未来
健司達がデスソシエの魔女 クロエ達を退けて、影の街バリッテを解放して、その街に戻った夜、デスソシエの幹部 眼鏡をかけた魔女 エルネアが、南の山ノースリエにあるデスソシエの本拠地へと、戻ってきた。
円卓のテーブルにある部屋にエルネアが入ってきた。
エルネアはここで初めて、私と似たような境遇の魔女達を見た記憶を思い出した。
あの頃は、みんな仲良かったなぁ。カテリーナだって、あそこまでは、冷たくはなかった。
やはり、変わってしまったのは、あの魔女が死んでからか。
今では、カテリーナがボスで、私たち幹部がいて、その下に構成員がいる、て言う形だな。
エルネアが過去を思い出していた頃、カテリーナたちがやってきた。
金髪の魔女カテリーナ、白銀の魔女ソレイユ、黒髪の魔女
セレナ、そして、黄金の髪の魔女リーネだ。
カテリーナが開口1番、聞いてきた。
「エルネア、急に呼び出して、どうしたの?」
エルネアは、カテリーナの顔を見て、
「クロエ達が敗れた。はぐれ魔女たちは、直にここにやってくる。」
誰もが驚いた。
クロエ達が敗れると思わなかったからだ。
クロエ達の実力は、幹部にも引けを取らないからだ。
「まさか!クロエ達が敗れるなんて。」
「どうしますか?もはや、残されているのは私たちのみです。」
「やはり、あの時私が無理にでも、戦うべきだった。」
ソレイユ、セレナ、リーネがそれぞれ感想を口に出した。
カテリーナは黙っているままだった。
そこに、エルネアがカテリーナに向かって、想いを口にした。
「カテリーナ、いい加減にしろ。いつまで上下関係にこだわっている?クロエ達はいないんだよ?あの魔女が死んだからか?」
カテリーナは、エルネアの言葉に激高した。
「黙れ!私は、仲間を守りたいんだ。クロエ、ヴェリシア、リセルも。あの時、統率が取れていれば、彼女は死ぬ事はなかった。」
その言葉に、ソレイユ、セレナ、リーネ、エルネアは、黙ってしまった。
みんなわかっているのだ。あの時は、しょうがなかった。
彼女は、みんなを守ることが頭がいっぱいで、敵の魔法にやられたのだ、と。
エルネアは、そんなカテリーナの言葉に、提案した。
「あの時に戻ればいいじゃないか?ボスも幹部も関係ない。私が指示を出し、リーネが後方で守り、セレナが遠距離、ソレイユが近距離で攻撃し、カテリーナが仕留める。昔のやり方で、はぐれ魔女達を止めればいいじゃないか。」
カテリーナは黙ってしまった。そこに、リーネが助け舟を出した。
「そうですね。しかし、エルネア、忘れていますよ。クロエが遠距離、ヴェリシアが近距離、リセルが中距離で、戦うことを。」
エルネアは、リーネの言葉に気づかされ、
「そうだったね。彼女たちのことを忘れていたよ。カテリーナ、昔に戻ろうよ。あの頃のみんなは、魔女たちの魔法に怯えて、それぞれが逃げて、この山、ノースリエに避難していたところを、偶然集まったのがデスソシエのはじまりだよ?」
カテリーナはそこでようやく笑った。
「そうね。忘れていたよ。私は、みんなを守りたくて、
組織という形にして、ボス演じてきたけど、それが逆に息苦しくさせちゃったみたいね。それで、エルネアはすべて見ていたんでしょう?奴らはどうだった?」
エルネアは、深刻な顔をしながら、
「クロエの作戦は完璧だった。ただ、誤算があるとすれば、はぐれ魔女達は強かった。ただ、それだけ。」
セレナは、興味が湧いたように聞いてきた。
「へぇ。面白いわね。それで、対策はあるの?」
エルネアは、微笑を浮かべながら、
「それでさっき言った話しだ。昔に戻ろうと言う話だ。」
ソレイユは、自信満々気に、
「それなら心配ないよね。前回は、不覚を取ったからね。その布陣なら負けない。今度は負けないよ。」
カテリーナはエルネアに、はぐれ魔女達のことを聞いてみた。
「それで、奴らはどんな魔法を使っていたの?」
エルネアは神妙な顔をして、
「まず、ルメという魔女は、ローザの魔法をコピーしていた。おそらく、模倣魔法だろう。」
リーネがここで、驚きを示した。
「厄介ですね!じゃあ、先手必勝ですかね?」
エルネアはリーネの考えを否定し、首を横に振った。
「いや、それがそうもいかない。ここで、厄介なのが、シーリンという魔女だ。この魔女は、精霊を呼び出していたから、おそらく、基本属性の魔法は全て使えると見てもいいだろう。」
カテリーナは興味を示した顔で、
「面白いわね。私の魔法とどちらが上なのか、興味あるわね。」
エルネアはカテリーナの言葉に頭を悩ませた。
「カテリーナ。おまえの相手は、空間の魔女エルフェリアだ。あの魔女は、クロエ相手に余裕すら見せていた。クロエの弱点をついてから。」
セレナは首をかしげながら、
「弱点?隠れている右目でしょう?」
ソレイユはセレナの考えに、教えてあげた。
「違うよ、セレナ。本当は左目なんだ。」
セレナは初めて知ったことなので、驚いた。
「嘘!ずっと右目かと思っていた。なら、エルフェリアの相手はカテリーナしかいないね。」
エルネアは、セレナの言葉に同意して、
「そうだね。そして、魔女ハレッサ。彼女は1番厄介だ。リセルの透視魔法を防ぎ、剣術でリセルに勝った。一体何の魔法か、全くわからない。」
ソレイユは、それを聞いて、かなり警戒した。
「ありえないよ。リセルの剣術は、鋭い。それに、リセルは頭が良いからね。」
カテリーナは、はぐれ魔女達の特徴を聞いて、
「ははは。面白いわね。でも、私達は、負けないよ。それで、男は?魔法を使ったんでしょう?」
エルネアは目をつぶり、思い出すように話した。
「わからないんだよ。ローザの影魔法で相手の魔女を攻撃したところに、急に太陽が現れたんだ。ありえない。現実なのか、それとも幻なのか。」
これを聞いたみんなは、誰もが驚いた。
「ありえない。あってはならないことが。まさか!あの魔女が手を貸していると言うの?」
エルネアは首を横に振った。
「いや、無いと信じたい。ただ、奴らには何もさせない。私たちの未来のために。」
これには、みんなが新たに決意を示した。
「そうね。私たちの場所は、私たちが守る。」
「今度は負けない。」
「面白そうだね。楽しみだよ。」
「私の魔法で、彼女たちにあきらめさせてあげましょう。」
エルネアは、外を眺めながら、
「そうだね。私たちは、あの森みたいに、強い意思があればいいんだ。」
その言葉に、みんなも頷いた。
ただ、彼女たちは気づいてない。
ある違和感を。
この山ノースリエは、木が全く生えない場所なのだ。
この森は、一体何だろうか?




