魔の五芒星
ルメがソレイユを倒した後、シーリンは、ソレイユが飛ばされた岩の方へ視線をやった。
そこには、上品で、優雅な魔女 幻想のアウレリアがいた。
シーリンとアウレリアはお互い見た。
そんな時、クロエ達がシーリンに聞いた。
「何、あの女性たちは?」
「いつからいたんだ?全くわからなかった。」
「魔女?でも、ローブをしてないし。」
シーリンは彼女たちが知りたがっていた答えを言った。
「あれは魔女ですよ。とても、レベルの高い魔女ですね。」
3人は驚いた。健司は疑問を口にした。
「あれ?でも、ルメが言うには、ローブを着ていないのは、自分の魔法がばれるから、着るんですよね?」
シーリンは、健司の頭を撫でて、
「確かに、ローブを着ていなければ、魔法はバレてしまいますよね。でも、彼女たちには必要ないんですよ。なぜなら、目に見えないものですから。」
健司はシーリンの言葉に驚いた。
「どういうことですか?それに、目に見えないって?」
シーリンはアウレリアの方へ向いて、
「ミリィを覚えてますか?洗脳の魔女ミリィ、精神系の魔法を使いますが、彼女たちもおそらく、似た系統でしょう。しかし、彼女たちが恐ろしいのは、違和感すら感じさせない魔法を使うことです。」
クロエ達は、シーリンの答えを聞いて、
「精神系?いつの間に。いつ、かかったのかすらわからない。」
シーリンは、話そうとした瞬間、デスソシエの幹部 眼鏡の魔女 エルネアが来た。
「よくもやってくれたな。はぐれ魔女たちよ。私はお前たちを許さない!」
シーリンとエルネアの戦いが始まった。
シーリンは唱え始めた。
「精霊よ、精霊よ……」
シーリンの精霊魔法 ミュデミリアを発動しようとしたが、エルネアが一歩早かった。
エルネアの魔力弾が、シーリンに向けられて、放った。
シーリンは、避けたが、エルネアの魔力弾は一向に収まる気配がない。
魔力弾 エルネアが手に溜めた魔力を手のひらの大きさ位に圧縮して、放つ弾。
シーリンは避け続けたが、先に放たれた魔力弾が、消えずに残っていて、今放った魔力弾が先に放たれた魔力弾に当たり、反射のように返って、シーリンに当たった。
「ぐっ。まるで、未来が見えているみたいですね。」
エルネアはメガネをくいっとあげ、
「見えてるさ。お前の行動など、手に取るようにわかる。お前は、相手の攻撃を見極めるタイプ。最初は攻撃せず、かわすと思っていったよ。私の魔法 アンヴァー。この魔法は、相手の行動がスローになって見える。お前に勝ち目がない、シーリン?」
エルネアは、そう言いながらも、ある疑念があった。
なぜ、こんなにイラつくんだ?セレナ、ソレイユがやられたから?何かおかしい。はぐれ魔女たちと出会った瞬間から、感情がどうも変だ。
エルネアの戸惑いに、シーリンはすでに気づいていった。
戸惑ってますね。魔法が解けるのが1番なんですが。
どうしますか?未来が見えるなら、予測されない魔法ですか。あの魔法なら、避けられないですね。いや、避けようがないですね。
シーリンは、拝むように手を合わせた。
「精霊よ、精霊よ、土の精霊、現れたまえ。」
エルネアはそんなシーリンを鼻で笑った。
「無駄だ。お前がどんな精霊魔法を使おうが、私の未来魔法の前では、全て意味がない。終わりだ、シーリン。」
エルネアは手に溜めた魔力弾で、シーリンを狙い打った。
シーリンは、まともに当たったが、微動だに動かなかった。
エルネアは、そんなシーリンを見て、イラつき、何度も蹴りを入れた。
それでも、シーリンは微動だにしなかった。
エルネアは、声を張り上げ、
「倒れろ!倒れろ!なんで倒れないんだ?」
健司はシーリンが全く動かないの見て、心配した。
「シーリンさん!今行きます!」
シーリンは健司に対して、
「来ないでください。大丈夫です。」
エルネアは、シーリンに蹴りをやめた。エルネアは、息が上がっていた。それでも、シーリンは平然としていたのだ。
「気味の悪い女め。なぜ耐えられる?」
シーリンは、一瞬だけ、眉がピクっとしたが、エルネアに答えた。
「信じているからです。奇跡を。」
エルネアがシーリンの言葉に否定した。
「奇跡などない!あるのは、人生は生まれた時から はじめから決まってるんだ。生まれた時点で、能力が決まってるんだ。」
シーリンは、静かに言った。
「見せてあげましょう。奇跡を。」
エルネアが魔力弾で、シーリンに止めを刺そうとした時、空に五芒星の陣が現れた。
その陣から、大量の岩が落ちてきた。その中には、落ちるスピードが速い土も混ざっていた。
エルネアが空を見て、大量の岩を見たとき、すぐに逃げようとした。
しかし、謎の光の壁に阻まれて、動けなかった。
「いつの間に!」
シーリンはエルネアに答えるように、
「あなたが冷静でいられなくなった時です。あの時に。」
「馬鹿な!最初の魔法は中断されたはずだ。」
シーリンは、微笑を浮かべて、
「別に精霊と言わなくても、いつでも精霊は近くにいるのです。ただのカモフラージュです。あなたはこれでも奇跡はないと言うのですか?初めから人生が決まっていると思うのですか?未来が見えるあなたに。」
シーリンの精霊魔法 ドリューがエルネアにまともに当たった。
「うわああ。」
エルネアが意識を失う前に、シーリンの言葉を考えていた。
わかっていたさ。奇跡はあるって。能力も可能性があるって。私は怖かったんだ。クロエ達みたいに、奇跡を信じるのが。でもわかったよ。シーリン、お前は女神様みたいだ。でも、1度だけ見た魔の五芒星地帯で、土魔法あれにそっくりだな。お父さん、お母さん、ごめんなさい。見捨てて。
エルネアは地面に叩きつけられて、気を失った。
健司は、シーリンにすぐ駆け寄った。
「シーリンさん、酷い怪我です。」
シーリンは健司の心配そうな表情に
「大丈夫です。これくらい、ハレッサとルメの喧嘩に比べたら、大したことないです。昔はよく、喧嘩を止めようとして怪我しましたから。」
健司は、シーリンの言葉に空笑いをした。
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岩の方から見ていた優雅で、上品な魔女アウレリアは、
真剣な目をしていた。
「これはまずいわね。まさか、あの国の魔女の魔法を見れるなんて。」
側にいた魔女が
「あの国?でも、魔女がいるのは組織なんですよね?」
「大抵はね。いつも争っている国あるよね?あれは全部魔女の国なの。」
そばにいた魔女2人は驚きを隠せなかった。
「まさか、魔の五芒星と言われるあの地帯のことですか?」
「ええ、頭も良さそうだし、あの精霊魔女は、要注意だね!」
この時、初めて、アウレリアは、真剣な顔になっていた。




