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元・狂戦士のオッサン案内人。〜俺の指す先を斬るだけで最強。最短の矢印に従う異世界女騎士とメイドが、特級ダンジョンを蹂躙する〜  作者: くるまAB
第1章:再起の矢印と霧晴れる迷宮

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2. 落とし物と窓口の騒動

今日は3話一気に公開いたします。残りは20時に公開予定です。

 悠馬は主を倒した後に出現する、ダンジョン脱出用のポータルを起動させる。


 肩には意識のない女騎士を担ぎ、脇にはメイドを抱え、ポータルへと足を踏み入れる。

 地上へ転送されると、その足のままダンジョン管理局へと向かった。

 

「……よお、望海のぞみ。今日の分だ」


 ドサリ、とオーガの角が入った素材袋を窓口に置いた。

 続けて、その横の空きスペースに2人をそっと横たえる。

 

 受付嬢の高梨たかなし 望海のぞみは、端末を叩きながら顔を上げた。


「あ、悠馬お帰りー。 お疲れさま。……って、えっ!? ちょっと待って、何それ!?」


 望海は身を乗り出して、意識のない2人の装備を2度見した。


 それはこの世界の金属とは明らかに違う、眩いほどに磨き上げられた純白色の甲冑――プラチナプレートだった。


「見て分からんか。落とし物だ。10層の主の部屋に転がってた」

「落とし物って……人じゃない! ちょっと悠馬、これどういうこと!? 迷い込んだ探索者? それとも――」


「さあな。年に1度はあるんだろ、こういうのが」


「まあ、そうだけど……。でも最近の発生率はちょっと異常だよ。昨日も別の支部に騎士が降ってきたらしいし」


 望海は慌てて救急キットをカウンターの下から取り出す。


「でも、こっちからすれば貴重な即戦力なんだよね。異世界の人って基礎能力高いから、そのまま探索者登録するケースが多いし。……で、どうするのよこれ。人は落とし物センターじゃ預かれないよ?」


「……チッ。管理局の保護施設は?」


「今、転移者でいっぱいで半年待ちらしいよ」


 悠馬はボリボリと面倒そうに頭を掻いた。


 その時、悠馬の視界で【青い矢印】が強く明滅する。

 矢印は意識のない2人を指し、そこから悠馬の自宅がある方角へと力強く伸びる。


「……『矢印』が連れて帰れって言ってるな。……これ、絶対面倒なことになるやつだろ」


 悠馬はぽつりとつぶやく――その時、純白色の甲冑がカチャリと音を立てた。


「……ぅん、ここは……」


 女騎士が、苦痛に眉を寄せながら意識を取り戻した。

 その隣でメイドも身を震わせ、瞬時に主の前に這い寄る。


 「アリスお嬢様! ……貴方達、何者です。ここは牢獄……?いや、違いますね……ただ、先ほどまでの場所とは違うようですが」


 鋭い眼光が悠馬達を射抜く。

 望海は「ひぇっ」と声を上げて震えた。


「俺か? 通りすがりの案内人だ。……望海、悪いがこいつらの身元が割れるまで俺が預かる。手続き、適当に回しとけ」

 

「えぇ!? 悠馬、勝手すぎ――」


 背後の叫びを無視して、悠馬は半ば強引に2人を促し、ロビーを後にした。

お読みいただきありがとうございます。

今日は3話一気に公開いたします。残りは20時に公開予定です。

悠馬の「矢印」、便利ですよね。でも本人は面倒くさがりというギャップ。続きを応援してくださる方は、ぜひブックマーク登録をお願いします!

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