仲間
回復の魔女リーネが降参して、デスソシエの魔女達も少なからず、動揺があった。
太陽の魔女ソレイユは、魔法サーンランスで太陽の槍でルメを攻撃しながらも、さっきよりは、槍の鋭さが鈍っていた。
ルメは、さっきよりも、槍のスピードが鈍っていたので、楽々と躱せることができた。
「さっきよりも、動きが鈍ってるよ?そんなに、降参したことが気に食わない?」
ソレイユはルメの言葉を否定しながらも、
「そんな事は無い!私たちは固い絆で結ばれている。お前たちとは、違う。」
ルメはソレイユの言葉にただうなずいた。
ふーん。強がりね。それはあっちも同じか。
ルメの見た先には、セレナを捉えていた。
月の魔女セレナは、普段誰とも話せる、そんなような人物だった。
そんなセレナですら、いつもと様子が違った。
右手に眩い光の魔力が集まり、ハレッサに向けて、魔法メテオスターを放った。
しかし、先ほどとは違い、バラバラな方向に向かってしまい、ハレッサに全く当たらなかった。
セレナは、当たらなかったことにより、イラついた。
くそっ。冷静じゃなかった分、全く当たらなかった。
リーネ、何で?あいつらはそんな奴じゃないのに。
ハレッサは、人の心に敏感だったため、セレナの気持ちの変化にもすぐに気づいた。
「そんなにリーネが降参したことが気になる?誰だって、心に変化はあるものよ。それはあなただって同じ。彼女は健司から愛を受け取ったのよ。」
セレナはすぐに否定した。
「やめて!私は変わらない。何があろうとも。それに、愛と言うが、それは依存じゃないの?愛なんて、まやかしだよ。」
ハレッサはセレナの言葉に反応示し、先ほどまでとは、違う雰囲気を醸し出せていた。
セレナは、ハレッサの顔を見て、寒気を感じた。
常に余裕を見せていたハレッサの顔が、冷酷な顔になり、目は冷たい表情をしていたからだ。
何?あの目は?すごい寒気を感じる。核心を突かれ、怒っちゃった?
ハレッサは、すごく低い声で言った。
「ああ。あなたには愛がどういうものか、思い知らせてあげる。愛が全くない攻撃をね。」
セレナはすぐに魔法を放つ準備をした。
「無駄よ。私の遠距離の攻撃には、耐えられない。これで終わりよ!」
巨大な月が上空に現れ、それが爆発したと同時に、小さい月が上空から大量に降ってきた。
ハレッサにめがけて、小さい月が大量に降ってくる。
「これは避けられない。私の月魔法 メテオボム。この魔法は、強大な月を凝縮させて、爆発させる魔法。その分、魔力を大量に使うから、1回しか使えない。これで終わるよ、ハレッサ!」
ハレッサはそこから1歩も動かない。
それを見ていた、健司、シーリンは、
「シーリンさん、ハレッサさんが危ない!」
「大丈夫ですよ。ああなった状態のハレッサには、近づかないほうがいいですよ。普段は愛と言ってますが、今のハレッサには、冷酷な彼女しかいません。」
「え?あんなハレッサさん、見たことないですよ?」
「めったに見せないですからね。ただ、何を考えてるかはわからないですね。でも、ハレッサの意味不明な魔法は慣れますからね。」
ハレッサが指1本を空に向けると、ピンク色の星が現れて、無数の月と無数の星が衝突としあい、セレナの月魔法メテオボムを打ち消した。
セレナは、一瞬あり得ないと感じたが、すぐに気を取り直して、また、月魔法メテオボムを放とうとしたが、ハレッサが走り出した。
ハレッサの手には、ピンク色の剣を持っていた。
15メートル位離れていたが、すぐ近くまで寄ってきた。
セレナは、驚愕した。
「ありえない!なんて言う速さなの!でももう遅い。私のメテオボムの方が速い。」
セレナのメテオボムが空中で爆発する数秒前、ハレッサは、ピンク色の剣で斬撃をセレナに向かって、数振り放った。
セレナは吹き飛んでしまい、リーネの近くまで飛ばされた。
セレナは考えてしまった。
なんていう斬撃なの。それになんて言うのかな、心があったかいような。ただの斬撃ではなく、これも魔法か。
斬られた感覚はあるけど、血は出てない。これもあなたの愛なんだね、ハレッサ。
リーネはセレナに向かって言った。
「久しぶりに見ましたね。あなたのその顔。邪悪な感情がなくなったような感じ。」
セレナはリーネの言葉に反応して、
「はぁ。あなたたちと初めて会った時かなぁ。リーネ、覚えている?みんながそれぞれ、この山に逃げてきたときのことを。」
「覚えていますよ。あなたとソレイユが一番怯えていましたね」
セレナは、この山に逃げてきたときのことを思い出していた。
セレナはある魔女に狙われていて、この山ノースリエに逃げてきた。
その場所には、たまたま同じように逃げてきた女性達がいた。
セレナは思った。
この人たちも同じなんだ、私と同じように魔女から逃げてきたんだ。
その時、カテリーナがみんなに話しかけた。
「みんな、ここに組織を作ろうよ。安心で安全な居場所を。」
みんなは疲弊していたので、ただただうなずいていた。
セレナは、そんなカテリーナの言葉に希望を持った。
現在、セレナが倒れているところに、ハレッサがきた。
「私の魔法 バイレーション。愛の波動を斬撃にのせたのよ。どう、愛は?」
セレナは観念したように、
「負けたよ。何か、重たいものが抜けた感じ。これが愛か。」
そして、ふと目をやった。
木の生えてない山は、今から何でもなれるんだね。
そういえば、この山に森なんていつあったっけ?
「ねぇ、リーネ。この山に、森なんて生えていたことなんて、あったっけ?」
リーネは何を言っているのかわからなく、
「何言ってるんですか?今も生えているんじゃないですか?」
少しずつ彼女たちにかかってる魔法が解かれ始めていった。




