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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第3章 CHRONOS STRIKE PRO LEAGUE

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第4話 それぞれの調整評価

Ver3.2アップデート公開から数時間。競技シーンは完全に新環境一色になっていた。プロ選手、配信者、解説者、誰もが調整内容について語り合っている。当然、CSPL各チームでも話題はその話ばかりだった。


まず反応が大きかったのはCRIMSONだった。チームルームではKNIGHTたちがパッチノートを確認している。


「LEXはまあ予想通りだな」


KNIGHTが言う。


FALCONも頷いた。


「弱くはなってる」


「でも終わってない」


RAYも同意する。


「むしろArthalの方が気になる」


そこは全員一致だった。Arthalは長く競技シーンを支配してきた王キャラだ。しかしKNIGHTは肩をすくめる。


「この程度ならまだトップだろ」


「だよな」


「結局残る」


ただ神楽シンの項目を見た瞬間だけ空気が変わった。


「盛りすぎじゃね?」


FALCONが呟く。


「盛ってる」


RAYも即答した。


KNIGHTは少し笑う。


「MINATO喜んでそうだな」


その一言で部屋に笑いが起きた。


一方LIBERTYでも同じ話題になっていた。CROWNはパッチノートを閉じながら天井を見上げる。


「神楽シン強そうだな」


蒼真が頷く。


「増えそう」


紫苑は冷静だった。


「かなり増えると思います」


「CSPL始まったら確実に見るでしょうね」


「面倒だな」


CROWNは率直だった。


神楽シン自体への不満というより、対策を作り直さなければならない面倒さだった。


AEGISでは白狼が腕を組んでいた。


「神楽シン強いな」


神威が笑う。


「素直に認めるんだな」


「強いものは強い」


冬馬もパッチノートを見ながら言う。


「LEXはもう少し触ってほしかった」


「あれはまだ残る」


白狼も頷く。


守備型の彼にとってLEXは元々厄介な相手だった。だから少しだけ不満はある。しかし大きな文句ではない。競技シーンではよくあるレベルの調整だった。


PHOENIXでは紅蓮が配信をしていた。


「神楽シンやばくね?」


コメント欄が流れる。


『やばい』


『強い』


『MINATO強化』


『環境変わる』


紅蓮も笑う。


「いや普通に強いな」


「たださ」


少し考える。


「景虎はそのままなんだな」


コメント欄が反応する。


『確かに』


『何も触られてない』


『地味に怖い』


『安定して強い』


紅蓮は頷いた。


「神楽シンだけじゃないからな」


「MINATOは景虎もある」


VORTEXでは月読が調整内容をノートへまとめていた。


龍牙が覗き込む。


「どうだ」


「面白くなった」


月読は即答した。


「ただ」


「なんだ」


「また神楽シン対策増える」


龍牙が吹き出した。


「それは確かに面倒だな」


戦術派チームらしい反応だった。


VALORでも話題になっている。


LONGは静かにパッチノートを読んでいた。


「神楽シン来たな」


春樹が言う。


「CSPL増えるか?」


「増える」


LONGは即答した。


「間違いなく増える」


「嫌か?」


「嫌だな」


珍しく本音だった。


神楽シンとの読み合いは得意ではない。


だから素直に面倒だと思っている。


そしてORBIT。


MINATOたちは既に神楽シンを動かしていた。画面では新コンボの検証が続いている。


ACEがダメージ表を確認する。


「伸びてますね」


「伸びてますね」


MINATOも笑う。


ZEROは横から画面を見ながら短く言う。


「強い」


REIGNは少し離れた場所で腕を組んでいた。


「良かったな」


「ですね」


「でもな」


MINATOが振り返る。


「なんですか」


「明日から全員神楽シン対策だぞ」


数秒沈黙する。


そして。


「それは嫌ですね」


施設に笑い声が広がった。


新環境。


新しい研究。


新しい対策。


どのチームも多少の不満と期待を抱えている。しかし共通していたことが一つだけあった。


神楽シン。


その名前が確実に競技シーンの中心へ近付いている。


CSPL開幕まで残り六日。


各チームの研究競争が静かに始まろうとしていた。

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