狙う相手
幻想の組織 イリューの一員であるダリア、ガーネット、リーベル、ユミナは、太陽の街ザサンへ戻り、アウレリアが待つ大きい塔のある部屋へと、入ってきた。
ガーネット、ユミナは、久しぶりにアウレリアと対面した。
彼女達は、アウレリアにある命令を受け、その報告に戻ってきたからだ。
「アウレリア様、お久しぶりです。」
「アウレリア様、ご報告があります。」
アウレリアは、相変わらず、上品で、優雅だった。
「聞こうかしら。」
ガーネットは、自分の見てきたものを詳しく報告した。
「アウレリア様が探していた彼女たちについてですが、大体の潜伏先はわかりました。ただし、正確な場所はわかりませんが、おそらく、西大陸と東大陸の間にいると思われます。」
アウレリアは、ガーネットの報告を聞いて、考え事をしていた。
(やはりあの辺か。ルゼーが西に向かったのは、あっちにアジトがあるからか。だとしたら、はぐれ魔女達が動いたのは、彼女たちがいるから?)
ルゼーとは、野蛮な魔女たちの一員で、デスソシエをスパイするために、潜入していた。魔女だ。
「ガーネット、ユミナ。あなたたちも聞いていると思うけど、これからはぐれ魔女達と戦うことになるわ。それで最初に狙うのは、男、名は健司と言う。彼さえ最初に落とせば、後は敵じゃない。」
はぐれ魔女たちの戦いぶりを見ていたリーベルは、アウレリアの指示に難色を示した。
「しかし、アウレリア様、何故、彼なんですか?彼女たちが彼を守っているのはわかりましたけど。」
「人が攻めるのはね、誰しもが帰る場所があると言う事。彼女たちが帰る場所っていうのが、健司、彼よ。そして、彼を捕らえれば、はぐれ魔女たちはパニックになり、自暴自棄になる。」
ガーネットは、アウレリアの言いたいことがわかった。
「なるほど、そういうことですね。私たちは幻想の組織。幻想に捕らえて、アウレリア様の魔法に敵うものはいない。」
アウレリアは、ガーネット、ダリア、ユミナ、リーベルの前に立ち、それぞれに指示を出した。
「まずは、私の魔法で健司を捕らえる。そして、はぐれ魔女達を1対1で戦わせる。ダリア、あなたは、模倣の魔法を使うルメよ。あなたの魔法なら、模倣すらできない。」
ダリアは、自信満足げに言った。
「確かに、私の魔法なら、十分に勝てます。」
アウレリアは、次に、リーベルを見た。
「リーベル、あなたは、愛の魔法を使うハレッサよ。彼女は気づくこともなく、死ぬ。あなたの魔法でね。」
リーベルは、静かに頷いた。
「お任せください。私なら、魔法使わせることもなく、できます。」
アウレリアは、ガーネットの肩に手を置き、
「ガーネット、あなたは、精霊の魔女 シーリンよ。あなたの魔法で声を聞かせてあげなさい。」
ガーネットは、深く頷いた。
「楽しみですね。どんなふうに恨み事を言うのか、ね。」
最後に、アウレリアは、ユミナの目を見た。
「ユミナ、あなたは、難しいかもしれないけど、空間の魔女エルフェリアが相手よ。一瞬動揺させればいいよ。それ以上の事は望まない。」
「一瞬だけですか?」
「そう。一瞬だけ、そうすれば、私の魔法にかかる。1%の真実にね。」
ユミナは、ニヤッと笑った。
「私たちから逃れませんよ。幻想を抱いているものほど特にね。」
アウレリアは、椅子に座り、外を見た。
「楽しみだね、彼らが来るのが。」
ガーネットは、ここに来る途中に、ある出来事を思い出した。
「そういえば、男に出会いました。この街のものではないと思いますが、男がひとりでいるのも、珍しいと思って。」
アウレリアは、その男のことが気になった。
「どんな男?」
「黒髪で、少し頼りなさそうな男でした。」
アウレリアは、その男は誰なのか、わかったみたいで、笑った。
「来たみたいね、健司君。さぁ、みんな、準備をして、迎え撃つよ、はぐれ魔女達を。」
幻想の組織イリューは、着々と健司達を迎え撃つ準備はできていた。
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健司達は、東に歩いて20分ぐらい経った頃、ようやく着いた。
太陽の街ザサンに。
太陽が強く照らしていて、気温がかなり暑かった。
デスソシエが支配していた街の雰囲気とは違い、一見普通な街に見えた。
健司は、ここが太陽の街か、と改めて思った。
「暑いですね、さすが、太陽の街と言われることだけはありますね。」
ルメは、流れてくる汗を拭って、
「暑いわね。幻想の組織が待ち構えていると思うと、ここからが勝負だね。」
ハレッサは、涼しい顔をしていた。
「これも私の試練だね。愛を貫いてあげるわ。」
エルフェリアは、太陽の街ザサンにある中央の塔に目を向けた。
「まずはあそこに向かおうか、中央の塔に向けて。」
みんな、中央の塔に目を向けた。
中央の塔には、幻想の組織イリューがいる。
幻想の組織の魔女の魔法は、詳しくわからない。ただ、心を攻めてくるだろう、それだけは実感していた。
健司達は、太陽の街ザサンに、ゆっくりと入っていた。
これからどんな風にまち受けているのだろうか?




