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エピローグ

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霊廟を出ると、夕暮れの光が六人を迎えた。


入口で待っていたリディアは、先頭を登ってくるエドガーの姿を見つけた瞬間、表情をぱっと明るくする。


「エドガー様……!」


思わず駆け寄る。


あと一歩で抱きつきそうになって、はっと我に返り、騎士らしく一歩引いて頭を下げた。


「ご無事で……本当に、ご無事でよかったです。」


「心配をかけました。」


エドガーは穏やかに微笑んだ。


その横で、シフォンが腕を組む。


「それはもう、ご無事ですよー。」


「私たちだけ戦わせて、ご本人は最後にいいところだけ持っていきましたから。」


「シフォン。」


ロザリアが笑顔のまま肩をぽんと叩く。


「その続きは、後ほどですわ。」


「……はい。」


シフォンは口を尖らせた。



野営地を撤収し、一行は王都への帰路につく。


帰りの馬車は、ターケシ、シフォン、ロザリア、フィリア、エドガー、リディアの六人。


さすがに少し狭い。


「ご主人様。」


シフォンが当然のようにターケシの膝へ座ろうとした。


「ここなら――」


「却下です。」


ロザリアが即座に止める。


「ターケシ様はお怪我をされているのですよ。」


「うぅ……。」


「隣へどうぞ。」


「……はい。」


しぶしぶターケシの隣へ腰を下ろすシフォン。


ターケシは苦笑するしかなかった。


しばらく馬車が揺れたあと。


エドガーは静かに頭へ手を伸ばす。


「皆さん。」


髪を覆っていたかつらを外す。


現れたのは、美しい金髪だった。


「改めまして。」


「エルドラシア王国第二王子、アルフォンスと申します。」


馬車の中が静まり返る。


沈黙を破ったのは、やはりシフォンだった。


「どこまで舐めプしてたんですか?」


「シフォン!」


リディアが思わず拳を振り上げる。


「王子殿下になんという口の利き方を!」


拳骨を落とされるかと、シフォンは頭を押さえる。


「だって本当じゃないですかぁ……。」


アルフォンスは苦笑した。


「返す言葉もありません。」


馬車の中に小さな笑いが広がる。


王族に対する口の利き方をシフォンは少しは学んだのだった。


数日後。


王宮。


アルフォンスから正式に感謝の言葉が贈られた。


「此度の霊廟調査、および神話級魔物討伐の功績を称えます。」


ターケシたちは感謝状を受け取り、さらに報酬として金貨二百枚が入った袋を手渡される。


ずしり、と重い。


フィリアが袋を見つめてぽつりと言う。


「金貨二百枚。」


少し考えてから、


「……私たちを買った時の、ちょうど十組分ですね。」


場が静まり返った。


「あっ……。」


フィリアはようやく空気に気づく。


ターケシは苦笑しながら袋を受け取った。


「そうだな。」


「今は、仲間四人分の報酬だ。」


シフォンはにこっと笑う。


ロザリアも優しく微笑み、アルフォンスとリディアも頷いた。


霊廟での長い戦いは、ようやく幕を閉じた。


神話の因縁も、王家の宿命も、そこに眠っていた兵士も。


すべては静かに土へ還り、霊廟はようやく本来の静寂を取り戻した。

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