ぺろりんさんとおばあちゃんの思い出のスカーフ09
ふつうに歩いたら何時間もかかってしまうところを、ぼくたちは20分くらいでおばあちゃんの町についた。
「おもしろくって、楽しかったね。もっとあそびたいな」
「しずく、何いってるんだよ。ぼくたちは、おばあちゃんのスカーフをさがしに来たんだろ」
「あ、そうだったね」
「スカーフは~ここ~」
ぺろりんさんが指さしたところは、この町じまんの超高層マンションだった。
おばあちゃんの家がある豆温駅は、まえは畑ばかりだったけど、ここ何年かのあいだに広い道路ができ、高層マンションがたくさんたって、いっきに都会っぽくなった。
「ここの~おくじょうにある~」
「えーっ! こういうマンションってさ、オートロックっていって住んでいる人しか中に入れないから、外からいくしかないんだよね。シロダマジャンプしてとどくかな?」
ぼくは、ためしにシロダマジャンプしてみた。
「シロダマジャーンプ!」びょーん!
何十階もあるマンションの半分もとどかない。
「もう一回!」
体をぎゅーっとちぢめて、思いっきりシロダマジャンプ! びょーん!
さっきより高くジャンプできたけど、「やっぱりダメか……。どうしよう、ぺろりんさん」
ぺろりんさんをさがしたけど、まわりにいない。
それどころかしずくのすがたもない。
「あれ? ふたりともどこにいっちゃったの?」
「お兄ちゃーん!」
上から声がしたから見あげると、マンションのかべを歩いてのぼっていくぺろりんさんとしずくがいた。
「え、そんなこともできるの?」
ぼくもまねをして、かべに足をつけてみた。
「あ、かべにくっつく!」
シロダマにつつまれた足は、ぺたっとかべにくっついた。
そして、そのままぺたぺたとかべを歩いてのぼれる。
ぺたぺた。ぺたぺた。ぺたぺた。
「わー、これも気持ちいいなあ」
「お兄ちゃん、いいながめだねー」
よこになったけしきを見ながら、3人でマンションをのぼっていった。
つづく




