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第四十四話 約束

少し遅れました。すみません

こちらは文にAIを使い、構成、キャラクター設定、舞台設定、話の原文、セリフの1部を私が作成しています。

 しばらくの間。

 二人は何も話さず、桜の木の下に立っていた。

 風が吹くたび、小さなフェルトの白い蛇が揺れる。

 椿はそれを見つめながら、小さく息を吐いた。

「……ちゃんと。」

 桜?が隣を見る。

「何?」

 椿は土の盛り上がりから目を離さないまま答えた。

「お別れ、言えてなかった。」

 昨日は突然だった。

 受け入れることもできず、ただ埋めることしかできなかった。

「だから。」

 椿はゆっくりしゃがみ込む。

 土へ向かって静かに微笑んだ。

「今までありがとう。」

 風が吹く。

 桜の葉が一枚、ふわりと舞い落ちる。

「短い間だったけど。お前といる時間、楽しかった。」

 椿は少しだけ目を閉じた。

「……またな。」

 その一言だけ残して立ち上がる。

 泣かなかった。

 昨日ほど声も震えていない。

 桜?はその姿を見つめながら、胸の奥で静かに思う。

 よかった。

 少し前を向けた。

 それなら。

 ここからは自分が隣にいて。

 少しずつ笑わせていけばいい。

「椿。」

 桜?はできるだけ明るい声を出した。

「そろそろ戻ろ。みんな心配する。」

 椿は一度だけ土を振り返り、小さく頷く。

「ああ。」

 二人は歩き始める。

 土手を登る途中。

 椿がぽつりと呟いた。

「桜。」

 桜?は思わず振り向く。

「ん?」

 椿は少し考えるように歩きながら続けた。

「……ありがとう。」

 桜?の胸が高鳴る。

 思わず足を止めそうになる。

 しかし。

 椿はそのまま言葉を続けた。

「一緒に埋めてくれて。昨日も。今日も。一人だったら、多分できなかった。」

 桜?は静かに笑った。

「親友だから。」

 自然に出た言葉だった。

 椿も小さく笑い返す。

「ああ。助かった。」

 その笑顔を見た桜?は、胸の奥が温かくなるのを感じた。

 けれど同時に、ほんの少しだけ物足りなさも残った。

 椿が感謝してくれたのは。

 自分という存在ではなく。

 隣にいて支えてくれた"親友"という役割だったから。

 それでも今は、それで十分だった。

 少しずつ。

 本当に少しずつ。

 椿の視線は、自分へ向き始めている。

 そう信じながら、桜?は椿と並んで学校への道を歩いていった。

◇

 学校へ戻る頃には、文化祭は午後の賑わいを迎えていた。

「お、二人とも。」

 景品班の男子が手を振る。

「どこ行ってた?」

 桜?は笑いながら肩をすくめる。

「ちょっと気分転換。」

「準備で座りっぱなしだったから。」

「なるほど。」

「じゃあ交代!」

 景品班は再び持ち場へ戻った。

     ◇

「いらっしゃいませ!」

 子どもたちの笑い声が教室に響く。

 輪投げで景品を取って喜ぶ子。

 悔しそうにもう一回挑戦する子。

 教室は終始賑やかだった。

 椿は景品を補充しながら、小さな男の子へ白蛇のプラ板キーホルダーを手渡す。

「ありがとう!」

 男の子は満面の笑みで受け取った。

「白ヘビだ!かっこいい!」

 その笑顔を見て、椿は少しだけ目を細めた。

「……よかった。」

 自然と零れた一言だった。

 桜?は少し離れた場所から、その様子を見ていた。

 さっき河川敷で見せた悲しそうな顔とは違う。

 ほんの少しだけ。

 本当にほんの少しだけだが、椿は笑えていた。

 それだけで十分だった。

 ――今は。

     ◇

 文化祭も終盤に差しかかる。

 客足も落ち着き始め、教室には穏やかな空気が流れていた。

 「ねぇ、桜。」

 隣の女子が声を掛ける。

「ん?」

「片付け終わったら、みんなで写真撮ろうよ!クラス全員で!」

 「いいね!」

 周りも賛成する。

 桜?も笑顔で頷いた。

「もちろん。」

 そう答えながら、無意識に椿を見る。

 椿も小さく頷いていた。

「いいと思う。」

 その返事を聞いて、女子は嬉しそうに拍手する。

「決まり!」

     ◇

 文化祭終了の放送が流れた。

 校内から拍手が聞こえる。

 生徒たちは一斉に片付けを始めた。

 机を運び。

 装飾を外し。

 段ボールをまとめる。

 忙しく動き回る中、不意に椿が口を開いた。

「桜。」

 桜?は段ボールを抱えたまま振り向く。

「何?」

 椿は少しだけ言いにくそうに視線を逸らした。

「……明日。日曜日だよな。」

「うん。」

「河川敷。」

 一拍置く。

「行こう。」

 その一言で、桜?の動きが止まった。

「……。」

 椿は続ける。

「毎日は、もう行かなくてもいいと思う。」

 少し寂しそうに笑う。

「でも。日曜日くらいは。花、供えに行こう。」

 その言葉を聞いた瞬間。

 桜?の胸が、音を立てて冷えた。

 終わっていなかった。

 白い蛇がいなくなっても。

 椿の中では、まだ終わっていなかった。

 河川敷は、これからも椿にとって大切な場所のままなのだ。

 「……うん。」

 桜?は笑って頷いた。

「行こう。」

 そう答えるしかなかった。

 けれど心の奥では、静かな焦りが少しずつ広がり始めていた。

 まだ足りない。

 椿は、まだ俺だけを見てくれない。

基本的には、1週間以内に更新する予定です。

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