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魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
太陽の街 ザサン

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分散


健司達は、太陽の街ザサンに入った瞬間、街の風景にある違和感を感じた。


街の住人の様子がおかしかった。

 あるものは笑ったり、あるものは、泣いていたり、あるものは、隣に誰もいないのに、話しかけたりしている。


 健司達は、すぐに悟った。

アウレリアの幻想にかかっているのだ、と。


 健司はすぐさま、エルフェリアに聞いた。


「エルフェリアさん、これは!」


「ええ、これはもうアウレリアの幻想魔法に街の住人がかかっている。」


 ハレッサ、ルメ、シーリンもエルフェリアの言葉に、すぐ周りを警戒した。


「みんな、気をつけて!」


「健司、早くこっちに!」


「敵の攻撃がもうすぐやってきます。」


 健司がルメに近寄ろうとした瞬間、頭の中に声が響いてきた。


「無駄よ、この魔法は、距離は関係ないの。イメージした瞬間にかかる。みんな行ってらっしゃい、あなたの夢を。」


 健司が叫ぼうとした瞬間、誰かに口を手でふさがれた。

 恐る恐る後ろを見ると、幻想の魔女アウレリアだった。


 アウレリアは、にこやかな表情で、健司に言った。


「健司君、あなたたちは、最初から、かかっていたの。街に入った時からね。誰かに言われたのかな?私の魔法 イリュージョン・ワールドに。」


 健司はアウレリアの言葉を聞きながら、思い出していた。


 (エルフェリアさんの警戒心が逆に仇になった?エルフェリアさんに言われていたから、どんな風に攻撃してくるのを警戒していた。)


 健司は、何かいいたそうにしていたが、しゃべれなかった。


 アウレリアは、さらに話し続けていた。


「彼女たちの魔法は、脅威。それでも、彼女たちの弱点はわかっている。それはあなたよ。彼女達は、あなた を守っている。あなたさえいなければ、彼女たちは自暴自棄になる。見てみなさい、彼女たちを。」


 アウレリアと健司は、彼女たちを見てるしかなかった。


 ——————————————————————————


 ハレッサの目の前に現れた景色は、一軒の家にハレッサと健司がいる。しかし、他には誰もいなかった。

 これがハレッサの夢。

 私と健司がいればいい。

 ハレッサ自身が思っていたことだ。


 しかし、周りを見渡していても、健司が見当たらない。

ハレッサは健司を呼んでみた。


「健司君、どこ〜?出てきて。」


 いくら呼んでも返事はなかった。

 ハレッサは、だんだんと不安になってきた。


 (健司君、どこ?2人っきりになりたいのに、健司君がいなきゃ、つまんない。)


 それを後ろから見ていた幻想の組織イリュー リーベル。リーベルは、ハレッサに対して、笑っていた。


 (ふふふ、ハレッサは不安になっている。さすがは、アウレリア様。人は、生きる目的がある。それは夢だ。じゃあ、夢が叶ったら?また、夢が叶う機会を失ったら、人はどうすると思う?答えは無気力になる。)


 リーベルは、右手に黒い魔力を宿して、ハレッサに対して、最後の言葉を放った。


「さようなら、愛の魔女ハレッサ。あなたが愛しい人は、あなたの世界にはいない。私の魔法で、安らかに眠りなさい。ドレインライフ、生命力を徐々に奪う魔法。」


 ハレッサは、リーベルのドレインライフによって、徐々に無気力になっていた。


 (なんだろう?だんだんやる気が出なくなったなぁ。健司君がいないんじゃ、この世界もどうでもいいや。)


 ハレッサはその場に立ち尽くしてしまった。

 リーベルは、ハレッサに近寄った。


「勝負あったみたいね。あなたの夢なんて、所詮そんなもの。アウレリア様、役目を果たしました。」


 リーベルが後ろを向いて、立ち去ろうとした時、

 ハレッサは、急に発した。


「そうだ!私にはまだやることがある。ルメを倒すことだ。」


 ハレッサがチラッと、周りを見回したらいた。

 ハレッサの目には、ルメがいた。

 ただし、ルメの姿をしたリーベルだ。


「見つけた!ルメ、どちらが健司君にふさわしいか、勝負しましょう。」


 ルメは、走り出し、リーベルに向けて、鋭い蹴りを放った。

 鋭い蹴りは、リーベルの脇腹に命中した。


「ぐっ。一体何が?」


 振り向くと、ハレッサがいた。

 いつもとは、表情が違う。好戦的な目だ。

 ハレッサの鋭い蹴りがリーベルの脇腹を狙った。

 リーベルは、させないようにドレインライフを使おうとした。

しかし、ハレッサの蹴りの方が早く、リーベルの脇腹に命中して、その場に倒れ込んだ。


「ぐはっ。なんだこいつは?確かに私の魔法で、生命力を奪ったはず。」


 ハレッサは、ニタっと笑い、


「そうだ、ルメ。誰にも見せたことない魔法を見せたあげる。名付けて、ラブテイク。」


 ハレッサは手を上に上げ、ピンク色の魔力が大きくなり、それをリーベルにぶつけた。

リーベルは、まるで重力のような感じを受け、さすがにやばいと感じた。


「何だ、これは?重く感じる!このバカげた魔法は!アウレリア様、早く魔法を…………。」


 リーベルがいい終える前に、愛の重力によって、気絶した。

すると、ハレッサの目にはルメの姿ではなく、リーベルの姿だった。

 ハレッサはリーベルをじっと見つめて、誰?だろうと言う顔をした。


「誰だろう?ルメと戦っていたはずなんだけどなぁ。私の愛を受けとめてくれたと思ったのに。私の愛の重さを魔法に込めたのに……。」


 その時、ハレッサの夢は終わり、目の前には、健司と健司の口をふさいでいるアウレリアがいた。

ハレッサは健司を見て笑顔になった。


「健司君、いた!よかった、いてくれて。」


 アウレリアはただただ、恐怖するしかなかった。


 (私は勘違いしていた。愛のために魔女だと。違う、彼女は獣だ。愛する人を狙う魔女だ。リーベルが全く歯が立たないなんて。)


 健司も驚くしかなかった。


 (ハレッサさん、いつもふわふわしているハレッサじゃない。これが本性なのか?)


 ハレッサの隠れた一面を見た2人だった。

 

 

 

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