審判
デスソシエに属している幹部 太陽の魔女ソレイユと月光を催してるローブを着ている魔女 セレナは、デスソシエの本拠地 南の山ノースリエを目指して、2人で歩いていた。
腰を負傷しているソレイユに対し、セレナは、はぐれ魔女たちについて、詳しく聞いてきた。
「ねぇ、ソレイユ。どんな魔女たちなの、はぐれ魔女たちは?」
考え込むような仕草をし、ソレイユは、
「実際に魔法を見たのは、1人だ。その魔女は、ミリィの魔法無効化していた。ただ、効かなかったのはその魔女だけだ。ただ恐ろしいのは、その魔女の格闘だ。蹴りだけでミリィを圧倒していた。ミリィもそれなりに、格闘に対しては経験があるはずなのに、それでも、相手にならなかった。」
セレナはその話を聞いて、口元をつり上げ、
「面白そうね。その魔女たち、なら、幹部が相手しないと、務まらないかしら?」
ソレイユは、険しい顔だったのが、穏やかになり、
「恐ろしいなぁ、セレナ。まぁ、その魔女たちだけなら、私たちの敵ではない。私があの時冷静じゃなかったのも、男のせいだ。」
セレナは首を傾げ、
「男?そういえば、クロエの話では、男がいると言っていたわね。でも、ただの男なんでしょ?」
ソレイユは、セレナの考えを否定し、
「違う!魔法を使った。間違いない。私の魔法を冷やしたんだ。最初からあれば、使った魔法なのに、使わなかった。だから、氷系の魔法ではないと思う。」
セレナは、驚いた顔で
「氷系、それに近い魔法なら、東のほうにいる組織があるけど、男が魔法を使うなんて、聞いたことがない。」
ソレイユは、あの場面を思い出しながら、
「あり得なかった。私の魔法を冷やすんだから。それまでは、あの魔法でやつらは動けていなかった。一体、何の魔法か、わからない。」
2人が話しているうちに、デスソシエの本拠地に着いた。
中に入ると、テーブルに座っている魔女たちがいた。
カテリーナと幹部、そして、クロエたちだ。
開口1番、カテリーナが期待している目で聞いた。
「結果はどうだった?もちろん、やっつけたのよね?」
ソレイユは、冷や汗をかいた。
これは、カテリーナが1番怖い瞬間だった。
出来て当然、みたいな雰囲気だったからだ。
「申し上げます。ミリィが支配していたレッジランドは、
奴らに奪われました!」
カテリーナは、テーブルをドンと叩き、
「ねぇ、何してるの?ソレイユがいながら、なんていう様なの?」
ソレイユは、まずいと感じ、正直に話した。
「私もクロエの情報通りなら、成功していました。空間の魔女が出てくるまでは。奴らははぐれ魔女です。」
そこにいたみんなが驚いた。
はぐれ魔女の噂は知っているからだ。
どこにも属さない、自由、気ままな魔女たち。
ただ、その力は、どこの組織も戦力としてありがたい存在だからだ。
カテリーナが目を細めて、
「はぐれ魔女?面白いね。奴らはそういうものに興味がないと思ってたけど、違ったみたいね。となると、今まで撃退できなかったのが、納得だね。で?ソレイユが、勝てない相手でも思わないけど?なぜ帰ってきたの?」
ソレイユはガクガクと震えながら、
「確かに、あの時冷静ならば、負傷する事はなかったです。男が魔法使ったんです。見ました。私の魔法を一瞬で冷やしたんです。最初は使っていませんでした。それを冷静でいられなくなり、空間の魔女に反撃を許してしまったんです。それに、裏切り者がいます。」
メガネの魔女がチラッと、クロエを見る。
カテリーナはすぐに気づき、
「クロエね。クロエに聞こうかしら?はぐれの魔女の特徴は全員で共有していたはずだ。なぜ情報を隠した?」
クロエは一瞬黙った。
まさか、こんなに早くばれるなんて。
けど、これはチャンスかもしれない。
「申し上げます。確かに私もはぐれ魔女だとは、気づいていました。しかし、私はこの組織が今のままでいいのか、疑問に感じ、このままでカテリーナ様の前に現れて、何を思うのか、試してみたかったんです。」
カテリーナは、テーブルを蹴っ飛ばし、
「ふざけているの?クロエの考えは尊重するし、意見が必ず合わなくても、私たちは仲間だから、信頼していた。だが、組織が危機に落ちるなら、話は別だ。ここで処分する。いいね、みんな?」
それに待ったをかけたのか、クロエと親しい魔女達だった。
赤髪の魔女とショートカットの黒髪の魔女、2人だった。
「お待ちください。確かにクロエは、情報隠していました。しかしそれは、未来の一部なんです。」
「それに、クロエの実力は ここにいるみんなが知っていることです。幹部にも引けを取らない、実力者です。どうか、チャンスをください。」
2人は頭を下げた。
それでも、カテリーナは難色を示した。
「だめだ。ここまでの被害が出た以上、クロエには何らかの処分与えなければいけない。」
それに待ったをかけたのが、眼鏡をかけた魔女だった。
「待ってくれ。確かに、クロエは情報を隠していた。それゆえに、ソレイユは負傷した。組織としては、何らかの処分は必要だ。しかし、クロエの実力は、ここにいるみんなが認める魔女だ。どうだろうか?考え直してくれ。」
カテリーナは眼鏡をかけた魔女 エルネアを見ながら、
「わかったよ。処分はなしだ。ただし、クロエにはいってもらう。最後の街 影の魔女が支配するところにな。」
クロエは、頭を下げながら、
「チャンスありがとうございます。必ずや、最後の街を守ります。」
赤髪の魔女とショートカットの黒髪の魔女は安堵した。
それを見ていたソレイユも安堵した。
一時はどうなるかと思ったね。でも、ここで、分断するのはまずいからね。それに、クロエの魔法は恐ろしいからね。誰もが、この組織デスソシエを守りたいと思っている。
カテリーナは、宣言した。
「はぐれ魔女たちを絶対にここを通すな。それでは解散。」
それぞれが部屋出る中、クロエは、赤髪の魔女とショートカットの黒髪の魔女に感謝した。
「ありがとう。あなたたちのおかげで、命拾いしたわ。わさか、私も想定外だったわ。ソレイユが、まさか、負傷してくるとはね。」
赤髪の魔女は、はぐれ魔女たちに興味を持った。
「ソレイユがまさか、負傷してくるとは誰も思わない。つまりそれほど、はぐれ魔女達は、実力者ということね。それに男が魔法使った?」
ショートカットの黒髪の魔女は、はぐれ魔女たちに警戒感を示しながら、
「厄介ね。無事に平和に終わればいいけど。クロエの目的は、カテリーナ様と彼女たちを引き合わせることでしょ?」
漆黒の髪で片目を隠しているクロエは、片目を抑えながら、
「期待感があるのよね。この片目がまた見える日が来るかもしれない。ただ、簡単に通すつもりはないよ。全力で相手するよ。それは間違えない。」
赤髪の魔女と黒髪のショートカットの魔女は、トラウマの原因となった片目を押さえているクロエを見ながら、行末を心配した。




