ぼくとトイレのぺろりんさん16
しずくは思った。
お兄ちゃんって変。おうちにあそびにくる子がお友だちじゃないなんて、ぜったい変。
学校がおわってからもあそびたいから、おうちによぶし、あそびにもいくんだもん。
デーブは、おうちにあそびにきていたから、お兄ちゃんのお友だちに決定。
で、お兄ちゃんのお友だちは、しずくもお友だちだよね。
「じゃあ、しずくもデーブのお友だちになるね」
「ええっ、しずくもってなんだよ。もって。それにまだ、だれも友だちだっていってないじゃん」
「え! ああ、友だちね。おれはいいよ。ふふん!」
わーい、ほんとうかよ。雨森のいもうとと友だちになっちゃったよ。
しずくちゃんだっけ? いい子だなあ。
デーブは、今までにないしあわせを感じていた。
「えーっ! ふたりとも友だちになっちゃうの!?」
「お兄ちゃんのお友だちは、しずくもお友だち!」
「だから、出井くんとは、まだ友だちじゃないって! だいたい、お兄ちゃんのお友だちは、しずくもお友だちって。なんだよ、それ!」
もうついていけないよ、しずくのお友だち理論。
「デーブはさあ、好きなテレビとかあるの?」
「えーと、〈焼けろ! タコヤキくん〉とか見るかな。ふん!」
「わー、しずくも大好き! 気が合うね、デーブ!」
「お、おお。ふん!」
「それで、デーブはさあ、お話に出てくるたこ焼きで何が好き?」
「ふ~ん、そうだな……」
しずくったら、さっきからデーブ、デーブって気やすくよびすぎだよ。
だいじょうぶかな? デーブが急におこったりしないかな?
「出井くん、だいじょうぶ? 気をわるくしたりしていない?」
「ぜんぜん。気がわるいどころか楽しくってしかたがないよ。ふん!」
ぼくのしんぱいをよそにしずくとデーブは楽しそうに話しつづけていた。
とりのこされたぼくはココアをのみながら、早くデーブが帰らないかなあと思っていた。
「じゃあね~、デーブ。またあした~!」
「おお、じゃあな。ふふん♡」
デーブは、にやにやしながら帰っていった。しずくは、ぶんぶんと手をふってごきげんだ。
「デーブとお友だちになっちゃった。えへへ」
「ほんと、しずくはだれとでも友だちになっちゃうな」
「お友だちになっちゃいけないの?」
「いや、いけなくはないけど……」
ぺろりんさんといい、デーブといい、なんでしずくはだれとでもすぐに友だちになれるんだろう。
ぼくは、そんなしずくのことがが少しうらやましかった。
ぼくなんか、はじめて会う人には変なヤツに思われないように気をつけてしまう。
気をつけすぎてかえって変になっちゃうくらいだ。
つぎの日の朝。
「デーブ、おはよー!」
「あ、しずく。おはよう。ふん!」
登校中にしずくがデーブにあいさつをしたもんだから、学校じゅうがザワついた。
つづく




