は恐ろしい。この街ダサンを暗闇にしたのも魔女だし、明かりを禁止にしたのも魔女だよ。」
ルメは、疑問を口にした。
「明かりを禁止?なんで、そんなことするのかな?」
住人は恐怖を感じた顔で、
「わからない。ただ、暗闇にすることで魔法が最大限、発揮するらしい。それに反発したものは、南の山に連れて行かれ、帰ってくるものはいない。だから、みんな隠れて明かりをつけている。」
健司は決意を固めた感じで、
「ルメ、シーリンさん。この街を救い、魔女を救ってみましょう。」
ルメが慌てて健司を止めた。
「待って、健司。南の山に連れて行かれたという事は、デスソシエの組織が絡んでいる。それに、この街を支配している魔女が誰なのかも分かっていないし。」
住人が恐る恐る、口を開いた。
「その魔女なら、知っている。名前はルナといい、この街のもので、ある時、この街を支配していた別の魔女に連れ去られ、帰って来た時には今の魔女になってしまっていた。」
シーリンは神妙な顔をして、
「別の魔女?その魔女はどういう魔女なの?」
住人は恐怖心で体が小刻みに震えていた。
「闇そのものの目をしていた。とても恐ろしい魔女だった。特に何をする訳ではないが、あれは人間を憎んでいるような憎悪を感じた。魔女を救うって言うなら、止めないが、その魔女だけはやめた方がいい。」
健司は難しい顔をしていた。
「この街を支配している魔女を救うと、デスソシエと対決することになる訳ですね。それでも、僕は魔女を救いたいんです。」
ルメは微笑んで、健司の頭を撫でた。
「健司、いい覚悟ね。さっそく始めましょうか。シーリン、早く光を出して。」
シーリンは諦めた感じで、
「まったく。ルメは相変わらずですね。しかし、ルメと同意見ですね。精霊、精霊よ。光を出してください。」
シーリンは精霊を呼び出し、光を出してもらうと、その光は街を覆っていた暗闇を吹き飛ばし、空には、太陽が見えていて、この街ダサンは日常を取り戻していた。
ルメは諦めた表情で、
「相変わらず、ぶっ飛んだ魔法ね。精霊魔法なんて、属性無視じゃない。」
シーリンは、ルメに微笑んで、
「ふふふ。ルメこそ、模倣魔法なんて、ただのコピーじゃない。」
お互いが笑っていた。
ただ笑っているだけならいいのだが、お互い牽制し合っている気がした。
その時、ある女性がこちらに向かって来た。
黒髪で18才くらいの華奢な女性だ。
この女性こそ、ダサンの街を支配していた魔女ルナだ。
その魔女には、怒りに満ちた目をしていた。
「貴様ら、よくも魔法を消したな。何ものだ?」
健司は緊張した顔で、
「僕は健司です。こっちはルメとシーリン。あなたを救いに来ました。」
ルメは健司に憎悪を向けた目で、
「人間、お前には救えない。それに魔法は偉大だ。魔女は高い身分になれるのだ、要は支配者だ。それに、その女達は魔女だろう。その魔女達は救って見せては?まぁ、できないだろうな。人間、お前には何も出来やしない。」
シーリンのこめかみがピクピク、と動き出した。
ルメは、そんなシーリンを見て、怒っているな、と感じた。
シーリンは前に出て、ルナと対峙した。
「ふふふ。口が悪い魔女ですね。まぁ、そこは許してあげましょう。そんなことよりも、健司さんを侮辱したことは許しませんけどね。」
ルナはシーリンのただならぬ威圧感を感じた。
「やってみろ。だが、デスソシエの一員である暗闇の魔女ルナがお前たちを支配してやる。」
シーリンとルナの戦いが今にも始まろうとしていた。




