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第二十九話 夏祭りの約束

こちらは文にAIを使い、構成、キャラクター設定、舞台設定、話の原文、セリフの1部を私が作成しています。

 帰り道。

 二人は自転車を押しながら、田んぼ道を歩いていた。

 夕焼けに染まった稲穂が風に揺れる。

「そういえば。」

 桜?が思い出したように口を開いた。

「祭りって来週の日曜日だっけ?」

「ああ。」

 椿は頷く。

「まだ少しある。」

「じゃあ、それまでに容器探さなきゃ。」

 桜?は指折り数え始める。

「大きめの透明ケース。空気穴。保冷剤。あとはタオルかな。直射日光当たらないようにしたいし。」

 椿も真剣な表情で考え込む。

「ケースの底に草を敷けば。少しは落ち着くかもしれない。」

「確かに。」

 桜?は嬉しそうに笑った。

「さすが椿。そういうの思い付くの早い。」

「調べただけだ。」

「それでも。」

 桜?は笑う。

「桜は安心すると思う。」

 その言葉に、椿は河川敷の方を振り返った。

 もう白い蛇の姿は見えない。

 隠れ家の中で休んでいるのだろう。

「……。」

 早く。

 早く元に戻してやりたい。

 そんな思いだけが胸に積もっていく。

     ◇

「そうだ。」

 桜?が急に笑顔になる。

「祭りの日さ。射的やろ。」

 椿は思わず笑う。

「また一つも取れないだろ。」

「今年は違う!」

「毎年言ってる。」

「今年こそ!」

「去年も聞いた。」

「あれは運が悪かった。」

「腕だ。」

「違う!」

 二人は思わず笑い合う。

 ほんの数秒。

 事件なんて何も起きていない頃へ戻ったような時間だった。

 笑い終えたあと。

 椿は少しだけ申し訳なさそうに俯く。

「……。」

 また笑ってしまった。

 桜?はその変化に気付いたが、何も言わなかった。

 言えば、その笑顔が消えてしまう気がしたから。

     ◇

 別れ道へ着く。

「じゃあ。」

 桜?は自転車へまたがる。

「明日も河川敷?」

「ああ。」

「分かった。」

 少し照れくさそうに笑う。

「また明日。」

「また明日。」

 二人は反対方向へ走り出す。

 その背中を見送りながら、桜?は心の中で呟いた。

 夏祭り。

 三人で行く初めての思い出。

 椿は、本物の桜との思い出を大切にしている。

 だから。

 自分はそれを越えるくらい、新しい思い出を作ればいい。

 楽しい思い出を。

 笑った思い出を。

 たくさん。

 たくさん。

 そうすればいつか。

 椿の中で「桜」と過ごした時間と、自分と過ごした時間が並ぶ日が来るかもしれない。

 そんな淡い期待を胸に抱きながら、桜?は夕暮れの村を走っていった。

 その考えが。

 椿の最も大切にしているものを、根本から履き違えていることにも気付かないまま。

 翌日の放課後。

 コンビニへ寄らず、二人は町のホームセンターへ電車に揺られ向かった。

「これどう?」

 桜?が透明な飼育ケースを持ち上げる。

 小動物用のプラスチックケースだった。

 蓋には最初から小さな空気穴が開いている。

 椿はケースを受け取り、中を覗き込んだ。

「……少し狭い。もう一回り大きい方がいいか。」

「うん。」

 二人は売り場を見て回る。

 昆虫用。

 小動物用。

 魚の運搬用。

 様々なケースが並んでいた。

「これ。」

 椿が一つのケースを手に取る。

 透明で、横幅も十分ある。

 底には湿らせた苔を敷くこともできそうだった。

 桜?が頷く。

「それなら桜も動きやすそう。」

 椿も小さく笑った。

「これにしよう。」

     ◇

 次は保冷用品の売り場。

「保冷剤って直接入れたら冷たすぎるかな。」

 桜?が商品を見比べる。

 椿は腕を組んだ。

「タオルで包めば大丈夫かもしれない。あと。ケースの片側だけ冷やそう。逃げ場があった方がいい。」

 桜?は感心したように笑う。

「ほんと。椿、ちゃんと考えてる。」

「当たり前だ。」

 椿は真剣な顔のまま答えた。

「桜だから。」

 その言葉だけで。

 桜?は何も言えなくなった。

     ◇

 レジを済ませ、店を出る。

 夕方の風が少しだけ涼しい。

 桜?はケースを眺めながら笑った。

「これなら。お祭り楽しめそうだね。」

 椿もケースを見つめる。

「うん。屋台も見せてやりたい。花火も。金魚すくいも。」

 桜?は思わず吹き出した。

「蛇なのに?」

 椿も少しだけ笑う。

「見てるだけでも楽しいだろ。」

「……そうだね。」

 その返事は、とても優しかった。

     ◇

 河川敷へ着く。

 椿は嬉しそうにケースを白い蛇へ見せた。

「見ろ。夏祭り用。これなら暑くないように工夫できそうだ。」

 白い蛇はケースをじっと見つめている。

 椿には、その姿が少し嬉しそうに見えた。

「あと一週間。」

 椿は静かに笑う。

「楽しみにしてろ。」

 その言葉を聞きながら、少し離れた場所に立つ桜?も同じように微笑んだ。

 椿は。

 白い蛇へ話し掛けている。

 でも、その未来には。

 自分も一緒にいる。

 それだけで、胸の奥が少しだけ温かくなった。

 夕日が三つの影を河川敷へ長く伸ばしていた。

 椿。

 桜?。

 そして、小さな白い蛇。

 傍から見れば、どこにでもいる高校生と一匹の蛇。

 けれど、その穏やかな夕暮れの下には、それぞれが全く違う願いを抱えていた。

基本的には、1週間以内に更新する予定です。

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