ぺろりんさんとおばあちゃんの思い出のスカーフ10
「やっとおくじょうについたー」
まわりを見わたすと夜景がとてもきれいだ。
家の光がどこまでもつづいている。
このあたりの町は、どこも小さな町ばかりだと思っていたけど、こんなにたくさんの人が住んでいるんだ。
「おっと、夜景に見とれているばあいじゃない。おばあちゃんのスカーフをさがさなきゃ」
遠くを見るのはへいきなんだけど、下を見ると目がくらくらするので、はじっこにほうにいかないようにしてスカーフをさがした。
「えーと、どこかな」
「お兄ちゃん、スカーフあったよー」
「ほんとう? ああ、よかった。どこにあるの?」
「あそこだよー」
しずくが指さすほうを見ると、ビルのはじっこにひっかかって、ひらひらしているスカーフが見えた。
「うわあ、めちゃくちゃはじっこじゃん……。取りにいくの、こわいなあ」
「わたしが取りにいくね!」
見ると、しずくがビルのへりをすたすたと歩いてスカーフに向かっていく。
「気をつけて、しずく!」
「何? お兄ちゃん」
ふりむいたしずくがビルのへりから足をふみはずすのが見えた。
「きゃっ!」
「あぶない!」
目の前からしずくが消えたのであわててかけよると、
「だいじょうぶだよ。だって、シロダマでくっつくもん」
しずくがよこ向きになってビルにくっついていた。
「あ、そうだった。シロダマでかべにくっつけるんだった」
しずくは、そのままぺたぺたと歩いてビルのはじっこに向かい、スカーフを取った。
「取ったどー!」
しずくの手におばあちゃんの思い出のスカーフがぱたぱたとはためいている。
「おりるよ~」
ぺろりんさんがおくじょうから飛びおりた。
「え! だいじょうぶなの?」
ぺろりんさんが地面につくと、ぴょーんとはねた。
「おもしろそう。わたしも! えい!」
しずくが飛びおりる。
「あ、しずく、待って」
ぼくもあわててつづいた。
びゅーん! ごおおおおっ! フリーフォールのようにいっきに下に落ちていく。
「うわーっ、ぞわぞわするーっ!」
そして、地面についたらぴょーんとはねる。
「すごい! ロケットではっしゃされる時って、こんな感じ?」
「あははは、シロダマロケットジャーンプ!」
しずくは楽しそうだ。
そのまま、ぴょんぴょんはねながら、おばあちゃんの家までいった。
つづく




