次なる目的地
健司とルメは、この街ディーバが魔女ミイナの支配下から解放されたのを見て、次なる目的地について話し合った。
健司はルメの方を向いて、
「ねぇ、ルメ、次はどこに向かうの?」
ルメは健司の頭を撫でて、
「どうしようかしら?東にも北にも、魔女はいるからね。東に向かいましょうか?」
その時、ミイナが声をかけてきた。
健司はちらっとミイナを見た。
今のミイナは、何か吹っ切れたような穏やかな顔をしていた。美人な上に、気品さを持ちあわせているように。
「健司、ルメ、気をつけた方がいいわ。あなた達、ある組織に狙われるようになるわ。この街ディーバを支配していたのも、もともとは別の魔女が支配していたわ。」
健司は驚いた顔をして、
「え?ミイナさんじゃないんですか?」
ミイナは首を横に振って、
「いえ、私はさまよっていたところをその魔女に言われたね。『この街を支配してみない』と。その魔女は恐ろしかった。」
健司はミイナの言葉を聞いて、背筋が凍るような思いがした。
「その魔女はどんな街なんですか?恐ろしいとは、そんなに恐ろしいんですか?」
ミイナはごくっと、唾を飲み込んだ。
「ええ、その魔女からは何か人間に対して、憎悪を感じるような深い憎しみを感じたわ。今でも思い出すわ。あの深い闇を感じるような目を。」
ルメはいつものように余裕な表情はなく、真剣な顔で
「そう。それでその魔女はどこに行ったのかしら?」
ミイナは、自分の指を南のほうに向けて、
「南の方角の山の方へ向かったわ。おそらくそこに魔女の組織が存在するわ。組織名は知らないが、ただこの東大陸マールンドでは、どの魔女でもいずれかの組織に属していると、そのまま言っていたわ。」
健司は何かを考え込むように、目をつぶり、そして、
「山ですか?遠いですね?まだいくつかの街がありそうな感じがしますが。ルメ、南のほうに魔女がいると言う噂は聞いたことがありますか?」
ルメは何かを閃いた感じで、
「確かあったね!ここからすぐ南の街に、魔女がいると言うわさは聞いたわ。なんでもその街は、暗闇に追われているとか、電気が全く通ってないとかね。」
健司は驚いたような顔をして、
「暗闇ですか?それでは、光がないと住めないじゃないですか?一体どうすれば?」
ルメは健司の頭を撫でて、
「大丈夫よ。何とかなるから、だって私がついてるから。」
健司は、感が際立って、
「ありがとう、ルメ。そうだね。何とかなるよね。だって、ルメはお姉さんだから。」
それを見ていたミイナは、何かを察したように感じ、
「健司、あなたの旅応援しているわ。あなたならきっと、他の魔女も救える、だって、私を救ったんだから。」
健司は、ミイナの言葉を否定しながら、体の前で手を横に振りながら、
「違いますよ。ルメが魔女を救いたいと言うから、僕はついてきただけですから。」
ミイナは、健司の言葉を聞きながらも、ふっと、笑った。
「そう。健司がそう思うなら、そうなのね、きっと。でも、女の私から言わせると、別の目的があるように思えるけど。」
健司は、えっ!と思いながら、ルメの方を見ていた。
ルメは、突然話を遮るように、
「健司、行きましょう。次の街に。それじゃあね、ミイナ。」
健司もミイナに笑顔で手を振った。
「それじゃあ、ミイナさん、またどこかで。」
ミイナも健司達に手を振りながら、
「またね。いつかまた会おう。」
ミイナは遠ざかっていく2人を見て、寂しそうに胸の内をさらけ出した。
しかし、これからが大変よ。おそらく、南の山に着くまでの街はおそらくその組織の魔女の手に支配されているんだから。
でも、彼なら、きっと、その魔女たちも救えるわ。
こうして、健司とルメは次の街、暗闇に覆われていると言う街に向けて、出発した。
――――――――――――――――――――――――――
一方、ここは西大陸と東大陸マールンドの境目にある一軒家の家。ここは健司とルメが住んでいた家だ。
ここに1人の女性がやってきた。
背は155センチ位だろうか、髪は美しい紫の髪のセミロングに、着ている服は、真っ白の服装で、優しそうな雰囲気を持った人だ。
彼女の名前は、シーリン。
シーリンもこの家に住んでいるので、健司達とは同居人だ。健司が言っていたあの人たちとは、シーリンも含めた3人のことを言う。
シーリンはルンルンと感じで、心が踊ってるように感じた。
やっと帰れましたね。健司君とルメ、待ち侘びていましたか?
「健司君。ルメ。ただいま、今帰りましたよ。」
しかし、返事が返ってこなかった。
シーリンは不思議に思いながらも、
「健司君?ルメ?いないですか?」
家の中を探してもどこにもいなかった。そして、テーブルをふっとみると、1枚のメモ書きあった。
中を開いてみると、
「みんな、ごめんね!私と健司は、これから旅に出るね。私と健司は愛し合っているから。探さないでね。」
シーリンは、このメモ書きを見て、怒りを感じるような、紫色の魔力が放出されていた。
「ルメ、いい度胸じゃないですか?あなたの考えてることはお見通しですよ。おそらく、健司はルメに頼まれてついて行っただけのように感じますね。なら、ルメはどんな口実で健司を連れ出して行ったのでしょうか?」
シーリンは魔法を使った。
彼女もまた、魔女なのだ。
「精霊、精霊よ、健司達は何しに旅に出たのですか?」
すると近くに現れた紫色の精霊が、魔女と口出した。
シーリンは納得したような顔で、
「そう言う事ですか。魔女を探しに行ったんですね。なら、この近くで有名な魔女の組織は南の方にある山ですね。なら、その山に行く前にいくつか街があったはずです。健司とルメはもしかしたら、そこにいるかもしれません。行きましょう。」
シーリンはすぐに家を出て、南の山の方へ歩いて行った。
ルメは予想外だったかもしれない。シーリンは、頭が非常に良く、先まで見通せることを。




