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魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
影の魔女

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イメージ


デスソシエのボス 風速の魔女カテリーナは、空間の魔女エルフェリアを圧倒していた。

 カテリーナは、膝をついているエルフェリアに対して、1歩また1歩と、近づいてきた。


「勝負はあったようね。いくらあなたが空間魔法を使おうが、魔法は、所詮、力。攻撃魔法が1番優れている。逆に言えば、サポート系の魔法は1番弱い。あなたは弱い。空間魔法は、サポート系だ。」


 エルフェリアは、カテリーナの言葉に、否定しようがなかった。


 (確かにそうだね。攻撃魔法使う魔女は、大体強い。逆に言うなら、私たちはぐれ魔女は、サポート系の魔法ばかりだ。単純な力では、相性が悪い。これはもう、どうしようもないか?)


 その様子を見ていた健司は、カテリーナの強さに驚きながらも、エルフェリアの負ける姿が想像できなかった。


「シーリンさん、どうすれば?カテリーナさんの魔法は、物理攻撃なんですよね?なら、防御で攻撃魔法が通じない、と思わせる事はできないんですか?」


 シーリンは首を横に振った。


「無理ですね。エルフェリアは、予想外の攻撃には対処できません。常に頭で考えてるからです。エルフェリアの勝つ可能性は0に近いです。」


 健司は、光を失ったような目で困惑した。

 その時、戦いを終えたハレッサとルメが、戻ってきた。


「あれ?エルフェリアが苦戦なんて珍しいじゃない?」


「たまにはいいんじゃない?偉そうにしてるし。」


 ハレッサさんが言った言葉に、健司はひどく傷ついた。


「ハレッサさん、どうしてそんなこと言うんですか?僕たち、仲間であり、家族みたいな存在だと思っていたんですけど。」


 ハレッサは、健司を抱きしめて、


「健司、いい子だね。エルフェリアは確かに、偉そうだけど、それでも、あいつが負ける姿は全く想像できない、そうでしょう?」


 ハレッサの言葉を聞いて、健司は、改めて関係性を再認識した。


 (そうか、普段喧嘩しているけど、それは、信頼していることからなんだね。でもどうやったら?エルフェリアさんの不利は否めない。)


 その時、ルメが健司に助け舟を出した。


「健司、この状況をくつがえす方法が1つだけあるよ。あなたの魔法 イメージ。この魔法は、相手に意表をつく魔法よ。今までのこと思い出してみて。彼女たちは動揺してたでしょう?」


 健司は今までのことを思い出した。

歌の魔女ミイナ、太陽の魔女ソレイユ、回復の魔女リーネ。危機的な状況に陥りながらも、イメージしたことによって、相手は動揺していた。そんな場面を思い出した健司は、決意を固めた。


「わかりました。イメージしてみせます。ただ、カテリーナさんが動揺することですか?なんですかね?夢?そうだ、クロエさん。カテリーナさんの夢はなんですか?」


 クロエは、健司に急に聞かれてびっくりした。


「……え?そうね。カテリーナが言っていたことなんだけど、昔、彼女は魔女と人間が暮らすところに住んでたらしいわ。そこで何があったのか、知らないけど、人間を憎むようになったわ。魔女が安心して暮らせる場所を目指してるみたい。」


 健司はクロエの答えに納得がいったのか、お礼を言った。


「ありがとうございます!なんとなくわかりました。イメージして見せます。」


 健司はイメージしてみた。


 ここは、魔女と人間が暮らす街。魔女も、人間もお互い協力しあって、笑いあって姿が見える。そして、魔女と人間の夫婦も見える。周りは草原に囲まれている。


 健司達がいる場所をそんなふうにイメージして見た。

すると、健司達がいる場所が周りに草原があり、魔女と人間が暮らす街に変わっていった。

 誰もが驚いた。1番驚いていたのは、カテリーナだ。


「何、これ?街?夢?一体誰の魔法だ?」


カテリーナは、健司がイメージで作った街を苦々しく思った。


 (忌々しい。魔女と人間が一緒に暮らしている!そんなのありえない。お互いわかり合う事は無い。これは悪夢だ。)


 カテリーナがそんなことを思っているうちに、健司が近づいて、話した。


「これは僕がイメージして作りました。あなたの夢です。」


 カテリーナは憎たらし気に、健司を見た。


「夢?こんなの悪夢だ。魔女と人間は分かり合えるはずがない。」


「そうですか?デスソシエが支配していた街をいくつも見ました。人間を支配していても、暴力はなかったですね。本当は、あなたの夢は、人間と一緒に暮らすとことじゃないんですか?」


 カテリーナは、健司の胸倉を掴んだ。


「やめろ!そんなものは夢なんだ。夢が現実になる事は無い。現実を見ろ!」


 健司はカテリーナの目をまっすぐ見た。


「なら、なぜ僕たちを全力で仕留めに来なかったんですか?最初から全力なら、僕たちはここまで来ていません。街を壊したくなかったんでしょう?みんなの住む街を。魔女の住む街を。」


 カテリーナは目にうっすらと涙を溜めていた。


「わかっているよ。それぐらい、だって、かつて私が住んでいた街はそんな街だったから。夢じゃないよ。私の希望だったんだ。」


 カテリーナは仲間たちを見て、


「ソレイユ、セレナ、リーネ、エルネア、クロエ、ヴェリシア、リセル、そして、ルゼー、ごめん。私が間違っていた。」


 カテリーナは完全に戦意を喪失していた。

 健司の言葉で、カテリーナの本当の希望を思い出したのだ。

こうして、健司達とデスソシエのいざこざも終わった。

 

 ————————————————————————

 一方、岩の影から見ていた幻想の魔女アウレリアは、完全に狼狽していた。


「何、この魔法?ありえない、こんなのまるで、現実?あの男一体何者なの?脅威を感じるわ。」


 そばにいた魔女が、


「アウレリア様、どうしますか?これはまるで、私たちが幻想にかかっているみたいです。」


 アウレリアは、魔女の言葉を否定した。


「違うわ。現実よ。ただし、夢のね。夢で、こういう経験したら、人は行動するものよ。希望っていうやつね。なら、これを恐怖に変えましょう。」


「恐怖ですか?一体何をするつもりなんですか?」


 アウレリアは、邪悪な笑みを浮かべた。


「カテリーナのトラウマをね。まぁ、見てて!」


 アウレリアは、一体何をするつもりだろうか?

 そして、カテリーナがつぶやいた、ルゼーとは一体?

 

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