ぺろりんさんと学級新聞04
見崎さんのへやでUMAの本を読むことになった。
見崎さんは、ぼくとしずくのへやより広いへやをひとりで使っていた。
そこに山づみになった本があった。
「これは、だれの本? 見崎さんの?」
「ううん。パパの本。学級新聞を作るからってかりたの」
パパの本か。よく見ると、ずかんみたいなものからペラペラのざっしみたいなものまでいろいろある。
これは気をつけないといけない。これ、オタクの人の本だ。
オタクの人たちは本をとてもだいじにする。
2さつ買って、1さつは保存用でぜったいに読まない。
もう1さつもおらないようにていねいに読む。
オタクの人の本をかりて読むときは、まげたり、おったりしないように気をつけて読まないといけないんだ。
「デーブさ、この本見崎さんのパパの本だから、ていねいに読まないと……」
「え、何? ていねいにって? ふん!」
デーブは本をわしづかみにしていた。
「ダメーッ! おっちゃダメーッ!」
「だいじょうぶ。これ、かし出し用だから」
「かし出し用?」
「うん、パパね、好きな本は3さつ買って、保存用、じぶんが読む用、かし出し用ってわけているの。で、これはかし出し用」
「さ、3さつも買うの!」
「そうよ」
見崎さんのパパって超オタクじゃん。そんなパパを持つ見崎さんもやっぱりオタク?
「変なこと聞くけど気にさわったら、ごめん。見崎さんってUMAオタク?」
「うん、そうよ。学校でUMAの話ができる人っていないから、出井くんと雨森くんの学級新聞の話が聞こえたときうれしかったんだ」
「だから、ぼくたちに声をかけてきたんだね」
「あと、オタクかって聞かれて気にするオタクなんていないわよ。だいたい、だれでも好きなものがあればそのオタクなんだから。で、雨森くんは何オタク?」
「えーと、だったらぼくはまんがとアニメ」
「あー、オタクの王道ね。いいわねー。出井くんは?」
「おれ? おれはスイーツオタク。ふん!」
「スイーツ!?」
思ってもいなかったので、見崎さんといっしょにさけんでしまった。
「あ、だから、どこのお店のケーキかわかったのか」
「おれんち、オーブンがないからできないんだけど、いつかケーキを作ってみたいんだ。今はホットケーキ止まり。クリームやくだものをのせたりしてな。ふん!」
「まるでパティシエじゃない」
「いつか、ケーキをまるまる1個作って、ひとりで食べてみたいんだ。ふん!」
「あはは、デーブらしいね」
「じゃあ、今度うちのオーブン使ってケーキを作ってみたら? ケーキパーティーをしようよ」
「いいのか! やろう、やろう! ふん!」
「でも、ひとりでぜんぶ食べちゃだめよ」
「だいじょうぶ。2個作って1個ひとりで食べるから。ふん!」
「ふふふ、出井くんは何がなんでもケーキをまるごと1個食べたいのね。さて、おしゃべりはこれくらいにして、そろそろどんなふしぎないきものを学級新聞にのせるか決めない?」
つづく




