↓ ↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
『ラウンド1から世界へ。』  作者: 龍崎
第1章  〜初めての大舞台〜

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

PR
15/80

第12話 世界を越えた証明

「さあ始まりました!」


神谷レンの声が会場中へ響き渡る。


「REVOLT JAPAN二日目!TOP64配信台!」


「今大会最大の話題選手MINATOと、中国トッププロLONGの対戦です!」


大型モニターには景虎とFrostが映し出されている。観客席はほぼ満席。立ち見まで出るほどの注目カードとなっていた。


配信コメントも凄まじい勢いで流れていく。


『きたあああああ』

『MINATO頼む!』

『LONG強いぞ』

『世界レベルだぞ』

『景虎頑張れ!』

『楽しみすぎる』


黒崎シンはモニターを見つめながら静かに口を開いた。


「この試合が最初の試金石ですね。」


「MINATO選手が本当に世界レベルで戦えるのか、それが分かる試合になると思います。」


画面中央にROUND 1の文字が表示される。


FIGHT――。


開幕と同時にLONGが動いた。


Frost特有の氷設置。


盤面を支配するための布石。


世界大会でも何度も結果を残してきたLONGの王道パターンだった。


「まずはFrostが盤面形成!」


「LONG選手らしい立ち上がりです!」


だが景虎は慌てない。


歩く。


ガードする。


歩く。


距離を詰める。


さらに歩く。


会場が少しざわついた。


そして次の瞬間だった。


差し返し。


カウンター。


「入ったァァァァァ!!」


神谷が叫ぶ。


景虎の拳が突き刺さる。


そこから一気にコンボへ移行し、Frostの体力が大きく削られた。


「うまい!」


黒崎も思わず声を上げる。


「距離管理が完璧です!」


LONGはすぐに立て直す。


再び氷設置。


飛び道具。


有利状況。


本来ならここからFrostが主導権を握る展開だった。


しかし景虎は止まらない。


前へ出る。


さらに前へ出る。


危険な距離へ踏み込む。


「えっ!?」


神谷が驚く。


「入っていく!」


「Frostの得意距離へ自分から入っていく!」


観客席からどよめきが起きた。


景虎が読み勝つ。


さらに読み勝つ。


攻める。


崩す。


押し切る。


そして――。


KO。


第一ラウンド。


MINATO。


会場が爆発した。


「取ったァァァァァ!!」


拍手と歓声が一斉に巻き起こる。


『うおおおおお』

『マジか』

『景虎やばい』

『MINATO!!』

『世界レベル相手だぞ』


黒崎も苦笑する。


「強いですね。」


「想像以上です。」


「世界レベル相手でも全く臆していません。」


だがLONGも黙ってはいなかった。


第二ラウンド。


世界トップクラスの実力を見せる。


氷設置。


飛び道具。


位置調整。


全てが噛み合う。


景虎が前へ出られない。


盤面全体がFrostの支配下へ置かれていく。


「LONG選手が修正してきた!」


「これは苦しい!」


神谷の声にも力が入る。


景虎も抵抗する。


だが世界大会常連の壁は厚い。


Frostが流れを掌握する。


そのままKO。


一対一。


会場のボルテージがさらに上がる。


「面白い!」


「最高の試合です!」


観客席から自然と拍手が起こる。


誰もが画面に釘付けだった。


最終ラウンド。


景虎。


Frost。


両者体力満タン。


会場が静まり返る。


実況席ですら声を潜める。


数秒。


誰も動かない。


互いに相手の出方を探る。


そして。


景虎が踏み込んだ。


「いったァァァァ!!」


差し合い。


読み合い。


反応。


判断。


一瞬ごとに勝敗が揺れ動く。


完全な互角。


観客席では立ち上がる人まで現れ始めていた。


「どっちだ!?」


「どっちが勝つ!?」


神谷の絶叫が響く。


そして――。


景虎の中段。


ヒット。


カウンター。


「入ったァァァァァァァ!!」


会場が爆発した。


景虎がそのままコンボへ移行する。


一発。


二発。


三発。


LONGも必死に耐える。


だが止まらない。


体力ゲージが消し飛んでいく。


最後。


景虎の正拳突きがFrostを貫いた。


KO。


WINNER


MINATO


一瞬だけ。


会場が静まり返る。


誰もが結果を理解するための時間だった。


そして次の瞬間。


大歓声。


「勝ったァァァァァァァァァ!!」


神谷が立ち上がる。


「MINATO勝利!!」


「世界トップクラスのLONGを撃破!!」


観客席が総立ちになる。


拍手。


歓声。


どよめき。


まるで決勝戦のような熱気だった。


黒崎も思わず笑っていた。


「本物ですね。」


「これは本物です。」


「もうダークホースではありません。」


「優勝候補の一人です。」


Nexでも瞬く間に話題が広がっていく。


『MINATOやばい』

『LONG倒したぞ』

『世界レベル撃破』

『主人公かよ』

『大会初出場だぞ』

『優勝ある』

『RJが面白くなってきた』


配信コメントも止まらない。


『本物だった』

『景虎強すぎ』

『化け物』

『鳥肌立った』

『優勝候補確定』


そんな大歓声の中。


当の本人だけは静かだった。


湊は小さく息を吐き、コントローラーを置く。


派手なガッツポーズもない。


叫びもしない。


ただ対戦相手へ一礼し、次の試合へ向けて画面を見つめる。


だが会場中の誰もが理解していた。


ランクマッチ一位は伊達ではなかった。


そしてREVOLT JAPAN最大のダークホースは、この瞬間をもって本物の優勝候補へ変わったのだった。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。