幻聴
アウレリアが健司とハレッサに、シーリンがいる方に指を向けて、話した。
「ふふふ、シーリンはこの幻を抜け出せるかしら?」
ハレッサは、アウレリアの言葉に鼻で笑った。
「大丈夫よ。シーリンは、私たちの中で1番頭が良い。この魔法を破ることだって、シーリンなら、必ずできる!」
ハレッサは力強く、言った。シーリンのことをよく知っているからだ。
健司は、心の中でシーリンのことを考えていた。
(そうだ。シーリンさんは、いつだって魔女に対して、対抗策を見出していた。今回だって、きっと!)
アウレリアは、それで尚が余裕があった。
「人の心がわからないよ。普段は心の仮面を被っているかもしれないから、シーリンだって秘密があるんじゃない?」
アウレリア、健司、ハレッサは、シーリンがいる方に目を向けた。
シーリンの姿が見える。
ただ、シーリンは周りを見渡している。
シーリンに何が起こっているんだろうか?
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その頃のシーリンは、周りをキョロキョロと見渡していた。
周りの風景は、森の中。
周り見ても、誰もいない。
シーリンは、頭の中で色々と考えていた。
(アウレリアの魔法、本当に厄介ですね。幻想にみんなとらわれてしまいましたか。ハレッサ、ルメ、エルフェリア、健司の姿が見えません。さっさとこの幻想を破らなければ。)
そんなことを考えてるうちに、周りに精霊が寄ってきた。
緑色、赤色、青色、紫色、白色、ピンク色…………いろんな精霊がシーリンの周りに集まってきた。
シーリンは手を差し出した。
精霊はシーリンの手の上に乗った。
「ふふふふ、私にはまだ、精霊がいます。精霊さえいれば、何とでもなります。」
その時、響いてくる声が聞こえた。
「本当にそうかな?本当は精霊見えてないんでしょ?」
シーリンはピクっと、反応が止まった。
それでも、シーリンは声を無視する。
(こんなのは幻聴ですね。気にしないが1番です。)
この声の持ち主こそ、イリューの一員であるガーネット。
彼女の魔法は幻聴魔法だ。声は、姿が見えなくても、耳には、残ってしまう。親しい声の持ち主なら、尚更だ。
ガーネットは、さらに続ける。
「見えてないんだって、だってここは幻。森の中ですら、ない。精霊だって、本来はいない。違う?」
シーリンは、それでも我慢していた。
彼女は、周りの声を気にしない、そんな精神の持ち主だった。
ガーネットは、次の作戦を出した。
「なら、これはどうかな?」
「シーリンさん、本当に精霊が見えないんですか?信じていたのに…………。」
この声は、健司のものだった。
シーリンは、少なからず動揺していた。
(健司がそんなこと言うとは思えない、でも、動揺してしまう。健司さん、信じてください。…………私は。)
ガーネットは、シーリンが動揺してるのみて、さらに攻めた。
「効いてるみたいね。私の魔法 サウンドは、誰の声もすることができる。いくら偽物だと思っても、あなたには、破る術がない。これはどうかな?」
シーリンは、どこから声がするのか、全くわからなかった。
「一体どこから?どこかにいると思うのですが?」
ガーネットは、違う声で言った。
「シーリンはシーリンだよ、ただの天然。私たちの仲を知らないなんて、ありえない。」
きつい口調で聞こえてきた。ルメの声だ。
シーリンはそれでも我慢していた。
こんなのは、幻聴だ。
「ほら、見て。私と健司の仲を。私たち深く愛し合っているから。シーリンは、私たちを祝福してね!」
シーリンは、ついにぶち切れてしまった。
「あははははは。あなたは、踏んではいけないものを踏んでしまいましたね。見せてあげましょう、私の魔法を。」
ガーネットは、少し警戒したが、それでも優位に立っていた。
「できるかな?アウレリア様の魔法に加えて、私の魔法でさえ破れない、この状況を!」
シーリンは、目をつぶり、両手に、光の精霊が集まり、
光のフィールドが広がっていた。
このフィールドがガーネットのいる場所まで広がり、ガーネットを初めて見ることができた。
「見つけました!あなたには後悔させてあげますよ。」
「やってみろ!ここはアウレリア様の魔法の範囲。シーリン、お前はここで終わる。」
ガーネットがそう言った途端、シーリンはガーネットに向けて指をさした。
その途端、ガーネットが炎に包まれた。
「ぐわああ。熱い、熱い。こんな炎がどこから?」
シーリンは、指を鳴らすと、炎は消えた。
ガーネットは、炎に包まれた影響で満身創痍だった。
すると、シーリンは、また指を鳴らすと、ガーネットを光に包まれると、ガーネットの体は、きれいに戻った。
「は?ありえない!こんなことができるなんて……。」
シーリンは笑っていた。
「ふふ。さぁ、続きを始めましょうか?」
ガーネットはここで初めて、シーリンの怖さを知った。
(この女、異常だ。痛みを全く知らないのか?)
シーリンは、ガーネットを追い詰めるように、1歩ずつ近寄った。
ガーネットは、シーリンに対して、初めて恐怖を感じた。
「お前は痛みを知らないのか?」
シーリンは、笑顔を崩さなかったが、目は冷たかった。
「さぁ。あなたに遠慮するとでも?いくらでも私が直してあげますよ、永遠にね。」
ガーネットは、その言葉を聞いて、完全に戦意が喪失した。
すると、幻想がなくなり、太陽の街ザサンに戻ってきた。
シーリンの垣間見えた本性だった。




