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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
* 第2章 挑戦者、ラスベガスへ向かう

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第22話 怪物LEX

試合開始。


開幕と同時にLEXが前へ出た。


速い。


映像では何度も見てきた。


リプレイも研究した。


だが実際に対戦台で向かい合うと印象が違う。


圧力がある。


ガブリエル・コスタのLEXは最初の一歩から攻撃だった。


「来たァァァ!!」


神谷レンが叫ぶ。


「ガブリエル選手、開幕から攻める!!」


LEXが距離を詰める。


前ステップ。


小技。


投げ。


打撃。


次々と選択肢を押し付ける。


まるで波だった。


景虎は防御を強いられる。


『速い!』

『LEXやばい!』

『圧力すげぇ!』


コメント欄も騒ぎ始める。


だが湊は慌てない。


ガード。


確認。


観察。


何を狙っているのか。


どこでリスクを負っているのか。


一つずつ見極めていく。


そして数秒後。


LEXの連係にわずかな隙が生まれた。


景虎が動く。


差し返し。


カウンター。


「入ったァァァ!!」


会場が沸く。


景虎の高火力コンボ。


体力が大きく削れる。


ガブリエルも思わず眉を上げた。


たった一度。


たった一回のミス。


それだけでここまで持っていかれる。


景虎というキャラクターの恐ろしさだった。


「さすがMINATO選手!」


白石も頷く。


「一回のチャンスを絶対に逃しません。」


だがガブリエルも止まらない。


起き上がり。


即座に攻勢へ転じる。


再びLEXの時間が始まった。


超高速ラッシュ。


崩し。


投げ。


中段。


下段。


景虎が防御を強いられる。


会場も息を呑む。


「LEXが止まらない!!」


神谷の声が響く。


体力差が縮まる。


そして逆転。


さらに攻め継続。


ガブリエルは攻撃を止めない。


観客席からも歓声が上がる。


『うまい!』

『LEX完成してる!』

『南米最強!』


残り体力わずか。


あと一回で決まる。


その瞬間。


LEXが飛び込んだ。


観客の誰もが攻撃継続を予想する。


だが。


湊は読んでいた。


景虎の対空。


カウンターヒット。


会場が揺れる。


「落としたァァァ!!」


景虎コンボ。


追撃。


壁。


さらに追撃。


そして。


KO。


第一ラウンド。


MINATO。


会場から大きな歓声が上がった。


『うおおおおお!!』

『取った!!』

『景虎つえぇ!!』

『読み勝った!!』


ガブリエルは笑っていた。


悔しそうな表情ではない。


楽しそうだった。


世界中の強豪と戦ってきた男の顔だった。


「Interesting…」


小さく呟く。


湊も画面から目を離さない。


まだ一ラウンド。


何も終わっていない。


むしろここからだ。


第二ラウンド開始。


今度はガブリエルがさらに前へ出る。


LEXが暴れる。


試合速度が一段階上がった。


神谷も思わず笑う。


「速い!」


「速すぎる!!」


「これ本当に人間がやっているんですか!?」


会場から笑いが起きる。


だが誰も否定できない。


LEXの攻撃速度。


ガブリエルの判断速度。


そしてそれに対応するMINATO。


全てが異常だった。


白石も真剣な表情でモニターを見る。


「これは世界トップクラス同士の試合ですね。」


「もう若手とか挑戦者とか関係ありません。」


「完全に優勝候補同士の戦いです。」


試合はさらに激しさを増していく。


そして。


世界最高峰の戦いは最終ラウンドへ向かおうとしていた。

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