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三十一日目ー愛おしいヒト、私を取り戻した私。

最終回です、

どうしてもこの話は一ヶ月の終わりの日に書きたかったので。

新約聖書・ヨハネによる福音書

第一章ー第一節


初めに言があった。言は神と共にあった。言は神であった。(2)この言は初めに神と共にあった(3)すべてのものは、これによってできた。できたもののうち、一つとしてこれによらないものはなかった。(4)この言に命があった。そしてその命は人の光であった。光は闇の中で輝いている。そして闇はこれに勝たなかった。


言とはイエス・キリストを表す、

キリスト教の定義ではヒトは真の意味では命を得ていない事となる、

そのため、全く宗教観の異なる日本人である我々の頭を悩まさせるのだ。


私は一人広いベットでうつ伏せになりながら聖書の言葉を思い出して居た。

私は蛇、即ちサタンで在る。


そしてサタンとは悪魔、諸々の国を誘惑し諸国民を惑わす年を経た古き蛇。


そしてそのサタンとはこれにも、ヨハネの黙示録にもある様に決して、神の御子キリストや光にある存在に勝る事は無い。


時間はまだ午後八時、

眠るには早いが活動するにはもう遅い。


私がこの世界でのあり様に悩む時、

神様が一つのアドバイスをくれる事を期待しながら。


そして、期待は当たった。


「まだ悩むのですか、サタンよ…」


気がついたら其処に居た神の御子、

不法侵入で訴えられてもしらねぇぞ!

そんな事しないけどね。


「そうね…自分の今の在り方に…もうこの時代に居られない事に悩んでは居るかもね、つくづく残酷な造りだわ」


旧約聖書・イザヤ書

第五十一章ー第四節


我が民よ、私に聞け、我が国ビトよ、私に耳を傾けよ、

律法は私から出、我が光は諸々の民の光となる。


「それにしても貴方も災難だったわね、弟子の一人に裏切られてしんで、あまつさえその弟子に自殺されてしまうんですものね」


これは言わずと知れた十三弟子イスカリオテのユダの事であるね、

まあ十三人目の弟子では無いけどね?


