一時の休息
健司達は、影の街バリッテでデスソシエの魔女たち ローザ達の策略を破り、クロエ達の目的を知った事で、デスソシエが置かれている立場も知った。
エルフェリアは誰かに見られている感じがしたので、影の街バリッテの中央にある高い監視塔をちらっと見た。
気のせいか。誰かに見られていた気がしたが。
エルフェリアはクロエに尋ねてみた。
「クロエ、この街には魔女はあなた達4人だけ?」
クロエはエルフェリアの言っていた意味が分からず、
「ええ、そうよ。」
エルフェリアはクロエの言葉を信じて、考えた。
気のせいか。確かに、もしいたとしたら、この時が一番の絶好の機会だ。だが、見られていたら、魔法を知られたことになる。まぁいい。今は休もう。
健司はみんなが満身創痍だったので、心配した。
「みんな、ひどい怪我ですね。どうしたら?」
シーリンはここで、めざといので、突如わざとらしく言った。
「健司さん、その通りです。私が1番頑張ったので、回復お願いします。」
健司は、シーリンの言葉に驚いた。
「回復ですか?やったことがないですよ?」
シーリンは健司の耳に息を吹きかけるように、
「健司さん、大丈夫ですよ。イメージすればいいんです。それに、ご褒美あげますよ。何がいいですか?膝枕?それとも、ハグ?」
健司は顔を真っ赤になっていた。
その事に気づいたルメ、ハレッサ、エルフェリアがシーリンを制止するように言った。
「1番?活躍したのは私じゃない?」
「バカ言わないで。あなたなんか、また相手を見極めようとして、傷ついただけじゃない?」
「はぁーい、誘惑もそこまでです。」
4人が喧嘩しそうな雰囲気だったので、離れて、1番負傷したリセルに対して、手を取り、綺麗な手をイメージして、回復をイメージした。
すると、みるみる内に、手の怪我が治り、元通りになった。
リセルは自分の手を見て、驚いた。
「え?嘘、手が元通りになっている?何したの?」
健司は自分の能力について、説明した。
「自分がイメージしたものは、現実の通りになります。」
リセルの手を離し、後ろを向いた。
照れてしまったようだ。
リセルさんは美人だったなぁ。魔女はなぜ、美人なのだろうか?
健司が前を向くと、腕組みをしているルメ、ハレッサ、シーリン、エルフェリアがいた。
「健司は女性との接し方、覚えた方がいいんじゃない?」
「健司君、誰が1番美人だと思う?」
「健司さん、恋しちゃダメですよ?」
「健司の教育が必要だね。」
健司は、彼女達が怒っているのを感じて、弁明した。
「違います。みんなより美人はいないです。」
彼女達はにっこりと笑って、許した。
「冗談だよ。それより、クロエの目も治してあげて。」
健司がエルフェリアの言葉に不思議そうに感じた。
「目ですか?見えているんじゃ?」
エルフェリアは首を横に振った。
「いや、見えてない。隠れている方の目じゃない。逆の目だ。」
健司はクロエの左目を触ってみた。確かに、あまり見えなさそうに感じた。
左目が見えているイメージをして、回復してみせた。
クロエは左目をパチパチしてみせた。
すると、うっすらとぼんやりした景色が見えてきた。
え?ありえない。長年、見えなかったのに。
「あなたの魔法、末恐ろしいわね。まさか、見えるなんて。ありがとう、健司。」
クロエの左目が見えたことにより、ヴェリシアとリセルも喜んだ。
「クロエ、よかったね!」
「クロエ!本当に良かったね。クロエの勘は素晴らしいよ!」
クロエは彼女達が喜んだことにより、彼女も嬉し泣きをした。
「本当ね。信じてよかった。」
ローザは、クロエが目が見えなかったことも、健司がイメージで治したことも驚きを隠せなかった。
クロエさんが目が見えなかったなんて。そして、健司という男、イメージで治すなんて、ありえない。だが、救われるって、こういうことなのか。
ルメもハレッサもシーリンも、健司がクロエの目を治したことに言葉が出なかった。
まさか、時間が経っている傷も治すなんて。
へぇー。それも愛かもしれないね。
驚きですね。イメージさえ出来れば、実現するなんて。
まるで。
エルフェリアはみんなの心をよんだかのように、
「まるで、神のなせるわざだね。奇跡だよ!」
ハレッサがここで、エルフェリアに対して、疑問を口にした。
「あら、わかっていたんじゃないの?」
エルフェリアはハレッサに注目して、
「さぁね。ただ、魔法はひらめきだと思っただけよ。」
ローザがここで健司達に提案をした。
「皆さん、ここで1晩泊まっていきませんか?」
ルメはローザに対して、冷たい視線を送った。
「いいの?私達は、デスソシエに心よく思われてないけど?」
その時、誰かが、ルメに蹴りを喰らわせた。
「痛い!何するのよ?」
蹴りを喰らわせたのは、エルフェリアだった。
「もう敵じゃないよね?いつまで不機嫌でいるのかなぁ?」
エルフェリアの言葉はいつもよりも冷たかった。
ルメはエルフェリアの性格を知っているので、怒っているのでわかった。
「ごめん。悪かった。ローザもごめんなさい。」
ローザは最初、ビクっと震えていたが、謝られたことにより、ルメに対して怖さがなくなっていた。
「いえ、私もひどいことを言ってごめんなさい。」
ローザも謝ったのだ。
ルメとローザの間の雰囲気もこれで柔らかくなったみたいだ。
健司達はその夜、影の街バリッテの宿に泊まった。
健司達は傷を癒して、ゆっくり休んだ。
その時に、健司の魔法で彼女達の傷も治したようだ。
デスソシエの本拠地までもう少しだ。
ただ、何ものかの影が見え隠れしてるとは、この時は誰も思わなかった。




