集結
健司がハレッサを抱っこして、10分くらいして歩いた頃、ハレッサの感触・匂いがより一層健司をドキドキとさせていた。
たまらず、健司は、我慢がならず、ハレッサをおろして、みんなに話した。
「すいません、ちょっとトイレに行ってきます。」
ルメが、にっこりとして、
「いいよ、健司、行ってきて。」
健司は、急いでトイレに走って行った。
ルメは、ハレッサの頭を軽く小突き、
「何、興奮させてんのよ?」
「ごめ〜ん。反省してるわ。」
エルフェリアは、健司の走って行った方向を見ながら、
考えていた。
(何もなければいいが。ここはもう、太陽の街ザサンから近い。幻想の組織イリューの魔女たちと出会うかもしれない。)
シーリンは、エルフェリアの考えてる事がなんとなくわかった。
エルフェリアは、先を見すぎる癖がある。
「エルフェリア、大丈夫ですよ。例え魔女にあっても、健司だけなら、襲われる事は無いですよ。健司は、基本無害ですから。」
「私は逆だと思っているよ。魔女を引き寄せてしまう何かがある。」
シーリンとエルフェリアは、思慮深かった。
ルメ、ハレッサは、感覚を大事にするのに対し、シーリン、エルフェリアは、思考がまず働いてくる、そんなタイプだった。
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一方、健司は、トイレを済ました後、ルメ達の所へ戻る予定だった。
健司は、ハレッサを抱っこしていた感覚がまだはっきりと覚えていた。
(ハレッサさん、体が柔らかくて、いい匂いしてたなぁ。ハレッサさんは、どこか天然だし、つかみどころがないんだよね。)
健司は、戻る途中、向こうから歩いてくる2人の女性がいた。
どちらも、ローブは着ていないが、なみなみならぬ雰囲気を感じていた。
健司と2人の女性がお互いすれ違う瞬間、軽く目と目があった。
何事もなかったが、女性たちの方は健司を注意深く見ていた。
健司が通り過ぎた後、女性達は、男について話し合っていた。
「珍しいね、この辺に男がいるなんて。」
「ザサンの住人じゃないっぽいけど、旅の人かな?」
「さあね。それよりも久しぶりに戻るか、ザサンへ。」
その時、2人のもとに走ってくる人物がいた。
幻想の組織 イリューのメンバーであるダリアとリーベルだ。
ダリアは、赤髪の短髪で背は160センチ位の女性だ。
リーベルは、緑色の髪で体型はほっそりとした感じの女性だ。
「ガーネット、ユミナ!いた、早く戻ってきて!」
「そんなに慌ててどうしたんだ?何か急用でも?」
「敵がもうすぐ来るわ。」
「敵?もしかして、野蛮の魔女!」
「違うわ。デスソシエを倒して、こちらに向かってくる集団よ。」
ガーネットは、初めて驚いた。
ガーネットは、蒼髪で、ダガーナイフを腰にさしている女性だ。
「デスソシエが!何者なんだい、そいつらは?」
「はぐれ魔女達よ。」
ユミナは、初めて興味が湧いたような顔をしていた。
ユミナは、背が低く、黒髪のロングヘアーの女性だ。
「面白そうですね。はぐれ魔女たちですか、噂によると、西の大陸と東の大陸の間に住んでいると聞きましたが?」
リーベルは、彼女たちのことを思い出したのか、少しだけ、恐怖が体に現れていた。
「私は彼女たちが恐ろしい。底が全く見えない。だから、アウレリア様も敵視しているわ。」
ガーネット、ユミナは、いまいち彼女たちのことがわかっていなかったので、聞いてみた。
「そんなに怯えてどうしたの?そんなに凄いの?」
ダリアは、南の山ノースリエでの対峙を思い出していた。
「私の魔法が解かれ、アウレリア様の幻想の魔法ですら、解かれたわ。」
この時、初めて、ガーネット、ユミナは、恐怖を隠せなかった。
アウレリアの幻想の魔法を解かれたことを見たことがないからだ。
「ありえない!アウレリア様の魔法は、かかったら最後まで解かれる事は無い。」
「だからよ。アウレリア様もそこを警戒していた。早く戻ってきて、アウレリア様から話があるわ。」
ガーネットとユミナは、頷いた。
「わかった、すぐに戻ろう。」
「そうですね、急いで戻った方がいいですね。」
ダリア、リーベル、ガーネット、ユミナは、アウレリアが待つザサンへと戻って行った。
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健司は、トイレからようやく戻ってきた。
「すいません、お待たせしました。」
シーリンは、笑顔を絶やさず、快く受け入れた。
「大丈夫ですよ、健司さん。」
エルフェリアはここで、みんなに話した。
「さて、太陽の街ザサンに着く前に、これから起こりえることを話そうか。」
ルメは、きょとんとしながら、エルフェリアに聞いた。
「起こりえること?」
「そうだ。まず相手は、幻想の魔法を使うから、多分バラバラになると思う。だから、私が言いたいのは、自分を見失う事は避けたいところだ。けど、相手は心を攻めてくるから、冷静でいろって話だ」
ハレッサは、にこやかな顔をしながら、エルフェリアの意見に同意した。
「わかったよ。常に冷静でいるってことね。なら簡単ね。」
エルフェリアは、ハレッサに近づき話した。
「1番危ないのがハレッサ、お前だ。だから言っている。」
ハレッサは、穏やかな顔をしながらも、口調は冷たかった。
「大丈夫。それより自分の心配をしたら?」
一瞬だけ、不穏な空気が流れた。
健司は、ハレッサの冷たい口調に、ただ恐怖した。
健司はルメに、今のハレッサについて聞いてみた。
「ルメ、ハレッサさんの様子がおかしいんですが、一体何が気に入らなかったんでしょうか?」
ルメは、真剣な顔しながら、
「ハレッサはね、普段は愛って言ってるけど、それは親しい人にだけ。他の人に一切の感情すら持たない。まぁ、皆がいる前では、出さないけどね。ハレッサの本性は、冷酷。」
ハレッサの知らない本性を聞いて、健司は戸惑った。
(そんな……。ハレッサさん、一体何を隠しているんですか?)
エルフェリアは、少し諦めたような顔で、
「まぁいい、ザサンへと行くか。」
健司達は、太陽の街ザサンへと歩き出した。
目的地はもうすぐだ。
シーリンは、ハレッサ達を見ながら、考えていた。
(大丈夫でしょうか?この先、少し不安ですね。)
シーリンは、ハレッサの言動を見て、少し不安がっていた。




