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魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
歌声の魔女

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3/8

ミイナの涙


健司は、ミイナと対峙していた。

 ミイナのきつい視線を浴びながらも、健司は毅然とした態度で、自信を持った顔をしていた。


 ミイナはすぐに笑顔に戻っていた。


「私の魔法が効かないなんてね。驚きだわ。もしかして、魔法かしら。魔女がすぐにいるんでしょ?出てきなさい。」


 ルメは魔法を解きながら、自信あふれた顔をして、


「私よ。私はルメ。あなたを助けに来たわ。」


 ミイナは一瞬だけ、顔色が変わった。

 嫌悪感を見せたようだった。

 助け?無駄よ、あの人達のいう通り、人間はどこまでも自己中だから。それに、あの魔女、紅い髪の美人、私ですら目を奪わせる美貌、まさか!


「あなた、もしかして、はぐれの魔女かしら?この大陸マールンドでは、魔女はなりたての魔女以外は、どこかしらの組織に属しているわ。聞いたことがあるわ。4人ほど、はぐれ魔女がいる、と。」


 健司は信じられないように驚いた。

 はぐれ魔女?4人とは、ルメ達のことだ。しかし、組織に属しているとなると、厄介だ。


 ルメは、ふっ、と笑った。


「確かに私のことだね。でも、それだけ自由だってことだよ。あなたとは違う。あなたみたいに自分を信じてない人に。」


 ミイナは、ドス黒い魔力が放出して、手のひらを健司達に向け、


「黙れ!自由とは、力あるものだけが使える。おまえ達の言っている自由は、身勝手な事だ。もういい。おまえ達にも、眠ってもらう。私の魔法でね。」


 ミイナのドス黒い魔力が放出して、健司たちに向かった。その魔力は魔法となり、眠くなるような歌が聞こえ

、健司たちに魔法で攻撃した。


「どう?これが私の魔法 ベスウーズ。これを聞いたものは眠くなるのよ。そして、私の歌からは逃れられない。」


 しかし、ルメと健司はミイナの魔法ベスウーズをルメの魔法 イミテーションで防いだ。


 ミイナは驚いた。健司達が全然眠らないから。

 私の魔法が効かない?なぜ?魔法?

 一体どんな魔法なの?


「一体何をした?それにどんな魔法なの?」


 ルメは勝ち誇ったような顔して、


「私の魔法はね、模倣よ。イミテーション。あなたの魔法ベスウーズを使って、相殺したわ。」


 ミイナは、絶望したような顔して動揺した。

「え?ありえない、そんな魔法聞いたことないわ。模倣だなんて、一回見せただけなのに。」


 健司は、ルメの魔法がすごいと感じた。

 すごい!一回見ただけなのに、模倣ができるなんて!

 それに、あのミイナさん、動揺している。

 真似されたから、もしかしたら彼女のトラウマは真似された?なら、助けられるのかもしれない。

その時、健司の頭の中にあるイメージが流れてきた。

 ミイナさんと同じ歌を歌っている女性は、ミイナさんよりも美しかった。そして、1番評価されてるのはその女性。なら、これがトラウマなのか?一か八かもしれないが。


 健司はミイナの目を見て、核心をついた。


「ミイナさん、あなたは過去に真似されて、ひどく傷ついたのでは?何だろう、過去にミイナさんと同じ歌を歌って、その女性の方が美しく1番評価されたのではないのですか?それがあなたを深く傷つけている、違いますか?」


 健司の言葉を聞いて、ミイナは動きが完全に止まってしまった。

 ありえないわ。私の過去を言い当てるなんて。これを知っているものはもういないはず。健司と言う男、末恐ろしい、警戒すべきだったのは、この男の方だったか。


「確かに、あなたの言う通り、私の方が評価されなかった。それが何?私、今では何とも思っていない。現にここの住民は、私の歌を聞きに来ている。」


 健司は彼女が本心から言っているのを信じなかった。

 どうすればいいんだろうか?

彼女のトラウマは根深い。


 その時、ルメが、ちらっとこっちを見てきた。

そうか、僕の魔法、イメージで、彼女に見せればいいんだ。


「僕の魔法イメージであなたを変えてみせます。本来のあなたに。」


 健司は目をつぶり、脳内でイメージをした。

 ミイナさんが楽しく歌っている姿を、周りにはたくさんの人が集まっている。


このイメージを具現化し、この場にいる人たちに見せた。

本来のミイナさんが楽しく立っている姿、周りにはたくさんの人が集まっている。

 それが現実に現れた。


 ミイナはあたりを見回しながら驚いた。

「なにこれ?これは私?あの笑顔、笑っている私が?そうか、私忘れていたよ。1番初めに歌を始めたのも、最初はあんな感じだったね。そうだ、評価なんて気にしなければよかったんだ。」


 これには、ルメも驚いた。

「さすがにここまでやるとは、健司大したもんだね。健司、彼女は救われたよ。あなたの魔法でね。」


 こうして、健司とルメは、初めて魔女を救う第一歩となった。ミイナの顔は、清々しい顔だった。救われたんだなと、健司は感じた。

 ―――――――ミイナの視点――――――――――――


 私はミイナ。歌で人々を元気にするため、日々活動していた。

 最初は順調だった。歌を歌うごとに、観客も増えていった。

 だが、ある時、私よりも美しく歌もうまい女性がいた。

 その女性は、始めはライバルだと思っていた。しかし、悲劇なことが起きた。

 私が歌っていた歌を彼女が歌っていたの。

 次第にそれを聞いた観客たちは、あの女性の方へ行くようになってしまい、私は全てを失った。

 それ私の曲だよ、なんで?そうね、歌なんてどうでもいいんだ、必要なのは歌う人。なら、私は歌が嫌いだ。

 その時に、歌がトラウマとなり、魔法使えるようになり、彼女は魔女となった。


 そして、魔女となった私は街をさまよい、ディーバと言う街に着いた。

 そこにはある魔女がいた。


「ねぇねぇ、この街を支配してみない?あなたの魔法で!」


 私はすぐに了承した。人間なんて、すぐに心変わりするから。

 その日から、私はこの街ディーバを支配した。


 しかし、健司の言葉を聞いて、私は1番最初に夢を見ていたことを思い出した。

 人々を歌で元気にすること。

 でも、魔女である私がこの街を支配してしまったから、住人から許されないよね。


 その時、広場にいた眠っていた住人たちが目を覚まし、ミイナに


「ミイナさん、いつも素敵な歌ありがとうございます。あなたが歌う歌のおかげで私たち眠れるんです。」


 ミイナはポロポロと、涙が自然と出てきた。


「ありがとう、みんな、私こそとても感謝しているよ。」


 それを見ていた健司とルメは、互いに喜んだ。


「やったね、健司。」


「そうだね、ルメ。魔女を救えてよかったと思ってるよ。」


 これが始まりに過ぎない事が、健司達にはまだ知るよしもなかった。

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