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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
転戦

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帰還後

ふう、進めます進めます。

「......」


「......」


 坂本決戦から二週間後の小谷城、当主の個室。

 ここでは、二人の少年が沈黙を貫き、空気は重さを増していた。


「お前、あの人質のことが好きだったのか?」


 最初に沈黙を破ったのは秀介。後輩のあまりにもの落ち込みぶりに聞かざるを得なかった。


「そうですね。一緒にいられた時間はとても楽しかったです。優姫のことがあって深層にしまっていましたが、多分好意を持っていました」


 答えたのは後輩の黒木三郎。あの戦いの後、一人でふらふらと帰ってきたのだ。


「ったく、感情というのは面倒なものだな。出会って一か月程度の奴が死んだ程度でこう落ち込んでしまうのだから。俺自身情けなくてしょうがないな」


「それでも、先輩は仕事をこなしてらっしゃる。気合が入らない僕とは大違いですよ」


「お前に喝を入れられない時点で当主失格だ。俺は大した人ではない」


「まあまあ、殿。そう気を落とさないでくださいませ。坂本から帰ってからの長政様の働きぶりは民から賞賛を受けるくらいなのですから」


「......高虎、毎度思うのだが突然現れるのは控えてくれ。心臓に悪い」


 またまた意表をついて登場する元側近、現侍大将の藤堂高虎にようやく突っ込みを入れる秀介。


「で、今度は何用だ? 今やるべき政務はすべて終え、あとは様子を見てテコ入れだと思うのだが」


「はい、軍備再編・灌漑計画・特産品奨励など、通常ならば一つずつ進める政策をすべて抜かりなく長政様は進めておられます。私が持って参りましたのは、『第二回信長包囲網会議』の開催を伝える手紙が来たためでございます」


「主催者は?」


「足利将軍様です」


「場所」


「前回と同じく、一乗谷とのこと」


「時間」


「できるだけ早くと仰っております。長政様と作戦を練る機会はこれを逃すと暫くなさそうですから」


「まあ、そうなんだけどねえ。もう少しゆっくりさせてもらってもいいんでないかい? 我はこう見えて凄く落ち込んでいるのだからさ」


「ならば、ご家族でゆっくりしてはいかがでしょう? 満腹殿も茶々子殿も長政様に会いたがっておりましたぞ?」


「......少しは、我の心境を読んでくれ。我はもう父親失格なんだからさ」


「お気持ちを考えてこその提案です。このままでは、浅井の家族は取り返しが付かなくなりますぞ!」


 いつになく、声を張り上げる高虎。隣の三郎が驚いてはね上がる。


「長政様、どうかご自分を責めないで下さい。発殿が亡くなられたのは長政様の責任ではございません!」


「我のせいなんだよ! 無駄な慰みは不要だ!」


「長政様は信長包囲網の要だと天下のもの全てが認識しておられます! その長政様が娘一人亡くした程度で意気消沈するはずがありません!!!」


「我が反省しなけりゃその先にあるのは破滅だ!!! 賢いお前なら、一部始終を見届け俺を小谷まで運んだお前なら分かるだろう!? 何が原因でこうなったかを!!!」


 高虎を上回る気迫で反論する秀介。反論が出れば打ち首並みの強さだ。


「長政様......包囲網会議の開催場所を小谷に変更するよう交渉して参ります。包囲網参加者へのもてなしも含め全てこの高虎にお任せを......それでは、ごめん!」


 今後の戦略を練るべく柔軟な対応を決定し、素早く立ち去る高虎。


「先輩......」


「気にするな。真実より現実が大事なのはどの時代でも言えることなんだからよ」


 いつも以上に心配そうな三郎にいつものような冷静さで対応する秀介。

 浅井が向かう先は、光か闇か。まだ誰にも分からない。



何とか、スポットを移しながら書いていきます。ぼちぼちいろんなキャラが再登場していきます。

里見レイ

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