第31話 LEGACY表彰式
LEGACY Day3。
グランドファイナル終了からしばらく経ったにもかかわらず、ラスベガスのメインアリーナにはまだ熱気が残っていた。数万人の観客は誰一人として席を立たず、巨大スクリーンへ視線を向けている。先ほどまで行われていた世界最高峰の戦い。その余韻は簡単には消えなかった。
大型モニターへLEGACYのロゴが映し出される。
照明が落ちる。
会場から歓声が上がった。
「皆さん、お待たせしました!」
実況席では神谷レンがマイクを握っていた。
「これよりLEGACY 2027表彰式を行います!」
観客席から拍手。
コメント欄も凄まじい勢いで流れていく。
『きたああああ!』
『表彰式!』
『MINATO!』
『世界王者!』
『LEGACY最高!』
白石アキラも笑みを浮かべていた。
「歴史に残る大会でしたね。」
「間違いありません。」
神谷も力強く頷く。
「新たな世界王者が誕生しました。」
まず大型モニターへ今大会のハイライト映像が流れる。世界中の強豪たちによる激戦、数々の逆転劇、そしてグランドファイナル。神楽シンによるリセット、LEX投入、世界王者KNIGHTとの死闘。最後はLEXの一撃がArthalを打ち抜き、MINATOの優勝が決まった瞬間で締めくくられた。
会場が再び沸く。
『鳥肌』
『何回見てもやばい』
『伝説の大会』
『MINATO!!』
映像が終わるとスポットライトがステージ中央を照らした。
司会者が前へ出る。
「それではLEGACY 2027、最終順位を発表します。」
会場が静かになる。
まず呼ばれたのは第四位。
「第四位!」
大型モニターへ名前が表示される。
REIGN。
会場から大きな拍手が送られた。
世界王者経験者。
ORBITのエース。
今大会でも圧倒的な強さを見せた男だった。
続いて第三位。
「第三位!」
パク・ジフン。
韓国最終兵器。
世界ランキング上位常連。
観客席から歓声が上がる。
準決勝、ルーザーズファイナルと数々の名勝負を生み出した強豪だった。
そして準優勝。
照明がさらに明るくなる。
「LEGACY 2027準優勝!」
【KNIGHT】
会場が揺れた。
五大大会王者。
世界王者経験者。
長年世界の頂点で戦い続けてきた男。
グランドファイナルではあと一歩までMINATOを追い詰めたが、最後は届かなかった。
それでも観客たちは総立ちで拍手を送る。
神谷も思わず言った。
「やはりKNIGHT選手は強かった。」
白石も頷く。
「今大会でも世界最高峰であることを証明しました。」
そして。
照明が落ちる。
会場全体が暗くなる。
観客たちも自然と立ち上がる。
誰もが待っていた。
司会者がゆっくりと口を開く。
「LEGACY 2027。」
「優勝。」
数秒の静寂。
そして。
「MINATO!!」
会場が爆発した。
歓声。
拍手。
どよめき。
無数の声援。
巨大スクリーンいっぱいに映し出される。
LEGACY CHAMPION
MINATO
湊がステージへ上がる。
歓声はさらに大きくなった。
『MINATO!!』
『世界王者!!』
『おめでとう!!』
『伝説だ!!』
スタッフが優勝トロフィーを運んでくる。
LEGACY優勝者だけが手にできる栄光の証。
湊は両手でそれを受け取った。
重かった。
だが嫌な重さではない。
積み重ねてきた努力の重さだった。
司会者がマイクを向ける。
「今の気持ちをお願いします。」
会場が静まる。
世界中が耳を傾ける。
湊は少し考えた後、小さく笑った。
「まだ実感ないです。」
会場から笑いと拍手が起きる。
「でも、本当に嬉しいです。」
歓声。
「REVOLT JAPANでは負けました。」
「世界は遠いと思いました。」
「それでも諦めなくて良かったです。」
観客席から大きな拍手が送られる。
「応援してくれた皆さん。」
「ORBITのみんな。」
「本当にありがとうございました。」
会場総立ち。
歓声が鳴り止まない。
その時だった。
大会運営責任者がステージへ姿を現した。
予定にない登壇だった。
会場がざわつく。
神谷も首を傾げる。
「何かありますね。」
責任者は笑みを浮かべながら言う。
「続いて、世界大会出場権について発表します。」
会場が静かになる。
大型モニターに一覧が表示された。
【世界大会本戦出場決定】
MINATO
KNIGHT
パク・ジフン
歓声。
どよめき。
パク・ジフンが驚いた表情を見せる。
責任者が続ける。
「KNIGHT選手は既に本戦出場権を保持しているため、LEGACY準優勝による本戦枠は繰り上がりとなります。」
会場から拍手。
「よってLEGACY第三位、パク・ジフン選手の世界大会本戦出場が決定しました。」
観客席が沸く。
韓国ファンたちも大歓声を上げていた。
さらにモニターが切り替わる。
【世界大会本戦予選出場】
REIGN
会場から拍手。
そして責任者は続けた。
「なお、MINATO選手がREVOLT JAPANで獲得していた世界大会本戦予選出場権は、本戦出場決定により消費されません。」
観客席がざわつく。
「この予選出場権は次回五大大会、DRAGON CUPへ繰り越されます。」
大型モニターに表示される。
【DRAGON CUP】
世界大会本戦予選出場権
3枠
会場が大きく沸いた。
『マジか!』
『3枠!?』
『熱い!』
『DCやばくなるぞ!』
神谷も興奮する。
「これは大きい!」
白石も頷いた。
「世界大会を懸けた争いがさらに激しくなりますね。」
ステージ上ではMINATOがトロフィーを掲げていた。
歓声。
拍手。
フラッシュ。
世界最高峰の舞台を制した新たな王者。
だが物語は終わらない。
世界大会。
DRAGON CUP。
プロリーグ。
さらに大きな戦いが待っている。
歓声が鳴り響く中、LEGACY 2027は歴史に残る幕を閉じた。