因みに、イスカリオテのユダが何故大罪人とされるかと言うと宗派によっても違うけれど、裏切りそのものではなく、自殺した事が大きいとされる。

キリスト教では自殺は重ーい罪だからね。


「えぇ、とても残念ですよ…民を救えなくてね、しかし彼にもいつか審判の時が訪れます、その時までに自分を知れば良いのですよ…あなたも…」


それだけを言い残して消えて行ってしまう神の御子のキリスト、

いずれ自身に訪れる裁判か…


私の気持ちはもう決まっている、

ただ、まだ踏ん切りがつかないだけ…


パパ…

私、どうしたら良いんだろうね…


私の意識は眠りの其処に落ちて行った…

もっと深い夜に訪れる客人も待って…



何時間程だったのだろう…

私はすっぽりと闇に包まれた自室を見渡す。


こんな時間に起きた意味も、

その結末も私は知っている…


光も闇も、ただ始まりの姿に戻った、溶けゆく夜。


「いらっしゃい…」


私は両腕を広げて彼

を受け入れた、


覆いかぶさる様に延びる、影。

繊細な金の髪の毛が刺さって来るが決して不快感は無い。


むしろ、その柔らかな彼の髪が触れる度に、私を抱擁する彼の存在を強く感じる。


ゆっくりと私の中にその存在がうずめられてゆく。

吸い付く様に首に当てられた唇。


むしろくすぐったい様な感覚が私を犯す。


そして、首筋に当てられて居た唇はゆっくりとした動きで下へと滑ってゆき、この時のために一糸纏わぬ姿の私の双山の左の頂点へと吸い付いた。


どうしても暗い部屋の中に、彼のたどった(ミチ)が銀に照らされる。


「ぅ…ぁん…」


私の口からはただ、熱い吐息が漏れるだけだった、


更に彼は空いている方の私のソレを揉み出した。

抓る様であり、覆う様だった。


強過ぎずもなく、弱過ぎずもなく、彼の細い、長い指で掬われる様に揉まれる度に身体中に電撃が走る様にも成る。


涙は、ただ眼から出るだけのモノでは無い、心の底からの歓喜の声が、一つの魂を大きく揺らす。


ゆっくりと熱くなる躰、

今の私は、信じられないほどに弱かった。

身体中に不快では無い汗をかく。


彼の方も、色白の絹の様な肌、身体にびっしりと玉の様な汗を浮かばせ、

彼の自身は既に自己主張を極めており、先端からは滝の様な欲望の汗をしたたり出して居た。


それは私も同じ事で、始めての営みに際して、

びっしょりと濡らし、もはや申し分無いものだとお互いに理解した。


前戯によって得たものは何も無い、これから先に起こることでも、私には何も残らない。


しかしそれでも、私はそれを欲していることがよくわかった。


彼は、怯える様な、期待する様な眼差しを私の中に注ぐと、


一々許可をとって来た。


此処まで来て……

それが彼の優しさで在ると同時に、強さでも在る。


彼の住まう場所で、多くの存在を従わせるための、チカラでも在る。


私は、自分の限界が近いことがわかって居た。

それが、どの様な限界で在るかはわかって居ないでも。


「…………」


私の心中の呟きはただ熱いため息とだけなって漏れ出てゆく、


それは、肯定の意。

「“欲している”」

そしてそんな油断した瞬間…


彼は私にソレをねじ込んだ、

奔る、激痛。


何モノも受け付けたことのないセイ成る門が、形の合わない鍵でこじ開けられる。


声にならない叫びが喉を引き裂く様に、

夜を壊してしまうかと思う程漏れた。


こ、んなの……

聞いて……な……


私は、ドクドクと溢れるその痛みから逃れようと、爪を立てて彼の肩を押した。


それでも彼は男…

一度始めた快感が逃がす事など許さない、

私の肩や腰を弄り、

胸やその頂点を貪り、


そして思い出したかの様に腰を降る、

彼が腰を降るたびに内の壁にソレが当たり、

今まで感じた事無い本物の快が得られた。


徐々に彼の色に染まってゆく私自身、だけれど、コレは私にとって、彼との最後。


それは彼も同じだった様、

彼も、私も、同時に始めてを喪失した。


しかし其処に寂寥感は無く、

ただ、満たされゆく満足感が私の器に注がれる。


瞬間、やはり彼はソモソモが天使で在るのだと私は知った。

ただヒトと恋に堕ち、堕天しただけの存在では無い。

より、深くを見つめる。暁の様な瞳。


ふと…

彼のその琥珀色の瞳をみる、

其処には強い覚悟があった。


あぁ、貴方もわかっているんだね、

私がもう帰らないといけないと言う事を…


ゆっくりとまた、

彼の細身だが逞しい肉体が私に意識させる、


しなやかな彼の体に不釣り合いにも思える大きなソレは引き抜かれて居た。


痛みも、快感も、みな一つに混ざり合った不思議な、たった一つの夜だった。


本当はもっと、一緒に居たかった、

共に過ごした数日間で愛おしさが何にも変えられない重さとして、鳴った。


そうして、

流れる涙を呑み込む様に、

彼と、私の唇が重なる事になった。


其の瞬間、

私は、私を取り戻した。


☆☆☆

☆☆☆


「なよ…きなって」


「じゅぎょ…くれちゃうよ…」


うん?

私は学友の声で目が覚める。


えーと、ここは…

見慣れた十字架、さんさんと照りつける陽光に鼻を焼かれるマリアちゃん、


私がエセマリアちゃんの奇跡の為に持ってきたお地蔵さんの名残の涎掛けを聖人ヤコブがかけている。


カトリックな学校だ…

うん?


「ねぇ、さくらー私って今まで何してた?」


私は学友のさくらに聞く、

隣には同じく学友のゆりも居た。


「うーんとね、礼拝が終わってから皆で出ようとしたら突然倒れたの20秒くらいかな?」


「もう!そんな事良いじゃ無い!速くしないと次数学のイチジク先生だよ!怒ると怖いじゃない!」


「そうだね、行こっか!」


私は学友たちと駆け出そうと思ったけど、

ふと、気になって礼拝堂の屋根の上にある十字架を見た。


もすこし、

神様信じてみようかな…?


おしまい


質問など何時でも良いので、

物語でわからない事が在ったらどうぞ。


編集、リリスと「彼」との描写をチョイ出しました。

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