先の先
ここは、暗い建物の中。
ここに今、エルフェリアがいる。
そして、相対するのは、デスソシエの一員で、今回の戦い仕組んだもの、闇の魔女クロエ。
エルフェリアはクロエに対して考える。
このクロエという魔女。どこまで読んでいる?おそらく、それぞれ相性が悪い魔女と相対してるはずだ。
魔法を全て知っているわけではなさそうだが、遠くから見ていた?末恐ろしいね。これほどの魔女がいたなんて。
クロエは、エルフェリアが深く考えているのを見て、
「あなたの心配よくわかるわ。心配なんでしょう、あなたの仲間が。安心して。みんな、相性の悪い魔女と戦っているはずだから。そして、あなた達はここまでよ。」
エルフェリアは、クロエがどこか遠く見るような目で見て、感じた。
眼中にないってわけか。舐められたものね。しかし、この薄暗い建物、相手の魔法が最大限発揮するって言うわけね。
エルフェリアは、空間の魔法コンタクトでクロエの後ろに空間をつないで、攻撃を仕掛けようとした。しかし、クロエの周りにはどす黒い闇の壁が存在した。
エルフェリアは、すぐに攻撃をやめた。
なんだ、あれは。どす黒い壁?
エルフェリアはあの黒い壁を見て、困惑した。
クロエは圧倒的に優位に立ちながら、
「さすがは、空間の魔女エルフェリア。触れなくて正解よ。私の魔法ナイトメア。これに触れたものは、この壁とと同じように、黒くなり、使い物にならなくなる。私に攻撃は不可能よ。」
エルフェリアは、クロエの魔法に対処法が見つからなく、深く考えた。
触れてもダメ。なら、魔法で攻撃するしかないか。しかし、わざわざ忠告したのは、何のため?魔法を見るため?
エルフェリアは次第に追い詰められていた。
クロエはエルフェリアの様子を見て、静かに、そして、1歩ずつ追い詰めていった。
「ソレイユを傷つけたって言うから、警戒したけど、大した事なさそうね。これで終わりよ。さようなら、エルフェリア。」
クロエは禍々しい魔力を右手に集め、黒い闇の塊をエルフェリアに向けて、放った。
黒い闇の塊はエルフェリアを包み、エルフェリアは動かなくなった。
クロエはその様子を見届け、
さて、他は大丈夫かしら?強いて言うなら、ローザのところかなぁ。次はローザのところに向かうかな。
クロエがその場から遠ざかろうとした時、黒い闇の塊がもぞもぞと動き出した。そして、黒い闇の塊は何かに吸収されるような形で消えていった。
クロエは初めて警戒した。
何?確かに、私の魔法ブラックメア は当たったはずだ。ブラックメアは、包まれたものは暗い深い闇に永久に閉ざされる。それが、なんで消える?
クロエは右手に魔力を宿し、またブラックメアを放とうとした。しかし、放つ前に声が聞こえてきた。
「いやぁ。さすがに闇の魔女クロエだね。あの魔法には参ったね。他のものでは、無理だったかもね。でも、私は違う。私には、これがあるからね。」
エルフェリアは右手に魔力を宿し、空間魔法を見せた。
クロエはそれでも疑問に残った。
いくら空間魔法でも、あの量の闇を吸収できるのか、それとも、別の何か?
「どうやったの?いくら空間魔法でも、限りがあるはずよ。」
エルフェリアは不気味に笑った。
「ふふふ。確かに限りはあるよ。ただし、私の魔力がどんなものか見せてあげる。」
エルフェリアの魔力が広がり、街全体に広がった。
クロエはエルフェリアの魔力を見て驚愕した。
ばかな。これではまるで!
「まるで、ボスみたいだと。思ったかしら?」
エルフェリアの言葉に、クロエは1歩後ろに下がった。
この女、心でも読めるのか?
「読めないよ。ただ、何を考えているのか、分かる。」
クロエは急いで、闇魔法ブラックメアを放とうした。
「いくら、空間魔法で逃げようと思っても無駄よ。このブラックメアからは逃げられない。」
エルフェリアは薄く笑った。
クロエは訳が分からなかった。
笑っている?一体何があると言うの?
その時、後ろから衝撃を受けた。
クロエが振り向くと、空間が開いていて、黒い闇がそこにあった。
まさか!私の魔法ブラックメアか。しかし、どういう魔法なんだ?
「簡単なことよ。この魔法はディケレージ。吸収した魔法を返す魔法。あなたの魔法がようやくわかったよ。自然と闇の壁ができるんだね。いやいや、強い魔女だね。でも、あなたの弱点がわかった。 」
クロエはエルフェリアの魔法に驚きながらも、不審に思った。
「弱点?そんなものはないよ、魔女になってからね。」
エルフェリアはクロエに近づき、
「あるよ、あなたが気づいてないだけ、証明してあげよう。」
クロエは右手に魔力を宿し、ブラックメアで攻撃した。
エルフェリアは、魔法ディケレージで吸収して、クロエの髪で隠している右目の方から、反射した。
クロエは予想通りの攻撃によけた。
無駄よ、見えているから。隠しているから、見えないとでも思ったのでしょう。
今度は後ろから反射した。
クロエは何なくよけた。
無駄よ。あなたのことだから、後ろから攻撃すると思ったよ。残念ながら、あなたの考えはお見通しだ。
よけたクロエは、そのままブラックメアを放とうとしたが、左の方から衝撃を受け、倒れた。
クロエは分からなかった。
「どうして?私は読んでいた。なのに、左からも空間魔法で繋げるなんて。」
エルフェリアは満面の笑みで、
「そうだね。君の隠れている右目は見える。逆に左目は見えない。そう考えた。」
クロエはエルフェリアの言葉に理解が追いつかなかった。
「そんな素ぶりは見せなかった。何で、わかったの?」
エルフェリアはクロエの疑問に
「最初攻撃した時、左の方が厚い壁だった。僅かな厚みがあったね。もしかしたら、左の方が見えないのか、と。」
クロエは、エルフェリアが恐ろしい魔女だと改めて思った。
「恐ろしい魔女。最初から勝負はあったのね。」
エルフェリアはクロエの考えに否定した。
「そんなことないよ。やってみないとわからないからね。」
クロエは、エルフェリアに対して、
「いや、それでも負けた。私の期待通りね。」
エルフェリアはまるで知っていたかのように、
「人は成長するものだよ、クロエ。」
クロエはエルフェリアの頭の良さに、感銘を受けた。
始めから知っていた訳か。どこまで読んでいるんだか。
クロエは上を見て、
これなら、変わるかもしれない。カテリーナ様もわかってくれるはずね。
クロエは静かに目を閉じた。




