↑ページトップへ
表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
使命の槍と宿命の刀  作者: 里見レイ
坂本

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

46/153

策士と戦士と狂戦士

 華香は、目を開いたまま絶望の表情をしていた。自慢のポニーテールも艶が失われ、干し草のように枯れた肌となっている。


「どういう、ことだ......」


 三郎、気を失いそうになるのを何とか堪え、陸に問いただす。


「見ての通りだ。俺が戸谷を助けに小谷まで飛んで行ったら、自分の槍で自害していたんだよ」


 淡々と、残酷な事実を告げる陸。しかし、彼の眼は少しうれしそうだ。


「あ、そうそう。お前にこんな書置きをしてたぞ」


 一枚の紙を三郎に投げる陸。宙に浮いた紙を捕まえ、恐る恐る内容に目を落とす三郎。

 そこには、いびつな字で


『お前に槍を向けることも、お前と槍を振るうこともあたしにはできない。ごめん。せめてあたしを』


と書いてあった。おそらく、遺書なのだろう。

 

「......」


 何も言うことができない三郎。自分が華香を追い詰めてしまったのかと罪悪感を覚える。


「ま、敵は殺すのが浅井のやり方だろ?最終的にこいつは死んでたんだし、気にすることないさ」


 軽蔑な口調で追撃をかける陸。三郎の動揺を楽しんでいるようだ。


「黒木君......」


 歩、さすがに心配になり三郎を気遣う。


「速水。いくら何でも強引じゃねえか?」


 竜牙、陸に非難の言葉をかける。一騎打ちの最中に持ってくる話ではないと言いたいのだ。


「石山、勝負はやるかやられるか。死にたくなければやるしかないんだぞ」


 陸、声のトーンを落として反論。彼は秀介たち浅井勢より戦国に、いや殺し合いの世界に染まっているのだ。


「雷光寺、石山。三対一で叩き潰すぞ! 奴さえ殺せば井田は両腕を失ったようなもの。浅井との勝負に一気にけりがつくからな」


 首元の具合を確認した後、包丁を構える陸。自身の手で三郎の息の根を止める気なのだろう。


「......断る」


 竜牙、首を横に振る。彼はあくまで、一騎打ちの末に三郎を討ち取りたいのだ。


「俺も反対だね。黒木君は武将として十分に価値がある。殺すなんてもったいないよ」


 歩はもとより殺す気などないのだ。浅井を犠牲少な目で降伏させるのが目的なのだから。


「ふう。お前ら甘いんだから」


 包丁をクルクル回してため息をつく陸。一人でも戦う気満々らしい。


「黒木三郎。お前の首、もらい受けるぞ」


 殺気を全身から放出し、宣戦布告をする陸。


「お前を、絶対に、許さない......」


 その返事として、殺気ではなく狂気を出す三郎。恐怖より怒りが完全に勝っている。


「アアアアアアアアアアアア......!!!」


 狂戦士、再び。この地が血に染まることを回避することは、不可能であろう。

四人の会話は、書いてて疲れますね。立場や考えが全員バラバラなものですから。

里見レイ

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。