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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第3章 CHRONOS STRIKE PRO LEAGUE

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第7話 オーダー発表

PHOENIXのオーダーが公開されると会場は大きく沸いた。


先鋒・朝陽。


中堅・迅。


大将・紅蓮。


伝統の強豪らしい堅実な並びだった。派手な奇襲はない。しかし長年上位を維持してきたチームらしく隙も少ない。


実況席でも考察が始まる。


「PHOENIXは紅蓮選手を大将に置いてきました」


「予想通りですね。リーグ経験、大舞台経験、安定感。その全てを考えれば紅蓮選手以上の選択肢はありません」


「一方で朝陽選手を先鋒に置いたのはどうでしょう」


「そこは面白いですね。若手ですが実力は十分です。勢いを作る役割を任せたのかもしれません」


配信コメントも流れ続ける。


『紅蓮大将』

『やっぱり来た』

『朝陽先鋒か』

『迅中堅嫌だな』

『PHOENIXらしい』


その頃、ORBIT控室ではモニターを囲んで全員がPHOENIXのオーダーを見ていた。ホーム側であるORBITは、このオーダーを確認した上で出場順を決められる。


ACEが画面を見ながら口を開く。


「ほぼ予想通りですね」


「だな」


REIGNも頷く。


「紅蓮大将は全員予想してた」


問題はそこではない。


PHOENIXは奇襲を仕掛けるチームではないが、それでもこの並びには意図がある。


朝陽。


迅。


紅蓮。


三人の名前を見ながらREIGNは少し考える。


「レオンを外してきたか」


その一言で部屋の空気が少し変わった。


確かに事前予想ではレオンが出てくる可能性も高かった。


「温存ですかね」


MINATOが聞く。


「分からん」


REIGNは肩をすくめる。


「でも何か考えはあるだろ」


長年トップに居続けてきたPHOENIXが理由もなくオーダーを組むはずがない。


だからこそ読み切る必要がある。


ACEは画面から目を離さない。


「朝陽選手が鍵ですね」


「同感だ」


ZEROも短く答える。


「勢いを作る役割」


PHOENIXは朝陽で先制し、迅で流れを維持し、紅蓮で締めるつもりなのかもしれない。


だが、それはあくまで予想だった。


結局のところ試合が始まれば分かる。


REIGNは立ち上がるとタブレットを手に取った。


「まあ考えすぎても仕方ないな」

「決まりました?」


ACEが聞く。


「決まった」


迷いはなかった。


「先鋒ACE」


ACEが頷く。


「了解です」


「中堅は俺」


「予想通りですね」


「お前が言うな」


小さく笑いが起きる。


そして最後。


「大将はMINATO」


そこにも異論はなかった。


世界王者。

LEGACY王者。

このチームで最も大舞台に強い選手だ。


MINATOも静かに頷く。


「了解です」


オーダーは決まった。


REIGNはタブレットへ入力すると、そのまま提出ボタンを押す。


数十秒後。


大型モニターにORBITのオーダーが映し出された。


先鋒 ACE


中堅 REIGN


大将 MINATO


会場が一気に沸く。


「ORBITのオーダーも出ました!」


実況の声が響く。


「ACE選手、REIGN選手、MINATO選手!」

「非常にORBITらしい並びですね。奇策ではなく正面から勝ちに来ています」

「そして注目はやはり大将戦でしょうか」

「紅蓮選手とMINATO選手。このカードを期待している人は多いでしょうね」


コメント欄も一気に流れる。


『ACEきた!』

『REIGN中堅』

『MINATO大将!』

『紅蓮VS MINATO見たい』

『開幕戦から熱い』


ステージの向こうから歓声が聞こえてくる。


開幕戦。


新規参入チームORBIT。

その最初のオーダーが決まった。

残るのは戦うだけだった。


ACEは椅子から立ち上がると軽く首を回し、ステージへ続く扉へ向かう。その背中をREIGNたちは見送りながらモニターへ視線を向けた。


先鋒戦。


ACE対朝陽。


CSPL最初のポイントを懸けた戦いが、今始まろうとしていた。

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