影の魔女 ローザ
ここは、影の街バリッテの広場みたいな場所。
そこに、健司、ルメ、そして、この街を支配している魔女 影の魔女ローザがいた。
ローザは150センチくらいの小柄な女性だが、目には、健司に対して何か憎悪を向けていた。
それに気づいていたルメは、いつも通り、ふざけていた。
「そんなに気になる?これは私のもの。あなたでは、手に余るよ。」
ローザは意にも介さなかった。
「ふん。安い挑発だな。ルメ、お前の魔法はわからないが、見えない相手には対処できないよ。」
そこら中に、黒い影が現れると、黒い影にローザは潜り、背後から急に現れて、ナイフでルメの背後から切りつけ、影にまた潜り、別の場所からまた現れた。
「ははは。これが私の魔法 ドンバー。影があるところなら、どこでも移動できる。ルメ、お前は何も出来ず、ここで終わるんだ。他の仲間と同様にね。」
健司はルメが負傷したのを見て、
「ルメ!大丈夫?」
ルメは健司を手で制した。
「大丈夫よ。かすり傷だから。」
ルメは影の魔女ローザについて、考えた。
影は厄介ね。この街そのものが影。つまり、この街では彼女は最強ということね。
ローザは、ルメ達を見て、嘲笑した。
「お前たちのような、魔女と人間のカップルを見たことあるよ。最初は信頼してみたいだけど、魔女の本性を見た人間は去っていたよ。まぁ、私が人間を恐怖のどん底に落としたけどね。」
その瞬間、背筋が凍るような雰囲気を感じた。
健司が見渡すと、ルメからだ。
みんな、本性を隠しているけど、ルメのこんなに雰囲気が違うルメは見た事がない。
怒っている?いや、それよりも殺気がものすごい。
ルメ……もしかして。
ルメが口を開いた。
「黙れ。もういい、お前のねじ曲がった根性を完膚なきまでに叩きのめしてやる。」
ローザはそんなルメに対して、
「やれるなら、やってみるがいい。当たらないけどね。」
ローザは影魔法 ドンバーで影を移動しながら、ルメの背後に現れ、ナイフで傷つけながら、そこら中にある影を移動しながら、離れたり、近づいたりした。
「ははは。手も足も出ないじゃないか。終わりだ、ルメ!」
健司はルメが一方的にやられているのを見て、心配した。
ルメ、何で動かないんだ。いつものルメらしくない。こっからじゃ、表情が窺えない。
ローザの止めの一撃が、ルメの背後から襲おうとした時、ありえないことが起きた。
ルメがその場から消えて、離れたところに、ルメが現れた。
ローザは理解が追いつかなかった。
は?確かに私は捉えていたはずだ。消えた?一体の何の魔法だ?
「お前!一体何の魔法なんだ?」
ルメがローザを見る目は、すごく冷たい目をしていた。
「これか?こんな魔法だ。」
ルメが影に潜り、ローザの後ろに現れてきた。
蹴りをローザに入れて、また影に潜り、そこら中に現れ、蹴りを入れ続けた。
ローザはルメの蹴りの威力が予想以上で、声も出せなかった。
ありえない。これは私の魔法 ドンバーじゃないか。私の魔法を模倣したのか。そんなことあってたまるか。それに、蹴りの一発が重い。声すら出せないほどのスピードだ。くそっ。怖い。あの魔女の目を見てから、怖い。私は魔女になったのに、また恐怖するのか。助けてください、ヴェリシアさん。
その時、かつてヴェリシアに言われた言葉を思い出した。
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炎の魔女ヴェリシアは、ローザに、魔女として、デスソシエの一員として、指導していた。
そんな時、ある言葉を言った。
「いいか、ローザ。魔女には、色んな奴らがいる。恐怖を覚えるかもしれない。けど、自分の魔法だけは信じろよ。」
ローザはヴェリシアを尊敬していたので、素直に聞いていた。
「はい!ヴェリシアさん。決して忘れません。」
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ローザはルメの圧倒的な魔法を見せながらも、決意を新たにしていた。
「ルメ、お前の魔法は確かに脅威だ。だが、私は、負けない!何故なら、私は、恐怖に打ち勝つからだ。」
ローザはルメから距離を取り、影からナイフが大量に出て、ルメに目掛けて、放たれた。
ルメは冷徹な目で見ながら、こざかしいと感じた。
この程度、簡単に避けられる。シーリンの魔法に比べたら、大したことない。
しかし、予想外が起きた。
ルメがローザのナイフを避けたと思ったら、ナイフの影から黒いナイフが出て、まともにくらった。
「ちっ。影か。厄介ね、これは。」
ローザは勝ちを確信した顔で、
「ははは。私の魔法 コテウ。ナイフとは別に影のナイフが出てくる魔法だ。私は影があるなら、どこでも出せる。終わりだ!」
ルメの動きが止まり、普通のナイフすら、当たり始めた。ルメは満身創痍になってしまい、ピンチだった。
はぁ、はぁ、まずいね。これはやばいね。どうするか。
ルメを心配しそうになっていた健司は、
ルメが危ない!しかし、どうしたら?影を無くすには、何かいい方法がないか?
ここは影の街。なら、太陽だ。太陽の魔女を実際に見ているから、イメージできるはずだ。
健司は太陽をイメージした。すると、影がだんだんなくなっていき、明るくなってきた。
ローザは影がなくなっていることに気づいた。
何だ?影がない?
空を見ると、太陽が出ていた。
ローザは驚愕した。
ばかな。ここは影の街だぞ。自然発生じゃない。もしかして、魔法?まさか、ソレイユ様!
辺りを見渡すと、ソレイユらしき人影はいなかった。
いない?ここには、ルメと人間の男がいるだけだ。
健司は何かをしている雰囲気にあったので、ローザはすぐに気づき、
「人間、お前の仕業か。ルメよりもまずはお前からだ。」
ローザは健司の方に向かっていた。
ルメは、ナイフが来なくなったのに気づき、
ナイフが来ない?ローザはどこに向かっている?健司の方だ。健司が影を消してくれたのか。なら、今が好機だ。太陽が出ているなら、あの魔法を使う。ローザ、あなたは驚くだろう。この魔法は、避けられない。
ルメは、太陽の魔女ソレイユが使ったセリーソラを使った。
ローザの下に円が出来、準備が整った。
ローザは健司の方に向かっていく時に、地面に円が出来、動きを止めた。
何だ、これは?円?今は無視だ。人間を始末してからだ。
ローザが動く瞬間、地面から燃えるような熱さがあり、動きが止まってしまった。
燃えるような熱さがローザを襲ったのだ。
「熱い!熱い!これはまさか、ソレイユ様の魔法セリーソラ!まさか、魔法をコピーするなんて……。お前たちの魔法、異常だな。完敗だ、ルメ……」
ローザはそう言うと、倒れた。
健司はローザが倒れたのを見て、
「これがルメの模倣、想像以上だ。しかし、これで助かった。」
健司はその場に座り込み、ルメが健司の肩に触れて、
「健司、ナイスよ。何とか勝てたね。」
健司はルメの顔を見て、いつもの表情に戻ったのを見て、
「いつものルメだ。助かったよ。ありがとう。」
ルメはいつもの微笑みに戻った。
こうして、影の街バリッテでの死闘が終えた。




