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使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
坂本

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看破と撤退

 三郎の振る斧は、死神の鎌のように見る人を恐怖に陥れる迫力があった。

 何もかもを破壊するかのような鋭い一撃を、かろうじて防ぎ続ける歩と竜牙。

 二人の体に、疲労が確実に溜まっていく。


「狂戦士というのは、本当に戦ってて嫌気がさすものだね」


 歩、何度打ち込んでもびくともしない三郎を見て思わず弱音を吐く。


「二対一だというのに、この有様だからな」


 同意を示す竜牙。少々息切れをしている。


 三人の戦いはまだ終わる気配がしない。

 

(なんだろう? 何か乗せられてる気がする)


 長刀を振りながら、歩は表現しがたい違和を感じる。

 戦いについてではない。自身が連れてきた護身兵に何の動きもないことである。

 歩は織田家の家老職、一人で戦場に出ることはしない。足軽の中から、身軽な者を十人ほど連れてきたのだ。

 本来なら、相手の三郎が狂戦士化したときに弓矢で応戦してくれる手筈だったのだ。


(なぜ足軽たちに動きがない? 黒木君が怖いのか? いや、物おじしない人を選んだはずだ。ならば)


 三郎に注意を向けつつ、必死に考える歩。ここで考えるのをやめては、手遅れになるかもしれないからだ。

 その間も、三郎の猛攻は続き、歩の体力は少しずつ削られている。


「んで、速水は動いてんのか?」


 竜牙、味方の陸がいまだに参戦してないことに不満を言う。


「速水......そうか! あいつのせいか!!」


 歩、ついに合点を得る。

 すぐさま三郎と大きく距離を取り、戦場を見渡す。

 そして見つけた。自分の護身兵たちが、陸に次々と殺されていってることを。


「速水! どういうつもりだ!?」


 全速力で陸に迫る歩。さっきまでの戦いでの疲れを見せない俊足ぶりだ。


「ちっ、気づかれたか」


 陸、襲い掛かる歩に勝ち目なしと考え、すぐに霧を出す。テレポートで逃げる気だ。


「させるかー!!!」


 歩、長刀から渾身の突きを放つ。

 長刀は、陸の肩を直撃した。


「今回は、だいぶ借りを作っちまったな......」


 しかし、それでも陸はテレポートを成功させたようだ。霧が消える際、こう言い残して姿を消したのだった。


「あいつ、天下人狙ってるのか?」


 陸の行動に対する仮説は、歩達三人を皆殺しにすることしか思いつかない。


「ま、とりあえず後回しだな。石山! 撤退しよう!! このままじゃやばい!!」


 歩、状況の確認を目的に一度本陣への撤退を提案する。このまま三郎と戦っていては、戦局の変化に対応できなくなる。


「わ、分かった! よく分からないがお前がそういうなら」


 三郎と戦うのに必死で現状を理解できていない竜牙だが、歩の言葉に信頼を置いている。


「本陣付近で黒木君を捕えよう!」


「了解!」


 方針を素早く決定し、一気に後ろに走る歩と竜牙。


「アアアアアア!!!」


 当然のごとく追ってくる三郎。


 こうして、最前線での計略戦は一度幕を閉じたのだった。

次から秀介の戦闘に入ります!!!

里見レイ

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