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トイレのぺろりんさん  作者: 田中たんばりん
第3話 ぺろりんさんと学級新聞
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ぺろりんさんと学級新聞07

ぼくは公園のトイレの便器(べんき)の前に立った。


「ぺろりんさ~ん!」


便器に声をかけてしばらく待ったけど、ぺろりんさんはこなかった。


「あれ? どうしたんだろう」


「おい、たれる。ぺろりんさんこないじゃないか。ふん!」


「ねえ、どうしたの? 何も起きないじゃない」


今までぺろりんさんがきてくれたのは、どんな時だったけ? ぼくは思い出してみた。


家のトイレと学校のトイレで紙がなくて困った時。

デーブをぼくの家まではこべなくて困った時。

おばあちゃんのスカーフがなくなって困った時。

あれ? 困った時にぺろりんさんと会っているぞ。

どうやら困っているとぺろりんさんに会えるみたいだ。


そこでとりあえず、ぼくは困ってみることにした。


挿絵(By みてみん)


「う~ん、これじゃ学級新聞が作れないよ。困ったなあ……」


ずばっ! と便器に顔がはまって、ぺろりんさんがあらわれた。


「ふひっ!」デーブがびっくりしている。

そういえばデーブはこわがりだった。

ぺろりんさんで学級新聞を作ろうなんて、よくいい出したよな。


で、見崎(みさき)さんはどうかな?

よこ目で見崎さんを見ると、見崎さんは目を大きく見開いていた。


「どうしたの~」

〈ぺろりんさんは困った時にあらわれる〉学級新聞の記事(きじ)のひとつが決まった。


挿絵(By みてみん)


「あのさ〈みんなの知らないふしぎないきもの〉っていう学級新聞を作るんだけど、ぺろりんさんやぺろりんさんのなかまのことをおしえてほしいんだ」


「みんな~はずかしがり屋だから~どうかな~? でも~聞いてみるね~」

コホッと音を立てて、便器からぺろりんさんの顔が引っこんだ。


「あ、あれがぺろりんさん?」見崎さんが聞いてきた。


「そうだよ」


ずばっ! しばらくするとぺろりんさんがもどってきた。


「ふひっ!」また、デーブはびっくりしている。

見崎さんはだまったまま、ぺろりんさんをじーっと見ている。

きっと見崎さんもこわがっているんだろうな。


「会っても~いいって~いってるよ~」


「わあ、ほんとう! ぜひお願い」


「ここじゃ~よびにくいから~外に~出るね~」


「え! 外に出るの! まだ、ふたりの心のじゅんびが……」


ぼくのことばがおわらないうちに、ぺろりんさんがすっぽーんと外に出てきた。

ぼくはまえに見ていたからへいきだけど、デーブと見崎さんはどうかな? 


「ぶふぎゃーーっ!」

「きゃーっ!」


ぼくのよこでデーブと見崎さんのさけび声が聞こえた。

デーブがこわがるのはとうぜんだけど、やっぱり見崎さんもこわがっていたんだ。

だから、やめといたほうがいいっていったのに。


挿絵(By みてみん)


「かわいい~」


「ね、こわいい~でしょ……え? かわいい~?」


「さわっていい? さわっていいかな? さわっちゃうよ……。きゃーっ! すべすべ!」


見ると見崎さんが顔いっぱいのえがおで、ぺろりんさんをなでなでしている。


そういえば、ぼくはぺろりんさんをさわったことないな。ぺろりんさんってすべすべだったんだ。


挿絵(By みてみん)


「はじめて見た! UMA(ユーマ)! これ、UMAだよね。すてきー」


ぼくは、ぺろりんさんをすてきっていう人をはじめて見た。


「こわくないの?」


「こわいわけないよ。そうかあ、これがぺろりんさんかあ」


UMAオタクの見崎さんの目がキラキラしている。やっぱりオタクってすごいな。

いっぽうデーブはというと、あまりのしょうげきにカチカチに固まっていた。


挿絵(By みてみん)


つづく

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