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トイレのぺろりんさん  作者: 田中たんばりん
第1話 ぼくとトイレのぺろりんさん
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14/17

ぼくとトイレのぺろりんさん14

「おい、雨森あまもり。おれが泣いたことやこわがったことは、だれにもいわないでくれよ。おれのお願いだ。ふん!」


「うん、わかった。だれにもいわない。でも、ぼくだって泣き虫でこわがりだよ」


挿絵(By みてみん)


「え、おまえもそうなのか。それって、だれにも知られたくないことじゃないのか? なんで、じぶんからいっちゃうんだよ。ふん!」


「だって、ほんとうのことだもん。べつにだれかに知られたからって気にしないよ。でも、泣き虫でこわがりなのを弱虫だってからかうヤツはきらいだな」


「泣き虫でこわがりなのは弱虫とちがうのか? ふん!」


「ぼくはちがうと思っているよ」


「どうちがうんだよ。ふん!」


挿絵(By みてみん)


「泣き虫でこわがりだって勇気はあるよ。だから、弱虫じゃないよ」


「勇気? 赤信号でおうだんほどうをわたっちゃうとかか? ふん!」


「そんなの勇気じゃないよ。赤信号でおうだんほどうをわたるなんて、だれかにすごいっていわれたいだけで勇気があるわけじゃないし、そもそもすごくもなんともないよ」


「ふふん、ふん!」


「たとえばさ、電車やバスで人に席をゆずるとき、話しかけるのにドキドキするでしょ。どうぞって声をかけるほうが勇気がいるよ。困っている人を助けるほうが勇気がいるって、ぼくは思うんだ」


「そうか。じゃあ、おれにも勇気はあるかな? ふん!」


「あるよ。だって、ぼくを助けてくれたじゃん」


「そうそう、それなんだけど、おれ何をしたんだ? ぜんぜんおぼえてないんだけど。ふん!」


「い、いや、むりに思い出さなくてもいいんじゃないかな……」


デーブにぼくのおしりまる出しのすがたを思い出されたくない。


挿絵(By みてみん)


ちょうどそこにお母さんがココアを持ってきてくれた。

「お待ちどうさま。はい、どうぞ」


「ありがとう、お母さん。ささ、出井いでいくん、ココアをのもうよ」


おかげで、うまいぐあいに話をごまかすことができた。



「ただいまー!」ぼくとデーブがココアをのんでいると、しずくが帰ってきた。


ガチャ! へやのドアがいきおいよく開いた。


「あ、デーブだ。こんにちはー!」


ぼくはココアをふき出しそうになった。

うわーっ、ここでとつぜん「デーブ」が出てくるとは! やってくれたな、しずく!


挿絵(By みてみん)


つづく

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