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妖精に愛された亡国の王女、少年として軍に潜む  作者: 月焔 レイ
第三章(3) 旗を上げるとき
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第六十二話 開戦の夏、消えた王女


──ルシア、17歳の夏。


「ルミナリア反逆軍」と名付けられた逆賊はら

 王国全土の新聞やラジオで報じられた。


 首謀者は"ルシア・ルミナリア"


 弟"ノエル"と共に生き残った

 ルミナリア王族の末裔だった──


 ルシアたちは、アイゼンブルク中将に連絡をとり、速やかに挙兵の準備を整えた。

 中将は商会の情報網を用い、秘密裏にかつ迅速に情報の伝達を行っていたらしい。

 ルシアたちが手を回したときには、、既に号令を待つのみという状況になっていた。


 時間をかければあっという間に冬が来る。

 早く決着をつけなくては、基盤を整えないまま冬を越すことになる。国民を困らせることだけはしたくなかった。


 被害は、最低限に抑える。

 そのためなら自分の身の安全は考慮しない。


 それが、ルシアが下した判断と、覚悟だった。


 ⸻⸻


 七月上旬。

 先陣を切ったのは、アイゼンブルク中将だった。

 ルシアは反対したが、頑として譲らなかった。


 アイゼンシュタットの鉱山は閉鎖され、アイゼンブルク商会は王国の流通を止めた。


 一週間後、フェルンベルクを中心とした東方軍が任務を放棄。王都から派遣されていた長官を拘束し、ほぼ全軍がルミナリア反逆軍に寝返った。


 そこで、ルシアたちが王国全土に向けてラジオ放送を行ったのだ。これは、ヴァイスの発案と手引きによるものだ。


 拠点を東部に置いていたルシアたちは、王都にいるヴァイスに連絡をとり、挙兵の段取りを伝えた。

 ヴァイスは密かに放送局等と繋ぎをつけており、放送局側はハイジャックされたという程で全土にルシアたちの声を届けられるよう手配してくれたのだ。


 そのため、東部にいながら王国全土にルシアたちの声が、直接国民のもとへ届けられた。


──私は、ルシア・ルミナリア。

  ルミナリア王族の生き残りです。


  私たちは、マレディア王国に対し、ルミナリア叛逆軍として反旗を翻します。


 ルミナリア王国は、妖精と共存し、自然と共存することで国の発展を願ってきました。


 現在のマレディア王族の血を血で洗う他国への侵略や武力での押さえつけに、屈することはできません。


 私たちは、私たちの手でルミナリア王族を滅ぼしたマレディア王族を倒します。

 国民の皆様にはご迷惑をおかけ致しますが、宜しくお願いいたします。


 これが、ルシアの放送だった。

 奢るでもなく、強制するでもない。


 ただ、見守っていてほしい。


 それだけが、王国全土に向けて発信された言葉だったのだ。

  これに共鳴した、これまで王国に従っていた軍人や、南海岸沿いの都市がルミナリア反逆軍側へと寝返った。


 その広がりは、まるで盤面が一気に覆るオセロのようだった。


 あっという間にマレディア王族を支持するよりも、ルミナリア王族を支持する声の方が大きくなったのだ。


 世論が最高潮に達した八月。


 ――ルシアが、姿を消した。


 アルグレイ隊と共に過ごし、

 最後の決着をつけるために王都へ向かう途中。


 突如として姿が見えなくなったのだ。


 誰も、その行方を知る者はいなかった──

 

 

 

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