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第三十話 帰り道

こちらは文にAIを使い、構成、キャラクター設定、舞台設定、話の原文、セリフの1部を私が作成しています。

 河川敷からの帰り道。

 二人はいつもの橋を渡っていた。

 夕日は山の向こうへ沈みかけている。

 蝉の鳴き声も、昼間より少し静かになっていた。

 椿は片手で飼育ケースの持ち手を握り、もう片方の手で自転車を押して歩く。

 ケースの中には何も入っていない。

 それでも、何度も中を覗き込んでしまう。

「祭りの日。」

 椿がぽつりと呟く。

「朝から準備しないとな。」

 桜?が隣で笑う。

「保冷剤凍らせて、タオルも持って、水も入れて、途中で休憩もして。」

 椿は頷く。

「ケースも日に当てないようにしないと。日陰ばっかり歩けば大丈夫かな。

「人混みは避けよう。」

 二人は真剣に話し合う。

 まるで、大切な家族を連れて出掛ける相談をしているようだった。

 少し歩いたところで、桜?が笑った。

「椿ってさ。」

「何?」

「昔から変わらないよね。」

 椿は首を傾げる。

「心配性。」

「そんなことない。」

「あるよ。」

 桜?は笑いながら続ける。

「小学生の時だって、俺が風邪ひいただけで。保健室まで五回くらい様子見に来たじゃん。」

 椿は少し照れくさそうに目を逸らした。

「……覚えてるのか。」

「当たり前。」

 桜?は笑う。

「嬉しかったし。」

 椿は何も返さなかった。

 その出来事は、本物の桜との思い出だ。

 目の前の桜?は記憶として知っているだけ。

 そう思おうとしても。

 自然に会話が続いてしまう。

 橋を渡り切ったところで、桜?が急に立ち止まった。

「そうだ。祭りの日。」

 椿が振り向く。

「写真撮ろ。」

「……写真?」

「うん。」

 桜?は少し照れたように笑う。

「三人で。」

 椿は少し驚いた顔をした。

「俺と。」

 桜?は自分を指差し、

「椿。」

 そして、空の飼育ケースを見た。

「桜。」

 その言葉を聞いた椿は、ケースへ視線を落とす。

 数秒考えたあと、小さく笑った。

「ああ。一枚だけ。」

 桜?の表情がぱっと明るくなる。

「やった。」

 その笑顔を見ながら、椿は静かに思う。

 その写真には。

 本物の桜も写る。

 姿は小さな白い蛇でも。

 ちゃんと三人で写る。

 そう信じていた。

 一方で桜?もまた、同じ約束を胸の中で反芻していた。

 三人で撮る、初めての写真。

 それはきっと、自分にとって一番大切な思い出になる。

 そう疑うことなく、夕焼けの空を見上げていた。

 夏祭り当日。

 朝から蝉が騒がしく鳴いていた。

 椿は目覚ましが鳴る前に目を覚ます。

 時計を見る。

 午前七時。

「……早いな。」

 そう呟きながらも、もう眠る気にはなれなかった。

 今日だけは違う。

 今日は、桜を祭りへ連れて行く日だ。

     ◇

 朝食を済ませると、自室の机へ飼育ケースを置く。

 昨日買ってきた保冷剤。

 タオル。

 小さな霧吹き。

 ペットボトルの水。

 スマホで調べた内容を思い出しながら、一つずつ確認していく。

「……これで大丈夫かな。」

 ケースを持ち上げ、保冷剤を置く位置を何度も変えてみる。

 冷えすぎないように。

 暑くなりすぎないように。

 試行錯誤を繰り返した。

 その様子を見ていた母親が、不思議そうに声を掛ける。

「何してるの?」

「……自由研究。」

 椿は曖昧に笑った。

「ふーん。」

 母親は深く聞こうとはしなかった。

     ◇

 午後。

 待ち合わせは、いつものコンビニだった。

 椿が自転車で着くと、すでに桜?がアイスを食べながら待っていた。

「あ、椿!」

 手を振る。

「早いね。」

「お前も。」

 桜?はアイスの棒をゴミ箱へ捨てる。

「ケース持ってきた?」

 椿は自転車の前かごを軽く叩いた。

「ああ。準備はできてる。」

 桜?は嬉しそうに頷く。

「じゃあ迎えに行こう。」

     ◇

 二人は河川敷へ向かった。

 隠れ家は、あの日と変わらない姿でそこにある。

 椿はしゃがみ込み、小さく呼び掛けた。

「桜。」

 少し待つ。

 すると、隠れ家の奥から白い頭がゆっくりと現れた。

「いた。」

 椿の表情が自然と緩む。

 白い蛇は椿を見ると、ゆっくりと近寄ってきた。

「今日は祭りだ。」

 椿は微笑む。

「約束してたもんな。」

 ケースの蓋を開け、そっと地面へ置く。

「入れるか?」

 白い蛇はケースを見つめる。

 少しだけ周りをうかがうように首を動かしたあと、自分から中へ入っていった。

「おお……。」

 椿は思わず笑う。

 桜?も横から覗き込み、ほっとしたように息をついた。

「嫌がらなくてよかった。」

 椿は慎重に蓋を閉める。

 空気穴を確認し、保冷剤の位置を少しだけ調整する。

「苦しくないか?」

 ケース越しに白い蛇を見る。

 白い蛇は静かに丸くなった。

「大丈夫そうだね。」

 桜?がそう言うと、椿も安心したように頷いた。

「じゃあ。」

 ケースの持ち手を握る。

「行こう。」

 その言葉を合図に、二人はいつもの河川敷をあとにした。

 今年初めての夏祭り。

 椿は、大切な親友を連れて行けることを心から嬉しく思っていた。

 桜?は、椿と一緒に夏祭りへ行けることを嬉しく思っていた。

 同じ景色を見ながら。

 同じ道を歩きながら。

 二人の胸にある願いは、どこまでもすれ違っていた

基本的には、1週間以内に更新する予定です。

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