坑道に住みついた者たち
シフォンが足を止めた。
「います。」
ターケシも立ち止まる。
「何体。」
「三体。」
「ゴブリンです。」
ターケシは頷く。
シフォンは小さく息を吸い込む
ターケシは盾を構えた。
「行くぞ。」
曲がり角を回る。
ゴブリンも松明の明かりに気付いた。
「ギャッ!」
警戒するより早く飛びかかってくる。
ターケシは盾で受け止める。
鈍い音。
狭い坑道では、一度に前へ出られるのは一体だけだった。
後ろの二体は仲間につかえ、思うように動けない。
「シフォン!」
「はい!」
ターケシの肩越しから短剣が素早く伸びる。
急所ではない。
武器を持つ腕だけを切る。
ゴブリンが悲鳴を上げる。
ターケシは盾で押し返した。
その隙にロザリアのレイピアが突きを放つ。
もう一体が慌てて後ろへ飛び退く。
フィリアの矢が足元へ突き刺さる。
逃げ道を失ったゴブリンは、甲高い声を上げながら坑道の奥へ逃げていった。
ターケシは追わない。
「放っておけ。」
シフォンが尋ねる。
「追いませんか?」
「追い払えば十分だ。」
ターケシは倒れたゴブリンを見下ろす。
「住み着いただけだろう。」
「腹が減ったから襲ってきた。」
「人間と同じだ。」
ロザリアが小さく息を吐く。
「では、この鉱山の異変とは関係ないのでしょうか。」
ターケシは首を振る。
「分からん。だが…」
主人公は岩肌へ手を当てる。
新しい崩落跡。
地下水で削られた跡。
そして、奥へ続く細い坑道。
「……少なくとも。」
「ゴブリンに坑道を掘る能力はない。」
フェルネアも静かに頷く。
「ええ。」
「ここまでの採掘は、人の技術です。」
主人公は立ち上がる。
「この鉱山がおかしくなった原因は、もっと奥にある。」




