あの魔女たち
ローザはルメの模倣魔法 セリーソラの攻撃を受けて、倒れていた。
ローザはトラウマの元凶になったある出来事を思い出した。
ローザは、両親と共に自然豊かな村に住んでいた。
その村は、大きな街から1時間ほどかかる村だ。
ローザはいつも通りに、平和でのどかに暮らしていた。
ローザは両親と仲良く暮らしていた。
「お母さん、今日はご飯何?」
母親は、家事をしながら、
「今日は、シチューよ。」
ローザは母親の料理なら、何でも喜んだ。
「やったー。楽しみ!」
その時、家の外から悲鳴が聞こえてきた。
ローザは何かと思い、家を出ようとした。
母親が急に大声を出した。
「ダメ!隠れてなさい!」
ローザは、母親がこんな声を出すのは初めてだったので、
「お母さん、何が?」
外から悲鳴が聞こえなくなり、家の扉を叩く音がした。
女の声がした。
「ごめん下さ〜い、先生、いるんでしょ?」
母親がキツい目つきをした。
ただ事じゃない雰囲気を感じたローザは、ベッドの下に隠れた。
女達が入ってきた。黒いフードを被り、顔が見えなかった。
母親がキツい目つきで、
「今さら、何の用?私は先生をやめたんだ。あの組織とは関係ない。」
女達は、困ったような手振りで、
「実はですね、ボスがなくなりました。それで、今はボスの座は空位なのです。先生になっていただければ、と。」
ローザは困惑していた。
先生?でも、お母さんは農業していた、と、お父さんは言っていたのに。それにボスって。あの女たち、フードをかぶっている、まさか!魔女なの?お母さんは、もしかして魔女?
母親は、女達の言葉に首を振った。
「今はこの生活が気に入っているの。戦いはしない。」
女達は、わかっている感じで、
「わかっていますよ。未練はありますよね。だから、この村の住人は消えてもらいました。先生の大事な人もね。」
母親は、微動だもせずに、
「挑発しても無駄よ。私はもう魔女ではない。それに、あなた達に教えたのは、誰だと思っているの?私だよ。」
女達は、母親の言葉を聞いて微笑を浮かべた。
「ええ、先生の厳しい指導でしたからね。だから、先生の意思が固いみたいなので、消えてもらいます。」
女が右手に魔力を溜めると、黒い部屋が出現した。
「ここに娘さんを閉じ込めます。実は先生たちの会話を聞いていたのです。いますよね、娘さん?」
ローザはビクビクと震え出した。
ばれる!
母親が急に動き出した。
「……わかったわ。ボスの座につくわ。」
女達は、母親の言葉に喜んだ。
「やっぱり、先生ですね。子どもを何より大事な先生なら、受けると思っていました。」
母親は、女達のことがよくわかっている感じで、
「さぁ、行きましょう。」
母親と女達は家を出ていった。
ローザは、ベッドの下から出て、家を飛び出した。
お母さん!お母さん!どこ?
外は、惨状を物語っていた。
ところどころに、人の影があった。
ただし、誰1人いない。
何、これ?誰もいない。これが魔女の魔法?怖い。1人になるなんて。
ローザ以外いないその村は、滅びたのだ。
その時のトラウマで、ローザは影の魔法が使えるようになった。
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ローザは目を覚ました。
辺りを見回す。
「私は一体……」
周りにクロエ、リセル、ヴェリシアがいた。
彼女達も満身創痍だ。傷も多数ある。
「ローザ、よくやったね。」
「私達も負けたよ。」
「ローザ、これでいいんだ。」
ローザは彼女達が負けたと感じ、
「私は、昔を思い出しました。両親のことを。あの魔女たちを見てると、忘れていたものを思い出しました。」
ヴェリシアがローザの頭を撫でて、
「そうか。なら、作戦は成功だね。」
ローザはヴェリシアの言っている事に、訳が分からなかった。
「どういう事ですか?作戦とは一体?」
クロエがローザに分かるように説明した。
「作戦とは、はぐれ魔女たちの実力を見ること。彼女達は、本気を出してなかった。つまり、これなら、デスソシエを変えられる。」
ローザはクロエの言葉に驚きを隠せなかった。
「あれで本気じゃないんですか?それに、デスソシエを変えるとは一体?」
そこにけんじ、ルメ、シーリン、ハレッサ、エルフェリアがやってきた。
「はぁーい、詳しく聞かせてもらおうかしら?」
「え?本気だったよ。ちょっと、冷静じゃなかっただけ。」
「興味あるね。あそこまでやって、何を考えているのかな?」
「やはり、裏があるようですね、聞いてみたいですね。」
「そうですね。魔女を救えるかもしれませんね。」
リセルが代わりに説明した。
「デスソシエは、各地にある魔女の組織からハブられた魔女達が最後の砦として作られた組織。最初はよかったの。上下関係もなく、平和だったの。ある時、魔女の1人が命を落としたの。敵対していた組織の魔女の魔法によって。それからカテリーナ様は変わったわ。」
健司は疑問を口にした。
「あれ?でも、上下関係がないって?」
クロエが口を挟むように、
「そこからよ。幹部を作ったり、指揮系統ができたのは。みんなは前みたいに戻りたいと思っているはず。私はどうしたらいいか、考えたの。その時に、あなた達をみたわ。あなた達がルナを倒すところを。」
シーリンは納得した顔で、
「そういう事ですか。圧倒的な魔女を探していたんですね。カテリーナはそれほど強いという事ですか。」
ヴェリシアはシーリンに同意する形で、
「そうだ。カテリーナ様はそれほど強い。だから、ボスになった。そして、仲間思いだ。」
健司はそこで、思いを伝えた。
「大丈夫ですよ。喧嘩するほど、仲がいいって、いいますから。僕達もよく喧嘩しますからね。」
エルフェリア、ルメ、シーリン、ハレッサは同時に笑った。
「確かに、仲はいいよね。」
「ええ、思い切り魔法打てるもの。」
「そうね、邪魔するからね。」
「まったく理解できない考えですけどね。」
クロエ、ヴェリシア、リセルは、
これは仲がいいと言うより、ライバル関係だな。
と感じた。
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そんな彼女達を上から見下ろす人物がいた。
街の監視塔にいるデスソシエの眼鏡をかけている魔女エルネアだった。
「まさか、クロエ達が負けるとは。それくらい、はぐれ魔女が強力と言うことか。しかし、クロエ、昔のように戻ることはないよ。カテリーナは変わってしまったから。けど、みんな、思っているよ。誰1人かけてほしくないのは、カテリーナ以外みんな思っている。さて、帰るとするか。」
エルネアはそこからひっそりと姿を消した。
デスソシエとの争いも最終局面に入ろうとしている。




