会議、そして会合
忙しいですが、頑張ります。
「さて、これで全員だね?」
リョウの私室に、召喚された織田家の家臣たちが集結する。歩、優姫、竜牙、そして晴彦の四人だ。
「これは、長曾我部との全面衝突になりそうですけど」
晴彦がまず一番に意見する。
「同感だな。幸い、信長包囲網の連中はまだ動いちゃいねえ。長曾我部を滅ぼして勢力を拡大し、包囲網を一気に叩き潰すのがベストだろうよ」
竜牙も開戦論だ。
「リョウ。井田たち包囲網と和睦するにも、他の勢力は倒しておくべきだ。戦わないでそのまま元の時代に戻れるとか考えちゃダメだぞ」
歩は対包囲網に関してリョウの気持ちを尊重している。
「そうだね。とりあえず、長曾我部とは一度戦わないといけないだろう。和睦をするにも、一度互いの力量を理解しなければならないだろうし」
リョウは若干不満そうだが、皆の意見に同意した。彼は戦そのものをしたくないのだ。
「とりあえず、和田のところまで俺が走ってくる。あちらでも何かあるだろうし、作戦会議するならこの中の誰かが方針をあいつらと話さなきゃならないからな」
竜牙は話をさらに前に進める。彼の背中からは、やる気であふれ出ているくらいだ。
「じゃあ、明日にでも行ってきて。これで方針は固まったわけだし、そろそろ寝よう。疲れが明日に残っては軍備とかの話にならないからね」
リョウはこうして会議の閉会宣言をする。作戦決定を迅速に進めるのは彼にとって朝飯前だ。
「了解」
「それでは、お先に失礼します」
それを受け、竜牙と晴彦は部屋を後にする。続いて、優姫も立ち上がる。
「私、先に戻ってます。雷光寺さんはまだ残りますよね?」
「うん。先に行ってて。おやすみ、中山さん」
「はい、おやすみなさい」
歩と一通り会話した後、優姫も自分たちの部屋へと戻っていった。
「さて、これからどうするんだ。リョウ?」
三人が去った後、歩がリョウに話を切り出す。
「どうせ、『これを機会に井田たちと同盟を結ぼう』って考えてたんだろ? 反対されるから言わなかっただけで」
「ははは、参ったな。完全にお見通しか」
歩の鋭いコメントにリョウは苦笑い。
「井田たちが織田にとって不俱戴天の仇であることは、長曾我部や雑賀が出てきても変わらん。お前の味方は俺たちと松平だけだからな」
「......すまんな。歩にそこまで言わせてしまって」
「お前が苦しいのはみんな知ってる。だが、それでも俺は織田の為だけに動く。それが『織田家の副将』の務めだから」
歩の言葉はいつになく力強い。
「ふう。心を支えてもらえる奥さんがいる人は羨ましいね」
珍しく皮肉を漏らすリョウ。それだけ、彼の精神は廃れているのだ。
「それじゃあ、お前も奥さんと話をしたらどうだ? そっちは完全に夫婦なんだから」
「ギクッ」
歩がここぞの反撃を繰り出し、リョウの動揺は大きくなる。
「だって、あの人見るからに主戦論者じゃん。余計苦しいよ」
「んじゃ、愛人は? どこかの村娘を捕まえて愚痴を聞いてもらえ」
「......歩、君は冗談のつもりなんだろうけど少しブラックだよ」
苦笑いのままだが、リョウの表情はほんの少し明るくなった。
「ごめん。ただ、リョウにはもっと明るくいて欲しいんだよ。俺たちのリーダーなんだから」
「ふふっ。君には、いつもこんな感じで支えてもらってるね。ありがとう」
「それが俺の役目だからな。とにかく、少しは元気になってもらったようで何よりだ。俺もこれから寝るが、お前も気楽にいけよ」
「ああ、そうするよ。それじゃあ、おやすみ歩」
「ああ、また明日」
こうして、歩も部屋を出ていった。
「......寝るか」
一息ついたリョウは、再び布団の中に入る。しかし、まだ眠ることはできなかった。なぜなら。
「信長様、起きていらっしゃいますよね?」
「! ......お濃」
そう、このタイミングで遂に魔王の妻がリョウに接触を図ったのだ。
さてさて、次回はようやく織田夫婦の会話シーンとなります。浅井夫婦と違って出会いのシーンは書いてませんので、どう組み立てるか悩みながら進めていきます。よろしくお願いします。
里見レイ




