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『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第1章  〜初めての大舞台〜

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第18話 王者の壁

REVOLT JAPAN最終日。


会場の熱気はまるで衰える気配がなかった。MINATOがウィナーズ決勝進出を決めたことで配信コメントもNexも大盛り上がりとなり、大会初出場の挑戦者はいつの間にか優勝候補の一角として扱われるようになっていた。だが、ここから先に残っている選手たちは全員が怪物だ。実績も実力も世界レベル。その中で勝ち続けなければ頂点には辿り着けない。


そして始まる。


ウィナーズ決勝。


【MINATO】


対


【KNIGHT】


大型モニターに両者の名前が映し出された瞬間、会場はこの日一番とも言える歓声に包まれた。


「来ましたぁぁぁ!!」


朝倉が叫ぶ。


「今大会最大の話題となった挑戦者MINATO!そして立ちはだかるのは五大大会王者KNIGHTです!!」


『決勝レベル』

『事実上の決勝』

『楽しみすぎる』

『MINATO頑張れ』

『KNIGHT強すぎる』


コメント欄も凄まじい勢いで流れていく。


「ここが本当の壁ですね。」


村瀬は真剣な表情でモニターを見つめていた。


「MINATOにとって今大会最大の試練です。」


選手席で湊は静かに深呼吸する。相手はKNIGHT。大会前にトレーニングモードへ付き合ってくれたトッププロであり、尊敬する選手の一人だ。しかし今は違う。同じ舞台で優勝を争う対戦相手だった。


キャラクター選択。


MINATOは景虎。


KNIGHTはArthal【王】。


会場が再び沸き上がる。


「王が来たぁぁぁぁ!!」


朝倉の絶叫が響く。


現環境六強。その中でも万能最強候補と呼ばれる王道キャラクター。KNIGHTの代名詞だった。


試合開始。


FIGHT。


開幕と同時に景虎が前へ出る。しかし湊はすぐに違和感を覚えた。触れない。差し合いで勝てない。攻めても返される。一つ先、二つ先、さらにその先まで読まれている感覚だった。


「うまい!」


実況席から思わず声が漏れる。


「KNIGHT選手完璧です!」


景虎も食らいつく。読み勝ち、コンボを決め、何とか流れを掴もうとする。だがArthalは崩れない。返される。さらに返される。そして最後は鋭い反撃からコンボを決め切った。


KO。


第一ラウンド。


KNIGHT。


『強い』

『王者』

『やばい』

『流石KNIGHT』


会場から歓声が上がる。


だが湊は下を向かなかった。


第二ラウンド。


相手の癖を見る。動きを覚える。何を警戒し、どこで動くのかを頭の中へ刻み込んでいく。試合中に修正する。それがMINATOというプレイヤーだった。


そして景虎が動く。


差し返し。


コンボ。


起き攻め。


投げ。


読み勝ち。


さらに読み勝つ。


KO。


「取り返したぁぁぁぁ!!」


会場が大歓声に包まれる。


一対一。


最終ラウンド。


景虎とArthalが向かい合う。


観客席は静まり返り、誰もがモニターを見つめていた。残り体力はほぼ同じ。あと一回。あと一回の読み合いで勝負が決まる。


景虎が踏み込む。


Arthalも動く。


差し合い。


そして。


届いたのはArthalの剣だった。


カウンター。


コンボ。


体力が消し飛ぶ。


KO。


【WINNER KNIGHT】


次の瞬間、会場が大歓声に包まれた。


「KNIGHT勝利ぃぃぃぃ!!」


朝倉が叫ぶ。


「ウィナーズ決勝制覇!!」


拍手。


歓声。


どよめき。


王者の強さを見せつける勝利だった。


湊はモニターを見つめる。


負けた。


今大会初黒星。


悔しい。


だが絶望はなかった。


強かった。


ただそれだけだった。


「MINATO敗北です。」


村瀬が静かに言う。


「ですが終わりではありません。」


「そうです!」


朝倉も続く。


「ダブルエリミネーションです!MINATOはルーザーズ側へ進みます!」


『まだ終わらない』

『ここからだ』

『ルーザーズ頑張れ』

『優勝まだある』

『MINATO!』


コメント欄には応援の言葉が溢れていた。


湊はゆっくり立ち上がる。


一度負けた。


だが終わってはいない。


REVOLT JAPAN優勝。


世界大会本戦出場権。


その可能性はまだ残されている。


そしてルーザーズ側にはLONG、ZERO、BLADEをはじめとする強豪たちが生き残っていた。ここから先は一敗すれば終わり。誰もが背水の陣でぶつかってくる。


王者の壁は高かった。


だが挑戦者の戦いはまだ終わらない。


本当の地獄は、ここから始まる。

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