ぼくとトイレのぺろりんさん12
「ふっ……ふ~ん」
しばらくすると、デーブが目をさました。
「出井くん、だいじょうぶ?」
「ここは?」
「ぼくんちだよ。公園のトイレで、きみが気をうしなったから、つれてきたんだ」
「公園のトイレって……。おまえ、あれを見たか? ふん!」
「あれって?」
「……舌だよ。のろいの舌。ふん!」
のろいの舌? どうやらデーブはぺろりんさんのことをいっているみたいだ。
デーブは、ぺろりんさんのことを知っているのかな?
うそをいってごまかしてもあとでめんどうだから、ここはしょうじきにいうことにした。
「……うん、見たよ」
「こわくないのか? おまえ、のろわれるぞ。おれは、のろわれるのがこわい。ふん!」
「う~ん、あんまりこわくないかな。のろわれないと思うし。でも、なんでのろわれるって思うの?」
「ある約束をさせられたからだ。その約束をやぶるとのろわれる。……たぶん。ふん!」
「その約束って何?」
「それはいえない。いうとのろわれる。……たぶん。ふん!」
どうやら、デーブはぺろりんさんと何か約束をしたらしい。
その約束をやぶると、ぺろりんさんにのろわれると思っている。
「いや、のろわれないと思うけどな」
「なんでそんなこといえるんだ。ふん!」
「んー、友だちみたいなものだからかな」
「友だちって、なんだよ。それ? ふん!」
しずくのお友だち理論からすると、ぼくとぺろりんさんは友だちということになるはずだ。
ぼくは、ぺろりんさんと知り合ったいきさつをデーブに話した。
「うそだろ。おれをからかってるだろ。ふん!」
「うそじゃないよ」
「いや、うそだ。ふん!」
デーブは、ぼくの話をなかなかしんじてくれない。
いいあらそいになってデーブをおこらせるのもこわいしなあ。
「困ったな、どうすればしんじてもらえるかな……。そうだ! トイレだ。トイレにいけばわかるよ」
「トイレにいけばわかるって、何がわかるんだよ。ふん!」
「まあまあ、ちょっときてみてよ」
ぼくはデーブをなだめながら、トイレに向かった。
つづく




