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魔女に救いを  作者: リーゼスリエ
影の魔女

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19/24

ハレッサ対透視の魔女リセル


道場みたいな場所に移動させられてしまったハレッサ。

 対する相手は、黒髪でショートカットの魔女リセル。

右手には、細長い剣を持っていた。


 ハレッサは、細長い剣に注目し、考えた。

 あれはおそらく、スピード重視の剣。スピードを生かすための魔法を使ってくるはずね。なら、最初は様子を見るかね。


 ハレッサは、蹴りをリセルの左側頭部に向けて、放った。リセルは、左手でそれを防ごうとしたが、蹴りは、リセルの脇腹に向かっていた。これはフェイクだ。ミリィ相手に使った技。

 当たる瞬間、左手でハレッサの足をつかみ、見事防いだ。


 ハレッサは驚いた顔をした。


「どういうこと?あなたの目線は頭のほうに向かっていたはず。なのに、つかめるなんて。」


 リセルは足を掴んでいた左手を広げて、ハレッサの足は自由になった。


「簡単なことよ。私は透視魔法が使える。魔法ムーブメント。相手の動きが手に取るようにわかるの。あなたは頭を狙うに見せかけて、がら空きになった脇腹を狙ってくる。そういう動きが癖になっているのね。なるほど、ミリィがやられるわけね。彼女もそれなりに格闘経験があるけど、あなたはそれ以上ね。」


 ハレッサはリセルのことを最大限警戒した。

 いくらわかると言っても、それは自分の体が反応しての話し。いとも簡単に反応して、足を掴むなんて。


 リセルは、右手で持っていた剣を構えて、


「次は私の番だね。ハレッサ、あなたの魔法がどういうものかいまいちわからないけど、これは防げない。」


 リセルは上段からの剣のふりでハレッサの頭を狙った。

 ハレッサは当然、後ろに逃げようとするが、リセルは読んでいたかのように、一歩先に足で踏み込んで、ハレッサの手に、切り傷を与えた。


 ハレッサは斬られた手を見て、


「これがムーブメントね。相手の動きを見ながら、剣で攻撃する。リセルの攻撃手段と言うわけね。」


 リセルはハレッサの考えに、


「当たり!そう、これが私の戦い方だよ。いくらあなたが魔法使おうとも、それすらさせない。降参でもする?」


 ハレッサは深くため息をついた。


 はぁ。厄介な相手ね。透視魔法相手には、動きが読めるものはだめだね。なら、どうするか、あれしかないか。


 ハレッサは距離を取った。

 弓を引くポーズで、上に向かって、引いた。


 リセルはハレッサに対して、嘲笑をした。


「ふふ。何しているのかな?あなたが魔法をいくら使おうとも、全てが見えるのよ、ハレッサ。」


 ハレッサは、挑発的な笑みで、


「試してみる?あなたは、この魔法を見て、驚くかもね。」


 ピンク色の矢が無数に空中から現れて、リセルに向かって、放たれた。

 リセルは、ピンク色の矢の軌道が見えて、防ぎながら、ハレッサに近づいた。

 ハレッサは、ニヤリと笑った。


「くらったわね。あなたは、この魔法の真髄ラブキュートを知ることになる。この魔法は理解不能な魔法。初見じゃ避けれない。 」


 リセルは、何を言っているのか、と感じ、ハレッサに対して、上段からの剣の振りで、顔を狙うが、ハレッサは間一髪で避けた。


 見えてるよ!次の動きが。


 リセルが再び剣で、ハレッサを狙う瞬間、ハレッサのうごきがく全く見えなかった。


 なんで!魔法ムーブメントが消えてる?


 ハレッサは笑った。


「今気づいたの?これが私の魔法。魔法を消したのよ。」


 リセルはハレッサの言葉に理解が出来なかった。


 魔法を消す?ありえない。そんな魔法、聞いたことない。


 だが、リセルは問題ないと感じた。


 例え、魔法が消えても、私の剣術では、防ぎようがない。終わりよ、ハレッサ。


 リセルの剣が再び、ハレッサの頭を狙う。

 ハレッサは、リセルの手を取り、剣を奪い取った。

リセルは理解ができなかった。


 は?動きの予測が全く読めなかった。それに早い!蹴りじゃないの?


 ハレッサはニヤッと笑い、


「蹴りだけじゃないよ。私はただ速いだけなんだよ。それに、こんなことも得意かなぁ?」


 ハレッサは剣を上に振りかぶり、リセルの顔を狙った。

 リセルは動揺した。


 もしかして、私の技?でも、簡単に真似されるなんて!


 リセルは後ろに下がったが、ハレッサの剣の振りはリセル以上に鋭かった。

 リセルの手を深く切った。


 うっ。


 リセルはその場に膝をついてしまった。


 私の技を模倣した?いや、私以上の剣の鋭さ。

 完敗だね。


 リセルは戦意を失い、ハレッサに疑問をぶつけた。


「あなたの魔法素晴らしかったわ!でも、驚きだわ。蹴りだけじゃなく、剣ですら扱うなんて。なんでもできるのね?」


 ハレッサは、満面の笑みで、


「相手の素晴らしいと思った技は、真似できるんだよね。これも愛かな?そうそう!蹴りもね、もともとはルメの技なんだよね。」


 リセルは、目を見開き、


「天才だね。あなたは。完敗だよ。」


 リセルはハレッサを称賛した。

 ハレッサは、逆にリセルに対して、


「あなた、本当はやる気なかったでしょ?逆に言えば、試すような感じ?本気なら、同じ場所を何度も狙わない。」


 リセルは、本当の目的をいい当てられ、


「あなたにかなわないなぁ。ここで負けるなら、この先は生き残れない。でも、あなたは、見事勝った。」


 リセルの負傷している手を見て、ハレッサは、


「さあ、行きましょうか?みんなのところに。」


 リセルは訳がわからなかった。


「なんで私を?」


ハレッサはリセルの手を取り、


「他のみんなも試してるんでしょう?なら、敵じゃない。味方だよ。」


 リセルは笑った。

「さすがは、はぐれの魔女!ハレッサ、あなたは何の魔法なの?」


 ハレッサは、優雅に答えた。


「愛よ。愛さえあれば何でもできるんだよ。」


 リセルは愛と聞いて、魔女になったときのことを思い出した。

 

 愛か。もし、私が醜い本性の人間に出会う前に、ハレッサと出会えたなら、透視の魔法なんか発現しなかったかもね。

 リセル、ヴェリシア、彼女達は本物だよ。彼女たちならもしかして。


 リセルは、上を見上げた。

 まるで、愛を感じたかのように。

 

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