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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第3章 CHRONOS STRIKE PRO LEAGUE

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第12話 大将戦②

第二ラウンド開始直後から紅蓮は明らかに戦い方を変えていた。


第一ラウンドでLEXの攻めを受け切ったことで見えてきたものがあるのだろう。Leonisの長い牽制を押し付けながら距離を管理し、MINATOに得意なテンポで攻めさせない。派手な攻撃ではないが、一つ一つの選択が正確だった。


「紅蓮選手、対応していますね」


「第一ラウンドでかなり情報を取ったように見えます」


実際、その通りだった。


開幕直後はMINATOが主導権を握っていた。しかし今は違う。LEXが前へ出ようとするとLeonisが止める。無理に踏み込めば差し返される。攻める側だったはずのMINATOが、少しずつ考えさせられる側へ回っていた。


コメント欄も試合の変化に気付いている。


『対応してるな』『紅蓮うまい』『さっきと流れ違う』『流石PHOENIX』『レベル高い』


Leonisは攻め急がない。


投げを見せる。


打撃を見せる。


時には何もしない。


だから読み切れない。


体力差も少しずつ紅蓮側へ傾いていった。


(やっぱり強いな)


MINATOはガードを続けながら考える。


想定外ではない。


むしろ想定通りだ。


紅蓮が一ラウンドで終わる相手なら、PHOENIXの大将なんて任されていない。


だから焦らない。


焦れば負ける。


LEXの強みは攻撃力だけではない。試合中に形を変えられることだ。


少しずつ立ち回りを修正する。


正面から攻める回数を減らし、Leonisが前へ出る瞬間を狙う。


そして試合中盤。


その狙いが初めて当たった。


Leonisが一歩深く踏み込む。


その瞬間、LEXの差し返しが刺さった。


会場が沸く。


「MINATO選手!」


「返しました!」


コンボが決まる。


さっきまで広がっていた体力差が一気に縮まる。


コメント欄も勢いを増した。


『そこ通すのか』『LEXやば』『まだ分からん』『面白い』


試合は再び振り出しに戻る。


今度は紅蓮も下がらない。


Leonisが前へ出る。


LEXも迎え撃つ。


お互い相手の狙いが見えている。


だからこそ引かない。


攻撃が通れば歓声が上がり、返されればさらに大きな歓声が起こる。観客席も実況席もコメント欄も、誰一人として目を離していなかった。


「凄いですね」


「開幕戦とは思えないレベルです」


残り体力は僅か。


残り時間も少ない。


だが焦っている選手はいない。


ここまで来ると技ではなく選択の勝負だった。


最後に勝負を動かしたのは紅蓮だった。


MINATOは投げを見せる。


紅蓮は警戒する。


その読み合いのさらに外側。


Leonisの置き技がLEXの踏み込みへ噛み合った。


カウンター。


会場がどよめく。


「入った!」


実況が叫ぶ。


Leonisはそのままコンボへ繋ぎ、体力を奪い切る。


K.O。


一瞬遅れて歓声が爆発した。


「紅蓮選手!!」


「第二ラウンドを取り返しました!!」


コメント欄も一気に流れる。


『うおおお!』『紅蓮やばい』『今の読んでたのか』『これは強い』『一対一だ!』


紅蓮は静かに息を吐く。


MINATOも表情を変えない。


どちらも驚いていなかった。


ここまで来る相手だ。


簡単に終わるはずがない。


スコアは1―1。


開幕戦最後の試合は振り出しへ戻った。


「さあ面白くなりました!」


「ここから先は一本の価値がさらに重くなります!」


会場の熱気はまだ上がり続けている。


第三ラウンド。


勝敗を左右する重要な一本が始まろうとしていた。

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