↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
太陽の街 ザサン

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
42/45

永続魔法


ハレッサは、じっと冷たい目でアウレリアを見た。


「健司を離しなさいよ!」


 アウレリアは健司を離して、ハレッサから1歩後ろに下がった。

 アウレリアは、ハレッサからの並々ならぬ雰囲気を感じたが、それでも強気を保った。

 今、この街ザサンはアウレリアの魔法 イリュージョン・ワールドにかかっている。

 この魔法の範囲内にいるものは、誰しもがイメージすれば幻想にかかってしまうからだ。

アウレリアも例外ではない。


「ハレッサ、あなたをみくびっていたわ。まさか、リーベルの魔法すら効かないなんてね。ただ、あなた達の仲は、壊れたのも当然よ。」


 ハレッサは、チラッと健司を見た。

 健司がハレッサを見る目は、少し怯えてるように見えた。


「健司君……。」


 ハレッサは少し悲しそうな表情をした。


 (健司君、信じて。確かに、私の本性はあんな感じだけど、健司君に危害をくわえるなんて絶対にない。それだけは真実。信じて…………健司君。)


 健司は、ハレッサに対して怯えながらも、重い口を開いた。


「ハレッサさんの夢はなんですか?2人だけの世界がいいんですか?」


 健司が怯えている理由はそこにあった。

 ハレッサの本性見たからではない。

 ハレッサが2人いればいい、と本当に思っているのか、知りたかったからだ。

 ただ、もし本当に思っていたのだとしたら、恐怖を感じたからだ。


「私の夢は、……健司君と一緒に暮らすことよ。これからもずっと。でも、2人だけの世界はつまらないわ。だから、ルメ、シーリン、エルフェリアも一緒よ。」


 健司は、ハレッサの答えを聞いても、不安だった。


 (ハレッサさん、ルメだと思っていた攻撃は、敵そのものに対する攻撃に見えました。あれでも、仲間だと言えるんですか?)


 健司は、ハレッサに対して、1歩後ろに下がった。

ハレッサは、健司が何をそんなに怯えているのかがわからなかった。


「健司君、なんでそんなに怯えてるの?」


「ルメに対しての攻撃は本物に見えました。あれでも、敵じゃないって言えるんですか?」


 ハレッサは、健司が言いたいことがよくわかった。

手をぎゅっと握り締め、緊張しながら話した。


「健司君……ルメだけじゃなく、シーリン、エルフェリアもだけど、私たちは仲間であり、家族であり、ライバルでもあるの。お互いを高め合う仲かな。」


 ハレッサは、さらに続けた。


「この旅を思い出してみて。私たちは喧嘩もあったけど、誰か1人がかけては成り立たなかったでしょ?私たちはそういう関係、健司君、あなたがいなきゃ、この旅もなかった。」


 健司は、ハレッサの言葉に、心が揺れ動いた。


 (そうだ!この旅は誰かがかけても、無意味なんだ。お互いを高め合うか……。みんな成長してるんだ。色んな魔女に出会って、いろんな考え方がある。僕たちは旅しているんだ。なら、僕は彼女達を信じる。どんな本性があっても!)


「ハレッサさん、信じます。あなたの本性でさえ、それもハレッサさんの一部だと。」


 ハレッサは、涙を流しながら、喜んだ。


「健司君、ありがとう!」


 ハレッサと健司は、お互い近づいて、抱きしめた。

 それを見ていたアウレリアは、苦々しくもイラついた表情で、話した。


「大した茶番ね。そんなものはいくらでも崩れる。たったひとつのきっかけが、あればね。」


 ハレッサは、アウレリアが何をうらやましいのかがわかってしまった。


 (アウレリアが幻想を使うのも、トラウマがあったから使えるということか……。仲間?絆?この幻想では、夢に関するものだった。なら……。)


「あなたが何が欲しいのか、わかっちゃったわ。」


 アウレリアは、ハレッサに対して鼻で笑った。


「フッ。あなた程度に何がわかるの?」


「アウレリア、あなたが欲しいのは心の仲間。そうでしょ?それなら全てが説明がつく。」


 アウレリアは、仲間と聞いて、激昂した。


「黙りなさい!仲間など所詮、邪魔なだけだ!私たちが信じるのは、この世は幻だ!」


 その時、周りの景色が変わっていき、ある建物の中の会場みたいな場所に移された。

 ドレスを着た女性が話しかけてきた。


「アウレリア様、いつも美しくてうらやましいです。」


 また、ドレスを着た別の女性がアウレリアに話しかけた。


 「アウレリア様、相談事があるのですが……。」


 アウレリアは、急に叫んだ。


「これは幻だ!現実ではない!」


 周りの景色は戻り、太陽の街ザサンの風景に戻った。


 ハレッサは、アウレリアがどういう人なのかを考察してみた。


「アウレリア、あなたもしかして、お嬢様じゃないかしら?そしてあなたがたびたび言う、信じる、という言葉はある組織と結びつく。」


 健司がハレッサの言うある組織について、聞いてみた。


「ある組織ですか?」


「そう。その組織は、トップの人が神みたいな人だってさ。そしてその組織に反抗して抜けたやつがいる、っていうのを、エルフェリアから聞いた。その抜けたやつって言うのが、上品で優雅な魔女らしい。あなたのことね、アウレリア?」


 アウレリアの表情が一変した。

 今までに見たことがない位、憎悪をした目でハレッサを見た。


「それがどうした?そんなことわかった位で、お前たちにはどうすることもできない。私の魔法 イリュージョン・ワールドは、幻だと見破らない限り、永遠に続く。この魔法は、永続魔法だ。この街にかけたものも永遠に続いている。私たちがこの街を占拠したその日からな!」


 ハレッサと健司は、アウレリアの魔法に驚いた。


「馬鹿な、そんな魔法が続くなんて!」


「それじゃあ、幻だと思わない限り、覚めないと言うことですか?」


 アウレリアは、優位に立ったのか、余裕な表情で話した。


「見てみなさい。彼女たちを。まだ、覚めてない。この幻から。私たちの勝ちはゆるがない。」


 健司とハレッサは、まだ幻からさめてないシーリン、ルメ、エルフェリアが立ち尽くしていた。


 アウレリアが笑いながら話した。


「ふふふ。見てみましょうか、次はシーリンの夢を。」


 周りの景色は、シーリンが見る夢へと変わっていった。

 


 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。