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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
転戦

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岐阜城会議

「竹中半兵衛、つまり速水陸がこちら側の兵を殺した、か......」


「行方不明になっていた柴田勝家、すなわち戸谷華香の死体を持ってきた。その上で姿を消した。うーん、彼は何を考えているのでしょうか?」


「......」


「あー、むしゃくしゃする! 雷光寺! 黙ってないで何か言えよ!」


 ここは美濃国、岐阜城。織田の本拠地だ。その中にある大名の私室に、四人の武将が集まっている。

 織田信長役の成川リョウ、ここに来てようやく登場した明智光秀役の松野晴彦、丹羽長秀役の雷光寺歩、そして前田利家役の石山竜牙だ。


「自分は皆さんより二つも年下で速水さんと面識がほとんどないのですが、彼は織田を裏切るようなことをするお方なのでしょうか?」


 晴彦は皆に質問する。


「さあな。果理奈が死んでからあいつと会話しなくなっちまったし」


 これは竜牙の回答。


「昔から頭の回転は悪くなかったけど、腹黒のイメージはないね」


 続いて、リョウが答える。


「......」


「歩、どうかした?」


「......あ、すまんリョウ。色々頭の整理がつかなくてな」


 慌ててリョウに返事する歩。先ほどより、眉間にしわが寄りっぱなしだ。


「雷光寺先輩、速水先輩の行動についてどう思われますか? 何か策があるような気がして」


「そうだな、松野。彼はこの時代に来てから単独行動が多かった。俺たち以外に仲間がいる可能性は否めないな。ただ、それが誰かは見当がつかない」


「彼はテレポート先のことを何も話してくれなかったからね。情報は皆無に等しい。ここで考えてもらちが明かないよ。とりあえず、今は石山果理奈、速水陸と侍大将を務めてきて、現在その地位が空白の部隊の処遇を決める方が先決だと思うな」


 意見が出尽くしたところで話を切り替えるリョウ。広い視野と冷静な切り替え、彼の議長としての能力を窺うことができる。


「その件についてだが」


 ここに来て、今までほとんど意見しなかった歩が口を開いた。


「俺に考えがある。ただ、成功するかはまだ五分五分だ。しばらく任せてくれないだろうか?」


 力強い目つきでリョウを見る歩。先ほどの悩んでい様子は見られない。


「......いいよ、これは君の担当分野だ。勿論、成功を祈っているよ。君の為にもね」


「......お前には、一生かかっても敵いそうにないな。分かっている上で許してくれたこと、感謝する。んじゃ、早速行ってくる。物事、ある程度は急いだほうがいいからな」


「うん。いってらっしゃい、歩」


「ああ」


 こうして、歩は部屋から出て行った。


「お二人は、以心伝心の仲なのですね」


 歩が見えなくなってから、晴彦は竜牙に囁く。


「高校入学以来、あの二人は部活でもクラスでもずっと一緒らしいからな。丸二年で以心伝心になるのかは人によるが、あいつらはそうだ。それも、兄弟以上の仲にな」


「なるほど。自分には全く分からない会話でしたが、成立するんですねえ」


「俺にもわからんがな。とにかく、速水の部隊については雷光寺に任せていいということだ」


 少々気楽な口調になる竜牙。彼も歩に全面の信頼を置いているのだ。

 そんな竜牙を横目に、晴彦はリョウの様子を窺っている。その瞳は、戦士そのものだった。

ついに光秀役の「松野」が登場しました。本当は、「坂本決戦」で高虎と戦っていたのですが、あまりにも「坂本」が長いのでカットになり、出番がことごとく先延ばしになってしまいました。今後、見せ場は作る予定ですのでお楽しみに。

ちなみに、彼のイメージは「イナズマイレブン」のマックスを考えてます。ある程度ですけど。

里見レイ

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