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魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
影の魔女

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20/24

シーリン対炎の魔女ヴェリシア


ハレッサ対透視の魔女リセルの決着がついた頃、

 周りに家があり、草が生えている空き地のような場所に移動させられたシーリンは、相対している魔女に目を向けた。

 赤の髪に、赤いローブを着ている魔女ヴェリシアに視線を捉えた。


「あなたが炎を使う魔女ですか?」


 ヴェリシアはニヤッと笑い、


「よく知っているね。そう、私は炎を使う魔女ヴェリシア。そういう君は、シーリンでいいのかな?君達の情報はわかっている。シーリン、冷静沈着で頭のいい魔女らしいね。」


 シーリンは眉をぴくっと上げた。

 情報がバレているとなると、他のみんなも不利な相手と戦われているかもしれません。今は、この目の前の魔女ヴェリシアに集中しなければ。


 シーリンは、ヴェリシアに集中して、


「精霊よ、精霊よ、光よきたまえ。」


 光の精霊が来て、光の壁が張られた。

 シーリンの魔法 ミュデミリア。

 常時、光の壁がシーリンを覆う。


 ヴェリシアは、シーリンが何かをしたのを感じ、右手に赤い魔力を貯め、炎が出た。


「さぁ、始めようか?」


 ヴェリシアは、赤い炎の槍がシーリンに目掛けて、突進した。

 赤い炎の槍は、シーリンの光の壁を破り、シーリンの肩を傷つけた。

 シーリンは、肩を押さえて、後ろに引いた。


「うっ。私の魔法が破られた!なんていう威力。さすがは、主力の1人炎の魔女ですね。」


 ヴェリシアは、炎の槍を構えて、


「ロースフラム。炎の槍さ。一点集中の魔法だよ。シーリン、君は相手の魔法を見極めるタイプみたいだね。だから、最初に防御をした。違う?」


 シーリンは、ヴェリシアに対して考えを改めた。

 攻撃型かと思いましたが、違うみたいですね。冷静に見ている。炎だから、突進してくるかと思いましたが、やりにくい相手ですね。エルフェリアみたいなタイプですね。全く、やりにくい相手です。


 シーリンは、また光の壁を張ったが、ヴェリシアはロースフラムで攻撃して、光の壁をまた破り、今度はシーリンの足に攻撃した。

 シーリンは、左足を負傷した。今度は、火傷のような感覚を受けた。


「うっ。熱い。熱?そうか、この魔法は、温度を簡単に変えられる魔法ですか?厄介ですね。」


 ヴェリシアは驚いた顔をした。


「正解!そうさ、この槍は温度を自由に変えられる。ただの槍なのか、それとも炎の槍なのか、区別がつかない。どうする、シーリン?」


 シーリンは深く考えた。

 この魔女、かなり戦い慣れてますね。いちかばちか、あの魔法を使うしかありません。

 先手を取らなければ、負ける。


 シーリンが魔法を発動しようとした瞬間、火が草に燃え移り、円の形になり、シーリンとヴェリシアを囲んだ。

 シーリンはあたりを見回して、驚いた。


「炎!これでは逃げ場がない。」


 ヴェリシアはさらに笑った。


「はは。この魔法は、フォームフレイム。時間が経つことに円の面積は、狭まっていく。終わりだよ、シーリン。」


 シーリンは深くため息をついた。

 はぁ。覚悟を決めるしかないようですね。ぶっつけ本番は嫌いなのですが、ルメの真似ができれば良いのですが。


 シーリンは唱えた。


「精霊よ、精霊よ、精霊の奇跡を。」


 精霊魔法 コピースピを使った。

 火の精霊が出てきて、シーリンは、炎の槍を持ってヴェリシアに向かっていった。


 ヴェリシアは呆然とした。

 ヴェリシアの魔法と同じ魔法が現れたからだ。


「は?そんなの嘘だ。はったりに違いない。まがいものだ。」


 ヴェリシアはシーリンに向かって、炎の槍を突き出した。シーリンも炎の槍で応戦した。

 ヴェリシアは炎の槍で何度もつこうとしたが、シーリンにことごとく、防がれ、後ろに下がったところを、シーリンが鋭い突きで、ヴェリシアの腹部を傷つけた。


「ぐっ。馬鹿な、ありえない。いくら、人の魔法を真似ようとも、槍はそう簡単に使えない。」


 シーリンは、今や圧倒的に優位に立っていた。


「簡単なことですよ。私たちは魔法に頼っていない。それに真似をするのが得意な魔女がいるので、それに対抗するために、私は近づけさせないために、槍で練習しました。」


 ヴェリシアはシーリンの言葉にイラついた。

 魔法に頼ってないだと!それほどの力がありながら、なぜ動かない?おまえ達が動いていれば、世界は、こんな世界になってなかったはずだ。


「魔法に頼ってないんだと?でもお前達は、魔女だ。それは逃れようもない事実。」


 シーリンがヴェリシアに近づく1歩手前で、炎の柱がシーリンを襲った。

 ヴェリシアは盛大にに笑った。


「ははは。引っかかったなぁ。私の魔法 ファイアエリア。仕掛けた場所に足を踏み入れると、自然と発生する。これで、私の勝ちだ。 」


 しかし、シーリンは炎の中から現れた。

 しかも、無傷だった。


 ヴェリシアは無傷なシーリンを見て驚いた。


「は?なぜ無傷なんだ?確かに、魔法で攻撃を受けたはずだ。」


 シーリンは上品に笑った。


「ふふふ。最初に見せた光の魔法。あれは常時、発動しているんですよ。」


 ヴェリシアはシーリンの告白に、愕然とした。

 なんだ、この魔女は。そんな魔法、規格外だ。これがはぐれ魔女達か。考え方が全然違う。


 シーリンは1歩前に踏み出し、炎の槍で、ヴェリシアの首元に突きつけた。

 ヴェリシアはシーリンの顔を見た時、恐怖を覚えていた。

 シーリンの顔が笑っているが、目が笑っていない。

 シーリンが唐突に言った。


「降参しますか、ヴェリシア?」


 ヴェリシアはシーリンの有無を言わせない威圧感に、


「降参だよ。強いね、シーリン。」


 シーリンは魔法を解いた。

 炎は消えて、光も消えた。


「そうですか。それはよかったです。」


 ヴェリシアはクロエが期待してることが実現すると思った。


 クロエ、こいつらは本物だよ。彼女たちなら、カテリーナ様も止められる。

 魔法に頼らないか。もしあの時、私が炎の魔女たちに立ち向かっていたのなら、魔女になってなかったのかもしれない。あの非情な魔女たちに。そうすれば、両親もまだ生きてたかもしれないのに。

クロエ、リセル、生きていればいいけど、大丈夫かな?


 シーリンはヴェリシアが戦意を失ったのを見て、


「みんな、今行きますからね。待っていってください。」


 シーリンは健司、ルメ、ハレッサ、エルフェリアを心配した。シーリンにとって、彼らは家族だからだ。

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